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特集 : 宇宙線を考えるシリーズー宇宙線被ばく防護対策を実現させ放射線障害から身を守ろう
日乗連ニュースより抜粋

機長組合より・・・・・

日乗連発行のニュースで表現は、日本のエアライン乗員向けのものとなっていますが、乗客の皆様にも大変興味ある内容かと思います。

宇宙線を考えるシリーズ1

日乗連はかねてから乗務員の宇宙線被ばく問題について取り組んでおり、この2月には客室乗務員連絡会と合同で文部科学省など関係3省に対して「宇宙線被ばく防護に関する再度の要請」を行ないました。この要請を受けて関係当局は現在、対策の実施に向けて検討を行なっています。このような状況のなか、一日も早く私達の要請に沿った被ばく防護の対策を実現させるためには、皆さんがこの問題に強い関心を持ち、そして要求についての確信を深める事が重要になってきます。そこで、日乗連HUPER 委員会はこの機会に、この問題に関するニュースをシリーズで発行し、改めて、宇宙線被ばくの実態や問題点、取り組みの経緯、国際機関や諸外国の動き、行政当局の対応などを皆さんに紹介します。一回目の今回は、まずは「宇宙線」について簡単に解説します。

宇宙線は放射線。そして、その量は高度が高いほど、緯度が高いほど多い!

宇宙線とは宇宙空間を飛び交っている放射線のことで、一次宇宙線と二次宇宙線とに分けられます。一次宇宙線は宇宙空間を直接飛び交っている放射線のことで、超新星の爆発や太陽フレアーに由来すると言われています。そして、二次宇宙線は、一次宇宙線が地球に降り注ぎ大気を構成する元素の原子核と衝突して発生する放射線のことで、私達がレントゲンを取るときに浴びるガンマ線の類や東海村のウラン加工会社JCO臨界事故で事故を起こした作業員が浴びた中性子線といったものが含まれます。

宇宙から飛来する一次宇宙線は、大気上層の窒素や酸素などの原子核と衝突する事によって消滅し、直接地上に降り注ぐことはありませんし、私達が飛行する高度12~3km 程度の上空にもほとんど存在しません。一方、大気上層で発生した二次宇宙線は、大気による吸収が少ない分、上空ほどその量は多く、地表に近づくにつれて減少しますが、一部は地表にまで達します。つまり、二次宇宙線は私達が暮らす地上にも存在し、そして、高度が上がれば上がるほどその量が増えるということになります。また、宇宙から地球に降り注ぐ一次宇宙線が地磁気の影響で両磁極に集中することから、二次宇宙線の量は、例えば高度が同じ場合、緯度が高くなる(磁極に近づく)ほど多くなることになります。

結局、私達が飛行中に浴びる「宇宙線」とは、「宇宙から飛来する一次宇宙線が大気と衝突することによって発生する二次宇宙線という放射線であり、その量は高度が高いほど、また、緯度が高いほど多い」ということになります。

さて、そこで問題なのはその量、そして、それらが人体に与える影響です。それらについては、次回以降で説明します。

宇宙線を考えるシリーズ その2

被ばくすればするほど癌の確率が増える!

宇宙線が放射線であるということは前回ご紹介しました。そこで、今回は放射線が人体に与える影響についてお話します。放射線を浴びる事を「被曝(ひばく)」と言います。「被爆」ではありません(漢字が違います)。一般的に「曝」という字があまり使われないので、日乗連では「被ばく」と表記します。被ばくを分類する形式はいくつかあります。例えば、「急性」と「慢性」、「全身」と「局所」などです。航空機乗務員の宇宙線による被ばくは「慢性被ばく」でかつ「全身被ばく」となります。

放射線が人体に有害であることは周知の事実です。放射線によって生じる人体への影響で治療の対象となる影響を「放射線障害」と言います。良く知られているものに「癌」や「子孫に現れる障害」などがあります。放射線によって細胞内の遺伝子が傷つくことがその原因と考えられています。

放射線障害はいくつかの形式によって分類されます。例えば医学的な観点から「身体的影響」と「遺伝的影響」とに分けられます。身体的影響とは被ばくした本人の身体に現れる障害で、遺伝的影響とは子孫に現れる障害です。また、障害の現れ方で「早期障害」と「晩発性障害」とに分けられます。早期障害は被ばく後数週間以内に症状が現れるもので、皮膚や粘膜の障害、脱毛、白血球の減少などです。一方、「晩発性障害」には癌や胎児への影響、寿命短縮などがあります。

「確率的影響」これが問題! 宇宙線被ばくは賞品が「癌」の宝くじ?

放射線を防護する立場からの分類として「確定的影響」と「確率的影響」があります。「確定的影響」は、ある限界値(しきい値:それ以下なら障害が発生しない値)以上の放射線を浴びると誰にでも必ず現れる障害で、脱毛、白血球の減少などがあります。ただし、このしきい値はかなり高い値なので、放射線関連の事故でもない限り通常問題になりません。一方「確率的影響」は、しきい値が存在しないと考えられ、どんなに低い被ばく量でもそれなりの発生確率で障害が現れ、被ばく量が増えるにつれて障害の発生確率が大きくなるタイプの障害です。この確率的影響には癌と遺伝的影響があります。

確率的影響を説明するのに「宝くじ」がよく使われます。宝くじはたくさん購入するほど当選の確率が高くなります。これと同じように、放射線をたくさん被ばくするほど障害の発生する確率が高くなるのが確率的影響です。しかし、「宝くじ」と「被ばくの確率的影響」には決定的な違いがあります。宝くじの場合、抽選が終わり落選すると、その「くじ」はその後絶対に当選することはありません。ところが、確率的影響の場合、購入した「くじ」(放射線の被ばく)は、その人にとって永遠に当選の可能性のある「くじ」であり、また、やっかいなことに、生涯のあいだ何回も抽選が行なわれるのです。

つまり、ひとたび放射線被ばくすると、将来癌になったり、子孫に遺伝的影響が発生したりしないとは絶対に言い切れないのです。そして、その確率は被ばくの量に比例して確実に高くなるのです。

宇宙線を考えるシリーズ その3

乗務員の被ばくは原発労働者の4倍!?

今回は私達航空機乗務員がどの位の宇宙線を浴びているかについて説明します。

まず、単位について簡単に説明します。放射線被ばく量を表す尺度として最初に考えられたのが「吸収線量」です。これは体重1キログラム当たりに吸収された放射線のエネルギーによって決まる尺度で、単位は「グレイ」です。しかし、同じ吸収線量でも放射線の種類(例えば中性子、ガンマ線等々)によって人体が受けるダメージが違う事が分かりました。そこで、人体が受ける放射線の影響に着目し、それを表す尺度として「線量当量」が考え出されました。単位は「シーベルト(Sv)」で表します。従って、放射線障害や被ばく防護を考える場合は、このシーベルトという単位を使います。1/.1000 がミリシーベルト(mSv)で、その1/1000 がマイクロシーベルト(μSv)です。皆さん覚えてください。

原発労働者は法律で保護されているのに私達は全くなし

宇宙線の被ばく量を知るためには実測が必要です。私達日乗連も独自に宇宙線を測定しましたが、その後、いくつかの機関(主に海外)でも測定が行なわれ、そのデータが明らかにされています。

2004 年6 月23 日に開催された専門家などによる放射線安全規制検討会(事務局は文科省放射線規制室)で、海外の測定結果などを基に、「飛行900 時間で6mSv の被ばく」あるいは「同200 時間で1mSv」というデータが示されました。国の検討会で示された、この「200 時間で1mSv」を基準に乗務員の年間の被ばく量を試算すると、年間800 時間のフライト(便乗を含む)の場合、4mSv となります。私達の調査でもニューヨーク、シカゴ、ロンドン、パリ、アムステルダムなどの路線を年間800 時間フライトすると、3.5 mSv 前後の値が実測されています。

「4mSv」がどの程度の被ばくか、私達素人には良く分かりません。そこで、職業に起因して放射線を浴びる他の職業と比較してみます。専門家によると、職業に起因した被ばく量の平均が最も多い職業は原子力発電所の労働者で、平均被ばく量は年間約1mSv です。ということは、上記試算による乗務員の宇宙線被ばく量「4mSv」は、原発労働者の平均の4倍ということになります。放射線技師など他の職業の場合、被ばく量は原発労働者よりも少ないと言われています。

「4mSv」はあくまでも推定値であり、実測値ではありません。しかし、いずれにせよ、今までの調査や研究などから、私達乗務員は原発労働者にとって代わり「現存する職業の中で最も多く放射線を浴びる職業」であり、そして、その被ばく量は原発労働者より遥かに多いだろうと専門家も認めています。

ところが、このように私達航空機乗務員が職業に起因して最も多く放射線を浴びているにもかかわらず、原発労働者などが法律で「職業被ばく」と位置付けられ、個人の被ばく量の測定や被ばく防護策健康管理などが義務付けられているのとは対照的に、なんら対策が取られずに放置されているのです。

宇宙線を考えるシリーズ その4

5500名中30名の乗員が癌で死亡!?

国の検討会で明らかにされたデータなどを基に推測すれば、「乗員の多くは宇宙線を年間数ミリシーベルト(mSv)浴び、その被ばく量は原発労働者の年平均被ばく量を遥かに上回る」と前回説明しました。今回は、これがどの程度の被ばくなのかについてお話します。

私達は、普段の地上の生活でも、宇宙線や地中の放射性物質などから少量の放射線を浴びています。このような放射線を「バックグラウンド放射線」と呼びます。バックグラウンド放射線の量は場所などによって異なりますが、放射線医学総合研究所(放医研)によれば、日本では年間約2.2mSvです。国連のデータなどを基に乗員の宇宙線の年間被ばく量を約「4mSv」と仮定すると、私達乗員は、バックグラウンド放射線と合わせて年間6mSv以上の自然放射線を浴びることになります。この量は、バックグラウンド放射線(2.2mSv)そのものの約3倍となります。

医療被ばくと比較してみます。放医研によると、胸のレントゲン写真(集団検診の場合)1枚の被ばく量は約0.06mSvだそうです。従って、「4mSv」の被ばくとは、その約67枚分に相当します。

会社は科学的根拠も無視し「問題ない」と主張

被ばくが人体に与える影響(放射線障害)については、広島・長崎の被爆者のデータなどを基に、長年にわたり調査や研究が行なわれ、「急性被ばく」や「大量被ばく」のリスク(癌の発生など)についてはかなり解明されています。しかし、乗員の宇宙線被ばくなどで問題になる「低線量被ばく」については未解明な部分が多く、癌の発生など放射線障害との因果関係は証明されていません。

このような中、現在の放射線障害防止法など放射線に関する各国の規制や防護は、「LNT仮説」がその前提になっています。LNT仮説とは、「低線量放射線による生体影響の線量効果関係は直線的であり、しきい値はない」というものです。これは、大雑把に言えば「被ばく量と放射線障害の発生率は正比例で、例え低線量でもそれなりのリスク(癌の発生率の増加など)がある」ということです。この説と国際放射線防護委員会のデータを基に、私達の宇宙線被ばくに伴う癌の発生リスクを推測すると(年間4mSvを35年間被ばくし続けたと想定)、日乗連会員5500名のうち30名以上が宇宙線の影響で将来致死的な癌になるということになります。

このリスクについての評価は、立場や考え方によって異なるかもしれません。また、LNT仮説には異論もあるようです。しかし、世界の被ばく防護の前提がこのLNT仮説である現状を踏まえれば、「宇宙線被ばくは健康上問題ない。対策は必要ない」とする企業の姿勢は、現状を無視した一方的な考えであり、また、人命を軽んじる無責任な姿勢と言えるのではないでしょうか。

宇宙線を考えるシリーズ その5

「宇宙線嵐」対策は不可欠

太陽の活動は、極大期から極小期を経てまた極大期へと、おおよそ11年周期で変化しています。活動が盛んな時期は黒点の数が増え、その周りで「太陽フレア」と呼ばれる一種の巨大爆発現象が発生し、多量の放射線が放出され、それによって地球周辺にある太陽由来の宇宙線量も増加します。しかし、一方で、活動の活発化によって生じる太陽磁場の増強は、太陽系に対する銀河(太陽系外)由来の宇宙線の遮蔽効果を高め、太陽系外から降り注ぐ銀河由来の宇宙線量を減少させます。

この相反する二つの影響の結果、一般的には、太陽活動が盛んになると、太陽の磁場の増強による遮蔽効果の影響が大きく現れ、地球大気に降り注ぐ宇宙線の量は減少すると言われています。逆に、太陽の活動が減衰すると、地球に降り注ぐ宇宙線量は増加します。もし、私達が浴びる宇宙線に対する太陽活動の影響がこの範囲に留まっているならば、「太陽活動の影響」は大きな問題にはなりません。

一回のフライトで原発労働者数年分の放射線を一挙に浴びる!

問題は「巨大太陽フレア」です。これは活動が活発な時期などに稀に発生する巨大な太陽フレアのことで、このとき太陽は極めて多量の宇宙線を放出し、地球大気中の宇宙線量も飛躍的に増加します。このような現象は「宇宙線嵐」と呼ばれ、時には人工衛星に大きなダメージを与えるとも言われています。

宇宙線嵐の持続時間は数十分から数時間程度と言われています。米国のNOAA(海洋大気局)は宇宙線嵐の観測と予報を行なっており、強度別にS1からS5の5段階に分類して公表しています。最強度である「S5」についてNOAAは、「高緯度を飛行する旅客機の乗員乗客は胸部レントゲン100回分の宇宙線を浴びる可能性がある」と指摘しています。また、一段階下の「S4」でもレントゲン10回分の宇宙線を浴びると指摘しています。NOAAは、S5およびS4の発生頻度をそれぞれ、11年に1回、11年に3回程度と予測しています。

胸部レントゲン1回の被ばく量は装置や撮影方法などによって大きく異なるそうですが、放射線医学総合研究所の資料によれば0.06mSv(集団検診)、日本医学放射線学会によれば0.4mSv(胸部一般X線)となっています。この値を基にすれば、100回分はそれぞれ「6mSv」「40mSv」となり、原発労働者の平均被ばく量の6年分または40年分に相当します。NOAAが示す「100回分」が絶対量としてどの位の被ばく量を意味するのかは定かではありません。しかし、いずれにせよ、一回のフライトでレントゲン100回や10回分の放射線を浴びてしまうような事態は、例え発生頻度が低いとしても、当然、避けるべきだと考えられます。

欧州で実施されつつある宇宙線に関する規制の中には、宇宙線嵐の対策を盛り込む動きが進んでいます。既に、アリタリア航空のOMには「S5の宇宙線嵐が予想される場合は運航を中止する」と規定されています。

文科省に設置された宇宙線に関するワーキンググループにおいても、「宇宙線嵐」は重要な問題と位置付けられて検討が行なわれています。

私達は、国に対して行なった要請で、この問題について実効性のある対策の実施を求めています。

宇宙線を考えるシリーズ 番外編

日乗連、国の会合で意見表明

9月14日、文部科学省で「航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループ」の第2回会合が開催されました。私達が関係当局に対して実施した宇宙線被ばく防護についての要請(96年3月および本年2月)に答えて、文科省が設置したこのワーキンググループは、放射線物理や医学などの専門家によって構成されており、航空機乗務員等の宇宙線被ばく問題について検討し、1~2年を目途に見解をまとめることになっています。

W/G主査「乗務員の疑問にはきちんと対応したい」

私達日乗連と客乗連は文科省からの要請を受け、この第2回会合において、この問題についての私達の主張や要求などについて、約30分にわたって発表しました。私達の発表に対して、ワーキンググループの委員からは幾つかの質問がありました。また、ワーキンググループの小佐古敏荘主査(東京大学原子力研究総合センター助教授)は「乗務員の疑問等に対してはきちんと対応していきたい」と述べました。 ワーキンググループが設置され、国による宇宙線に関する具体的な検討が始まったこと、また、その会合において私達の主張や要求を発表する場が設けられたことは、この問題について私達が粘り強く取り組んできた成果です。

宇宙線問題で日本保健物理学会も委員会設置

放射線防護の専門家などによって構成されている日本保健物理学会においても、航空機乗務員等の宇宙線被ばく問題について検討する委員会が設置されることになりました。そして、この委員会の委員には、長年日乗連の宇宙線についての取り組みに専門家の立場としてご支援をいただいている日本大学歯学部の野口先生が選ばれています。

私達は今後も、このワーキンググループなどの検討状況を見守ると共に、様々な機会を捉えてこの問題について活動していきます。また、IFALPA HUPER委員会および他国の各協会などとも連携しながら、この問題についての取り組みを進めていきます。

以下にに文科省の「航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループ」第二回会合での日乗連・客乗連のプレゼンテーションの骨子を掲載しています。ご覧下さい。

航空機乗務員等の宇宙線被ばくについて

2004年9月14日
日本乗員組合連絡会議
客室乗務員連絡会

私達は、ICRP1990年勧告に沿って航空機乗務員の宇宙線被ばくを「職業被ばく」と位置付け、その上で適切な被ばく防護策を実施するよう求めた要請を、1996年3月および2004年6月、文部科学省(96年当時は科学技術庁)など関係当局に行ないました。

宇宙線については、近年、様々な機関で調査や研究が行なわれ、実態が解明されつつあります。そして、それらを元に、既に対策が実施されている国もあります。一方、我が国では、このワーキンググループの開催によって、やっと本格的な検討が始まったばかりです。 このような状況を踏まえ、宇宙線についての私達の不安や考えについて、ここに説明します。

解明されつつある乗務員の宇宙線被ばくの実態は・・・

乗務員の多くが、原発労働者の平均より遥かに多くの放射線を浴びている可能性がある。 生涯の総被ばく量が百数十mSvとなる可能性もある。(原発労働者年平均の百年分) 一回のフライトでレントゲン百回分の放射線(30mSv?)を浴びる「太陽宇宙線嵐」がある。

宇宙線被ばくによる健康被害は・・・

幾つかの研究は、乗務員の宇宙線被ばくと癌の発症の関連性を示唆している。 胎児への影響が大きいと言われる妊娠初期に、多量の宇宙線を浴びる状況も懸念される。 運航乗務員(機長、副操縦士等)六千名中三十数名が宇宙線で致死的な癌になると推論できる。

宇宙線被ばくに対する防護策が必要な理由は・・・

専門家は「被ばく実態調査の結果が既にその必要性を証明している」と指摘している。 被ばく防護が実施されている職業(原発等)よりも多くの放射線を浴びていると考えられる。 (「乗務員は最も多く放射線を浴びる職業集団」とも指摘されている) 現在の被ばく防護の前提「LNT仮説」から推測すると、癌などの健康被害が考えられる。 宇宙線は放射線である。当然被ばく防護の原則「ALARA」に則って対処されるべきである。

私達が求めていることは・・・

宇宙線の実態解明と、適切な測定や算定方法などについての更なる調査研究。 宇宙線の実態、被ばくのリスクや防護策についての乗務員への適切な教育。 乗務員個々人の宇宙線被ばく量の把握とその記録。 宇宙線に関する被ばく低減策の実施。 (無用な被ばくの回避策、宇宙線嵐への対策、被ばくが特定個人に集中しない対策等々) 職業被ばくを意識した健康管理の実施。 乗務員の疫学データ等を踏まえ、宇宙線による長期低線量被ばくの影響についての調査研究。

宇宙線被ばくは、私達乗務員の命と健康の問題であると同時に、乗客にも関わる重要な問題であると私達は捉えています。 関係当局には、これらを踏まえ、慎重かつ十分なご検討をいただき、早急に対策を講じていただきますよう、要請いたします。

以上

急減圧では説明のつかない数々の矛盾急減圧では説明のつかない数々の矛盾

急減圧では説明のつかない数々の矛盾 123便事故の再調査を求める?D 前回に引き続き、UAL811便の急減圧事故と123便とを対比してみます。 「開かなかった操縦室ドア」=差圧が無かった証拠 ?A UAL811便:ギャレーのドアやカートを上げ下ろしするリフトのドアが差圧により開いた。 123便:CVRの解読等でも、操縦室のドアが開いた形跡は全くありません。 事故調の試算では、隔壁破壊から1秒後には操縦室と客室内で0.39psiの差圧が生じたとしています。これは、ドアを施錠するシアピンの設計強度の1.8倍(シアピンは差圧0.22psiで破損するよう設計)に相当します。 ドアが開かなかった理由について、報告書ではあえて説明していませんが、123便のドアが設計よりはるかに頑丈だったのではなく、それ程の差圧がなかった、即ち事故調の解析するような急減圧が無かったと解釈する方が論理的といえます。 真夏に夏服のまま-40℃で、誰も寒さを感じない??? ?B UAL811便:気温が急激に低下し、凍えるように寒くなった。 123便:事故調の試算によれば、急減圧に伴って機内の温度は5秒間で65℃も低下し、-40℃になったとしています。しかし、CVR・生存者の口述・乗客の遺書いずれにも「寒い」といった表現はありません。 真夏に夏服のまま、一瞬に-40℃の世界に置かれても、UAL811便のように「凍えるように寒い」との感覚を持たなかったのでしょうか。 低酸素症はあったのか??? ?C UAL811便:めまいを感じ、脳は十分働いていない感じだった。酸素マスクのプラグをボトルに差し込むことがスムーズに出来なかった。この作業を見ていた他の乗員は、まるでスローモーションの画面を見ているようだったと語っている。 123便:123便の場合、事故調も認めているように、乗員は酸素マスクも着用していません。2万ft以上の高度を飛行していた時間は18分間にも及びます。しかし乗員はフゴイド運動という極めて不安定な運動を繰り返す飛行機を落ち着かせるために、長時間格闘し続けており、これは酸欠状態であればとても出来ない技です。 UAL811便では、乗員は直ちにFL230から緊急降下を実施していますが、その短時間にも酸素を吸入できなかった客室乗務員は低酸素症の症状を訴えています。 果たして人間は、このような高高度で酸素吸入をせずとも正常な判断、行動がとれるものなのか‥‥それは次号以降で紹介します。 騒音もなかった ?D UAL811便:機内の騒音レベルは高く、力いっぱい叫んでも自分自身に聞こえないほどであった。乗客との会話もほとんど出来なかった。 123便:酸素マスク着用のプリレコーデッド・アナウンスを生存者が聞いているように、機内に騒音があった様子はどこにもありません。 一方、123便と同様に圧力隔壁が破壊されたタイ航空機の場合、機内の乗客は相当の風切り音があったと語っています。 これでも尚123便は30万ft/minもの急減圧があったと言うのでしょうか。 (機長組合ニュース15-27)

ここが違うGood ////!ここが違うGood ////!

1月~3月、放映された副操縦士を主人公としたドラマを本物・機長が検証  ■B747-400もB777も操縦できるスーパー副操縦士・新海君・・・・でも フライトシーンで実写される航空機はB747-400であったりB777であったり。どうやら2機種以上でも乗務できるようですね。事実は大昔は混乗といって複数の機種を乗務したりしたようですが、スイッチの位置やONーOFFの方向が逆だったりと不安全なこと、資格維持も大変なことで現在は乗務機種はひとつです。ちなみに客室乗務員は複数の機種を乗務します。■遅刻!と機長をホテルに残しショーアップ・・・・そんな ホノルル線は時差の大変なフライト。仕事前にワイキキの浜辺で寝ている余裕はないのですが、通常ステイ先ではホテルから空港までバスで行きます。ホテルで機長と副操縦士はピックアップタイムに待ち合わせて行きますので、機長を置いてきぼりにする副操縦士はいません  ■いつも同じメンバーで乗務、楽しそう・・・・でも 数名の機長と繰り返し乗務し、客室乗務員も同じグループとばかりで仲良く楽しそうなS副操縦士ですが、パイロットの現場ではまずないことです。運航乗務員はそれぞれ一月毎の乗務スケジュールに沿って乗務しますが、どんな機長ー副操縦士で組むかは、毎回のパターン(基地を離れ基地に戻るまで)で異なります。勿論、初対面ということも少なくありません。でもお互いがプロ、それぞれ資格を持ち、要求されたレベルあるわけですから職務にはまったく支障がありません。機長も副操縦士も会社組織としてはそれぞれ機種別の乗員部などに配属されていますが、自分の所属長と1年間まったくフライトで顔を合わせないこともしばしばあります。その為、フライト業務を人事考課などで評価することは大変むずかしく「人事考課は乗員に馴染まない」状況にあります。ちなみに客室乗務員の場合は、基本的にはグループで長期間のスケジュールに沿って乗務することになっていますが、機種やフライトによって乗務員数が少なくなったりするのでグループを離れてフライトする場合もあります。1年間乗務していても、同じ客室乗務員と顔を合わすことは滅多にないことです。毎回、黒木 瞳さんのようなCAと飛べるなんて、何と・・・・・。 ■千歳にダイバート、そして給油して成田へ・・・・でも 中国線を乗務し、目的地成田へ、しかし成田は濃霧。関空も悪天。機長は千歳へダイバートを決意するも目的地成田への到着をあきらめない。千歳ですぐに給油して成田へ飛び立ったが・・・・・実は成田空港は閉まっていたのです。ご存じの方も多いかと思いますが、成田空港は騒音問題があり、23時~6時までの間の離着陸が厳しく制限されています。夜飛び立った太平洋便などが急病人等で引き返す場合などは別ですが、一旦、千歳へ降りた便が、再び成田へ向け飛行し夜中に着陸するケースはありません。 ■監査フライトに機長がフェイルしたら、引退・・・・そんな JALでは監査とは呼ばず査察と言いますが、機長は1年に1回、実機とシミュレーターそれぞれで定期審査を受けなければなりません。また路線資格を得るときにも路線審査を受けます。それらの審査には査察運航乗務員があたります。いわゆるチェックフライトでは、ドラマ同様、知識や運航全般を審査されますので日頃のフライトにはない緊張をもって行われますし、勿論、所定のレベルを下回ると判断されるとチェック不合格となる訳ですが、即刻、引退を決意というものではありません。当然、再審査(リチェック)のチャンスもあります。尤も、毎日の運航にあたっている機長ですし、審査前には準備を怠らず望みますから、フェイルとなる率は当然、極低いものです。医師や弁護士など国家試験として取得する資格の中でも、こうした定期的な審査によってレベルを管理している資格は見当たりません。パイロットという職業の特殊性が表れている制度と言えるでしょう。 ■全社員揃って脱出訓練・・・・・本当は JALでは定期救難訓練と言いますが、運航乗務員と客室乗務員が1年に1回、まる1日がかりで、ドラマ同様のモックアップ(客室とスライドなどを実機同様に模したもの)を使い訓練を行います。ちょっと違うのは整備士らはそうした訓練には参加しないことです。また査察乗務員が救難訓練の責任者となることはなく、この訓練を専門に担当する組織があり、教官として客室乗務員なども配置されています。訓練では、ドラマ同様、運航乗務員と客室乗務員が、業務にあたる役と乗客の役に分かれ、陸上での脱出や不時着水を想定し、実技を行うなどします。 ■どこへでも制服きたまま出掛けてしまう・・・・・ちょっと 乗務前、乗務後問わず、制服姿でいろいろなところへと出向いてしまう彼ですが、見ているとちょっと恥ずかしい。本物たちは実に照れ屋が多く、制服姿でいる時間を出来る限り短くしたいくらいです。あくまで一般的に言ってですが、制服姿になるとかなり男前があがるとのことなので、女性へのアタックには効果的かもしれませんが、何か詐欺師ぽい(実際いたようですが)ですよね。ところでドラマでも肩章を外したりするシーンがありましたが、あの肩章は金4本線が機長、金3本線は副操縦士というのはお分かりですよね。では航空機関士は???。金2・3本線(シニアは3本)に赤線が入っています。昔は男性客室乗務員の制服にも線が入っていてこれは銀線でした。世界のエアラインで「機長は4本線」というのは定番なのですが、JALでは整備士の中にも4本線を着けている人がいる、とても珍しいエアラインだと知っていましたか?  ■客室化粧室内で煙・・・・・大変かも あくまで状況の想定はドラマですからそれはそれとして、客室内含めて煙の発生など火災が疑われるケースは極めて慎重に対処する必要があります。それは過去の事故事例の中で、消火したと判断した後に、実は火種が残っていて大惨事となったことがあるからです。私たちも機内火災にはいつも十分注意するよう客室乗務員にもブリーフィングなどで指示していますが、禁止されています機内での喫煙などなきようご協力いただきたいものです。 ■最後にGood Luck!・・・・言わない いろいろ楽しませていただきましたが、最後に多くの方に聞かれた質問です。機内アナウンスなどのときに「Good Luck」と言うか?JALのパイロットは言わないと思います。私は聞いたことがありません。もし最近、聞いた方がいたら流行を敏感に取り入れる方がいたということでしょう。また親指を突き出すポーズですが、これは「Good Luck」ではなく「Roger(了解)」という意味で使います。副操縦士が交信しているのに対して、言葉で答える代りに、シグナルとして実際に使用もします。  久々の航空ドラマであり、反響も大きくとうとう毎回見ることになってしまいました。ここでは皆様の興味を盛り上げると同時にパイロットという職業へのご理解を進めていただこうと特集させていただきました。ドラマ全体としてはリアリティーや本物へのこだわりとは別のところでパイロットの厳しさや空のロマンを描いていただいたものと思います。また、航空ドラマが制作されるとするならばどのエアラインで、どのような設定となるかは分かりませんが、海外のロケシーンなどももっと入れた素敵なドラマを期待したいものです。個人的には、JALにも現存する「女性パイロット」かななんて思うのですが、皆様いかがでしょう?

ザ・ノンフィクション 日本航空123墜落事故 15年目の検証ザ・ノンフィクション 日本航空123墜落事故 15年目の検証

ザ・ノンフィクション 日本航空123便墜落事故・15年目の検証 2000年11月19日、フジテレビで標記の番組の放映がありました。番組独自の減圧実験や最新技術による音声解読、関係者への聴き取り調査などによって、123便の事故調査報告書に関する数々の疑問点を浮き彫りにし、真の原因究明の糸口を掴もうというものです。その中では、 * 事故調査委員会の減圧実験被験者から「マスクを付けた」と日航の元乗員が聞いており、報告書の記載と食い違いが浮かび上がった。しかし、当時の実験担当者は事情説明を拒んだため、謎として残った。 * 事故調査委員会が「オールエンジン」と解読した音声は、分析の結果「ボディギア」である可能性が出てきた。このキーワードは、当時の状況を推察する上で、重要な別の意味を持ってくることにもなりえる。 など、再調査の観点で重要なテーマとも考えられるものです。 この度、許可を頂きましたので、この番組を紙上再現してみました。  【ザ・ノンフィクション】 123便CVR音声「・・なんか爆発したぞ」 昨年12月、我々は日航123便墜落事故のボイスレコーダーの録音テープを入手した。 1985年8月、乗客・乗員524名を乗せた旅客機が群馬県御巣鷹山に墜落。墜落後およそ16時間を経て救出された生存者はわずか4名、単独事故として航空史上最大の犠牲者を出した。 運輸省事故調査委員会は、ボーイング社が事故機の後部圧力隔壁の修理ミスを認めたのを受け、これを事故原因と推定した。 運輸省事故調査委員会 武田 峻委員長(当時) 「昭和53年大阪国際空港における事故による損傷の修理の際に行われた後部圧力隔壁の不適切な修理に起因しており、また亀裂が隔壁の損傷に至るまで進展したことは点検整備で発見されなかったことも関与していると推定いたしました」 これをもって、調査は事実上終了した。 しかし、‥‥ 15年経った今なお、航空関係者の間に事故調査報告書の曖昧さを指摘する声は根強い。本当に事故原因は究明されたのか、遺族の無念は晴れることなく、心に傷を残したままだ。 一方報道各社は、今年になって123便のボイスレコーダーの音声を入手、ニュースやワイドショー等でも広く取り上げられた。 コックピットの息詰まる音声は、様々な人に事故の記憶を呼び覚ました。 同じ頃、我々は、カナダに入手したボイスレコーダーの音声を持ち込んでいた。航空機の事故分析のエキスパートに、最新のデジタル解析による音声分析を依頼していた。事故当時には判読不確実とされた個所、それを明らかにすることによって新たな事実が浮かび上がる可能性があった。 事故調査報告書に記された一つのキーワード「オールエンジン」と判別された言葉は、なぜそう読まれたのか? 2万4千フィートの上空で、突然異常事態に見舞われた123便、機内には急減圧があったと報告書は記している。コックピットの状況を調べるために、航空自衛隊で行われた実験を記録したテープがある。この実験にも、一部で疑念が持たれていた。 520名もの尊い命を奪った忌まわしい事故、懸命に機体の立て直しを図っていた乗員たちのやり取りを   いま、改めて検証する。 日本航空123便墜落事故 15年目の検証 あの夏、123便はお盆の帰省客を大勢乗せて、羽田から大阪へ向け飛び立った。偶然にも、その時に撮影されたホームビデオが残っている。いつも通りのフライトと誰もが思った。 ところが・・・・