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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

「1002便に関する「航空重大インシデント調査報告書」について」

   
 2009年5月30 日本航空機長組合

日本航空機長組合は、同種事故再発防止の観点から、本件「航空重大インシデント調査報告書」において、「原因」として認定されている事項に誤認がある可能性、及び、一部の原因が抽出されていない可能性、関連する要因が十分に検討されていない可能性について指摘し、再発防止の観点から分析・周知されるべき事項について言及する。

インシデントの原因・要因について
本調査報告書は、前脚が破壊に至った原因として、「最初の接地時にバウンドし、再び主脚に機体の重量が完全にかかる前に前脚が接地して、前脚に過大な荷重がかかった」とし、また、主脚に機体の重量が完全にかかる前に前脚が接地した要因を、「操縦桿の前方への大きな操作によるもの」と推定している。

前脚が滑走路面に接地する速度は、機体全体の降下速度と、機体重心回りの前脚の角速度の合成となる。報告書6頁に示されたパラメータによれば、Nose Gear破壊直前のCCP値として、-3.16、-3.87、-1.41が記録されており、操縦桿は前方へ操作されている。この操作は上昇傾向のピッチをそれ以上増加させない為の操縦である。ピッチが最も高くなった時の値は4.9°であるが、その後ピッチが減少に転じたわずか0.5秒後にはCCP値-1.41が記録されている通り、操縦桿は後方に動かされ、機首を支える方向に操作されている。(なお、05:59:15後半のCCP値-7.03は、前脚接地後に記録されたものであり、前輪破壊の要因ではない。)報告書によれば前脚破壊は操縦桿の前方への大きな操作が原因としているが、この操舵量が前脚破壊に至る程の機体の降下、及び機首下げ方向の角速度を引き起こす量かどうかについては検証がなされていない。

本件発生には操縦者の操作以外の要因も、複合的に影響を及ぼしていると考えられる事から、影響を与えたと思われる要因について以下に述べる。
・操縦桿の前方への操作について
767の特性として、接地後のSpoiler Extendの影響で機首が上がる傾向がある。機首が高い状態で接地した場合、その傾向は大きくなり、操縦桿を一旦前に押す必要もでてくる。このことは当時の「PILOT FLIGHT TRAINING GUIDE(PFTG)」にも記載されている。
09:59:13にAIR/GRDセンサーがGRDとなる直前からのピッチ変化をみると、3.9、4.2、4.6、4.9となり、ピッチアップしている。当該乗員はこのピッチアップ傾向を止めるために操縦桿を前方に操作している。この操作は主脚接地後の操作としては適切であり、その操舵量も過大とは言えない。
次に、ピッチアップ傾向を止めるための操作により機体のピッチが下がれば主翼の迎え角は減少するから、これに伴って揚力も減少する。この操作(機首下げ)の必要性が接地後に発生すれば、操作の結果は主脚の接地点を中心とした機首下げ回りのモーメントの増加として顕われる。これを補正するには機首下げ操作量を調整することになる。これは着陸時に通常発生している動きであり、操縦士は十分対応できる訓練を積んでいる。しかし、ピッチアップ傾向を止めるための操作(機首下げ)の必要性が、機体が未だ浮揚していた段階で発生した場合、機首下げによる揚力の減少は、機体を降下させる要因に直接結びつき、前者と異なった操縦が必要となる場合もある。
従って、09:59:14~15秒迄の1秒間に行われた操縦桿の操作の影響は、主脚が機体の荷重を支えていたかどうかにより異なり、機体の動きや操縦士の感覚に大きな差を生じることがある。

・推力減少の影響
付図5-2 DFDR記録2 Thrust Lever Angle-L/Rには、1秒ごとにLeft及びRightのThrust Lever Angleが交互に記録されている。進入中のThrustはL/Rとも約25degであり、Rightについては09:59:12、Leftについては09:59:13まで維持されている。その後Rightは09:59:14に約18deg、Leftは09:59:15に約12degに減じられている。左右のThrust Leverは同時に操作していることから、両方のThrustをIdleに絞ったのは09:59:13~09:59:14の間である。GE製Engineの場合、実際の推力はThrust Leverの変化から約2秒程度遅れて減少する。
767型機のように、主翼下部にエンジンが設置された航空機は、飛行中に推力が減じられた場合、空力中心回りのモーメントにより機首下げ効果が発生する。このため、本件では推力減少に伴い発生した機首下げの効果も、考慮される必要がある。

・Ground Spoilerの影響
767型機の主翼上面には、左右6枚ずつ、計12枚のSpoiler(抗力版)が設置されている。Spoilerは地上においてはGround Spoilerとして用いられるが、その目的は主翼の揚力を減少させることによって主脚の荷重を増加させ、車輪ブレーキの制動力を高めることにある。Ground Spoilerとして作動する場合には、全てのSpoilerが最大角度で展開される。一方、飛行中、SpoilerがSpeed Brakeとして作動する場合には、空力性能や操縦性を確保する為、展開するSpoilerの枚数、及びその角度は制限されている。Ground Spoilerは、Speed Brake LeverがArm(着陸前はArmとするよう定められている)されており、かつ、Thrust Idle、Ground Modeの3つの条件がそろった時に展開される。
一方、報告書3.5.2(3)に「バウンドはしたものの、その高さは主脚のチルト角が17°となりエアと記録されるほど、すなわちタイヤが滑走路面から完全に離れるほどではかった」と記されているように、当機は1回目の接地の後、主脚前輪が僅かに地面に接地する状況で飛行していた。すなわち、主脚に荷重は懸かっていない飛行状態であったが、主脚前輪が僅かに接地していた為、システム上はGround Modeと認識される状態であったと考えられる。このため、6頁のパラメータに示されたとおり、Ground Spoilerは最初の接地後に、主脚前輪が僅かに接地していた状況で飛行していた09:59:14後半から展開が始まり、09:59:15には全開となり、主翼揚力の大幅な減少を引き起こし、機体全体の降下率を増大させた可能性がある。

・主脚に機体の全重量がかかっていない状態の認識について
運航乗務員は、機体が接地した事を接地時の振動やショックで感じ取る事が出来る。しかし、大型機において非常にスムーズな接地となった場合には、コックピットが主脚から離れているため、乗員が振動等によって接地を認識することは困難である。そのような場合、航空機のシステムがGround Modeに変わった時に発せられる脚作動レバー・モジュール内のロック・ソレノイド(地上における脚上げ操作を防止する装置)の作動音は参考としうる。ちなみにこの作動音は、離陸時のLift Off直後、AIR/GRDセンサーがGroundからAir Modeに変わった場合にも聞こえる。
一方、本事例1回目の接地(09:59:14)後の垂直加速度は、1.478、1.359、1.607、1.465、1.375、1.121、1.048と滑らかな変化を見せている。このような変化はバウンドした場合に体感される加速度の変化ではなく、主脚が接地した状態が継続していることを乗員に体感させるものである。加えて、5頁(59分13秒)に示されたように「カチャカチャカチャ」が1度しか記録されていない事から、主脚に機体の全重量がかかっていない状態を直感させるコックピット内の現象は無かった。
実際、両乗員は運輸安全委員会への証言において「機体は再浮揚していない」と報告している。

NTSBの報告について
24頁では、NTSBのコメントとして数例の過去事例と類似した特徴を有していると述べられている。「それらの過去事例は、概ね着陸時にバウンドした後に急激な機首下げ操作が行われている」とあるが、本件は主脚の一部が接地した状態であり、一般的に言うバウンドとは状況が異なる。(本見解のこれまでの記述においても「バウンド」という表現は使用していない)また、急激かつ継続的な機首下げ操作も実施されていないことから(CCP値の推移は、-3.16、-3.87、-1.41であり、途中で機首下げが緩和されたことが記録されている)、過去事例から前脚の破壊に至ったと類推することは適切な手法とは言い難い。本件の原因を究明するには、操舵角による定量的な空力計算を前提に、推力減少の影響、空中におけるGround Spoilerの展開の影響が精査される必要がある。

接地後に機首を下げる操作について
主脚接地後に機首を下げる操縦について、日本航空、及びBoeingがそれぞれ規定する操縦方法には差異がある。以下にそれぞれの教材に示された操縦に関する表記を示す。

・インシデント発生当時(2005年)の日本航空における表記

以下の通り、日本航空では「Main GearがTouchdownしたら、Noseを押さえて、Nose Gearを低い位置に保つ」よう指導されていた。

(PILOT FLIGHT TRAINING GUIDEより抜粋)

Landing Roll

Nose Gearの接地操作はB767 の操作の中でも特に難しい操作のひとつである。

Touch Downの際、Nose GearからRunway Surfaceまでの高さが判定しにくい事からNose GearをHardにTouch Downさせる可能性がある。

Low Speedになって高い位置からNose GearをSmoothに接地させるのは難しいので、Main GearがTouchdownしたら、Noseを押さえて、Nose Gearを低い位置に保つ事である。

Touch Down

 Touch Downと同時に、Control ColumnにかけていたBack Pressureを緩め、すばやく右手でReverse Leverを引く。Back Pressureを緩めながら、Noseをゆっくり下げて行く。訓練初期の段階では、Noseの高さが分かりにくく非常に難しい。

又、High PitchでTouch Downした場合は、Spoiler Extendの影響で、Nose UPの傾向が大きくなり、Control Columnを一旦前に押す必要もでてくる。

Nose Gear接地直前にBack Pressureを加え、スムーズにつける。Nose Gearが接地する辺りでReverse Idleとなり、Reverse Leverを引きつつ方向安定に努める。

・インシデント発生当時(2005年)のBoeingにおける表記

767を始め、777、737、747-400等の大型機では、一般的に主脚のTilt SensorがAIR/GROUND Sensorの1つとして利用されている。この方式が採用されている航空機においては、本事例で発生した「主脚に荷重がかかっていないが、システム的にはGround Mode」と認識される状態が発生しうる。そのような状態で機首下げを行った場合は本件と同様の事象が発生しうる。また、過去に同種の事故が発生している事から、767 Flight Crew Training Manualにおいて「機体構造にDamageを与える恐れがあるため、Nose Wheelを接地させる前にControl Columnを大きくNose Down方向に動かしてはならない。」ことが”CAUTION”として明示されていた。

(Boeing 767 Flight Crew Training Manualより抜粋)

Fly the nose wheel onto the runway smoothly by relaxing aft control column pressure. Control column movement forward of neutral should not be required. Do not attempt to hold the nose wheel off the runway. Holding the nose up after touchdown for aerodynamic braking is not an effective braking technique.

CAU’I’ION: Pitch rates sufficient to cause airplane structural damage can occur if large nose down control column movement is made prior to nose wheel touchdown

・現在の日本航空における表記
以下の通り、現行の教育資料においても「Main GearがTouchdownしたら、Noseを押さえて、Nose Gearを低い位置に保つ」ように表記されている。これはMain Gearが機体の荷重を支えていれば適切な操縦操作といえるが、本事例のようにGround Modeでありながら主脚に荷重がかかっていない場合を想定した操縦操作とはいえない。このため、リスクの内在した操縦操作が注釈のないまま推奨されている。

(現行Flight Training Guideより抜粋)

機体構造にDamageを与える恐れがあるため、Nose Wheelを接地させる前にControl Columnを大きくNose Down方向に動かしてはならない。

(FTG Supplementより抜粋)

Nose Gearの接地操作はB767 の操作の中でも特に難しい操作のひとつである。

Touch Downの際、Nose GearからRunway Surfaceまでの高さが判定しにくい事からNose GearをHardにTouch Downさせる可能性がある。

Low Speedになって高い位置からNose GearをSmoothに接地させるのは難しいので、Main GearがTouchdownしたら、Noseを押さえて、Nose Gearを低い位置に保つ事である。

まとめ
本件の「航空重大インシデント調査報告書」は、以下の項目の分析・検討がなく、再発防止の観点から不十分である。機長組合は運輸安全委員会に対して、以下の項目を含むあらゆる可能性から原因を再調査し、再発防止の観点から、適切な操縦方法についての周知を含めた対応を行うよう希望する。

主脚が機体の荷重を支えていない場合に、機体の動きや操縦士の感覚にどのような影響を与え、どのような操縦が推奨されるか。
 
Ground Spoilerの展開は、1.の状態にどのような影響を与えるか。
 
エンジン推力の減少は、1.の状態にどのような影響を与えるか。
 
接地後も主脚が機体の荷重を支えていないことを操縦士が認知し得ない状況は、本件のような事例にどのような影響を与えるか。
 
NTSBのコメント「数例の過去事例と類似した特徴を有している」についての詳細な比較検討。
 
主脚接地後に機首を下げる操縦についての規定が、日本航空、及びBoeingにおいて差異があることは、本件発生に影響を与えているか。
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1月~3月、放映された副操縦士を主人公としたドラマを本物・機長が検証  ■B747-400もB777も操縦できるスーパー副操縦士・新海君・・・・でも フライトシーンで実写される航空機はB747-400であったりB777であったり。どうやら2機種以上でも乗務できるようですね。事実は大昔は混乗といって複数の機種を乗務したりしたようですが、スイッチの位置やONーOFFの方向が逆だったりと不安全なこと、資格維持も大変なことで現在は乗務機種はひとつです。ちなみに客室乗務員は複数の機種を乗務します。■遅刻!と機長をホテルに残しショーアップ・・・・そんな ホノルル線は時差の大変なフライト。仕事前にワイキキの浜辺で寝ている余裕はないのですが、通常ステイ先ではホテルから空港までバスで行きます。ホテルで機長と副操縦士はピックアップタイムに待ち合わせて行きますので、機長を置いてきぼりにする副操縦士はいません  ■いつも同じメンバーで乗務、楽しそう・・・・でも 数名の機長と繰り返し乗務し、客室乗務員も同じグループとばかりで仲良く楽しそうなS副操縦士ですが、パイロットの現場ではまずないことです。運航乗務員はそれぞれ一月毎の乗務スケジュールに沿って乗務しますが、どんな機長ー副操縦士で組むかは、毎回のパターン(基地を離れ基地に戻るまで)で異なります。勿論、初対面ということも少なくありません。でもお互いがプロ、それぞれ資格を持ち、要求されたレベルあるわけですから職務にはまったく支障がありません。機長も副操縦士も会社組織としてはそれぞれ機種別の乗員部などに配属されていますが、自分の所属長と1年間まったくフライトで顔を合わせないこともしばしばあります。その為、フライト業務を人事考課などで評価することは大変むずかしく「人事考課は乗員に馴染まない」状況にあります。ちなみに客室乗務員の場合は、基本的にはグループで長期間のスケジュールに沿って乗務することになっていますが、機種やフライトによって乗務員数が少なくなったりするのでグループを離れてフライトする場合もあります。1年間乗務していても、同じ客室乗務員と顔を合わすことは滅多にないことです。毎回、黒木 瞳さんのようなCAと飛べるなんて、何と・・・・・。 ■千歳にダイバート、そして給油して成田へ・・・・でも 中国線を乗務し、目的地成田へ、しかし成田は濃霧。関空も悪天。機長は千歳へダイバートを決意するも目的地成田への到着をあきらめない。千歳ですぐに給油して成田へ飛び立ったが・・・・・実は成田空港は閉まっていたのです。ご存じの方も多いかと思いますが、成田空港は騒音問題があり、23時~6時までの間の離着陸が厳しく制限されています。夜飛び立った太平洋便などが急病人等で引き返す場合などは別ですが、一旦、千歳へ降りた便が、再び成田へ向け飛行し夜中に着陸するケースはありません。 ■監査フライトに機長がフェイルしたら、引退・・・・そんな JALでは監査とは呼ばず査察と言いますが、機長は1年に1回、実機とシミュレーターそれぞれで定期審査を受けなければなりません。また路線資格を得るときにも路線審査を受けます。それらの審査には査察運航乗務員があたります。いわゆるチェックフライトでは、ドラマ同様、知識や運航全般を審査されますので日頃のフライトにはない緊張をもって行われますし、勿論、所定のレベルを下回ると判断されるとチェック不合格となる訳ですが、即刻、引退を決意というものではありません。当然、再審査(リチェック)のチャンスもあります。尤も、毎日の運航にあたっている機長ですし、審査前には準備を怠らず望みますから、フェイルとなる率は当然、極低いものです。医師や弁護士など国家試験として取得する資格の中でも、こうした定期的な審査によってレベルを管理している資格は見当たりません。パイロットという職業の特殊性が表れている制度と言えるでしょう。 ■全社員揃って脱出訓練・・・・・本当は JALでは定期救難訓練と言いますが、運航乗務員と客室乗務員が1年に1回、まる1日がかりで、ドラマ同様のモックアップ(客室とスライドなどを実機同様に模したもの)を使い訓練を行います。ちょっと違うのは整備士らはそうした訓練には参加しないことです。また査察乗務員が救難訓練の責任者となることはなく、この訓練を専門に担当する組織があり、教官として客室乗務員なども配置されています。訓練では、ドラマ同様、運航乗務員と客室乗務員が、業務にあたる役と乗客の役に分かれ、陸上での脱出や不時着水を想定し、実技を行うなどします。 ■どこへでも制服きたまま出掛けてしまう・・・・・ちょっと 乗務前、乗務後問わず、制服姿でいろいろなところへと出向いてしまう彼ですが、見ているとちょっと恥ずかしい。本物たちは実に照れ屋が多く、制服姿でいる時間を出来る限り短くしたいくらいです。あくまで一般的に言ってですが、制服姿になるとかなり男前があがるとのことなので、女性へのアタックには効果的かもしれませんが、何か詐欺師ぽい(実際いたようですが)ですよね。ところでドラマでも肩章を外したりするシーンがありましたが、あの肩章は金4本線が機長、金3本線は副操縦士というのはお分かりですよね。では航空機関士は???。金2・3本線(シニアは3本)に赤線が入っています。昔は男性客室乗務員の制服にも線が入っていてこれは銀線でした。世界のエアラインで「機長は4本線」というのは定番なのですが、JALでは整備士の中にも4本線を着けている人がいる、とても珍しいエアラインだと知っていましたか?  ■客室化粧室内で煙・・・・・大変かも あくまで状況の想定はドラマですからそれはそれとして、客室内含めて煙の発生など火災が疑われるケースは極めて慎重に対処する必要があります。それは過去の事故事例の中で、消火したと判断した後に、実は火種が残っていて大惨事となったことがあるからです。私たちも機内火災にはいつも十分注意するよう客室乗務員にもブリーフィングなどで指示していますが、禁止されています機内での喫煙などなきようご協力いただきたいものです。 ■最後にGood Luck!・・・・言わない いろいろ楽しませていただきましたが、最後に多くの方に聞かれた質問です。機内アナウンスなどのときに「Good Luck」と言うか?JALのパイロットは言わないと思います。私は聞いたことがありません。もし最近、聞いた方がいたら流行を敏感に取り入れる方がいたということでしょう。また親指を突き出すポーズですが、これは「Good Luck」ではなく「Roger(了解)」という意味で使います。副操縦士が交信しているのに対して、言葉で答える代りに、シグナルとして実際に使用もします。  久々の航空ドラマであり、反響も大きくとうとう毎回見ることになってしまいました。ここでは皆様の興味を盛り上げると同時にパイロットという職業へのご理解を進めていただこうと特集させていただきました。ドラマ全体としてはリアリティーや本物へのこだわりとは別のところでパイロットの厳しさや空のロマンを描いていただいたものと思います。また、航空ドラマが制作されるとするならばどのエアラインで、どのような設定となるかは分かりませんが、海外のロケシーンなどももっと入れた素敵なドラマを期待したいものです。個人的には、JALにも現存する「女性パイロット」かななんて思うのですが、皆様いかがでしょう?

事故調意見聴取事故調意見聴取

出席者:渡木主席調査官 ・事故調査委員会設置法に基づき、再発防止のために行うもので、話したくないことは強制しないし、言いたい事は何でも言ってほしい。 ******私のほうから、意見書に沿って説明を行う****** ・非常に詳しく説明頂いた。内容は委員会に図るので、反映できるかどうかについては、ここでは言うことが出来ない。 ・まとめの作業は、法やICAO ANN13に基づいて行う。いろいろな要因を調査した結果、原因と関係ないと認められた場合、報告書には出ないことになる。 →こちらの質問や指摘に関して、どのように検討されたのかを知りたい。 ・どのように検討したのかと聞かれても、開示するわけには行かない。 ・事故報告書は、事故が起きたという結果論で論じられるものだ。その中には、直接原因とまでは言えなくても、ベター論を含める必要がある。 →後からああすれば良かったこうすれば良かったと言う事は、何の役にも立たないので、入れてほしくない。例えば350ktと言う速度の選択にしても、ライトタービュランスでは制限を受ける状況ではないし、ライトタービュランスでも速度制限を適用すると言うことになれば、会社にAOMの改訂を勧告する必要が出てくるが、もし、そのような勧告が出されても、現場の乗員には受け入れられない。 宮沢調査官はパイロットの出身と聞くが、この点に関してどう思うか? ・(宮沢):個人的には、ライトタービュランスは、特別な注意は要らないと思う。 →マンチェスターで発生したブリティッシュエアツアーズのB737の事故報告書では、機体が停止する際に誘導路に入り緩やかに停止したことに関し、委員会内で「滑走路上で迅速に停止すれば、約10秒ほど緊急脱出の開始が早められた可能性がある」との意見が出されたことに触れ、「その意見は、論理的には可能であるが、今回の状況下でパイロットにそこまで求めるのには無理がある」と、はっきり否定している。机上の空論にならないよう、十分注意する必要がある。 ・クルーコーディネーションに関して、報告書に書かれているが、何か言いたい事はあるか。 →副操縦士は、適切なモニターとタイムリーなアドバイスをしてくれ、良いコーディネーションであったと思う。 ・操縦室内で、機長の操作を良く見ておくべきであったと言うような意味の記述があるが、この点は委員会の中でも「厳しすぎないか」との意見もあった。 →2マン機は、責任範囲がはっきりと決められていて、自分の範囲の作業は自分で責任を持って行うことが原則となっている。ただ、相手がスイッチ操作や操縦操作を行う際は、体の動きが見えるので、モニターすることになっている。 今回、機長の操作に関してアドバイスがなかったことは、機長が操作を行わなかったので、アドバイスの必要がなかったと言うことだ。 ・ベルトサインの点灯は、約3分の余裕を考えたと述べているが、3分というのはどうなのか。 →事故後に会社から出された資料によれば、サービス中にベルトサインが点灯した場合は、必要な作業を終えるのに約5分必要と書かれているが、706便の場合はサービスが終了しており、片付けもほぼ終わっているとの報告を受けていたので、1~2分で座れるものと思った。一般的にはサービス終了後であれば約3分ぐらいで座れると考える機長が多いと思う。 ・今回意見を述べられた点については、勉強させていただく。今後何か聞きたいことが出てきた場合は、再び意見を聞かせていただくかどうか考える。 ・報告書をまとめるに当たり、あくまで真実を追及する姿勢も良いが、5年も10年もかかったのでは現実的でないので、どこかで区切りをつけることになる。それをどのあたりに置くかが悩ましいところだ。 ・真理に到達できなくても、外堀が埋まれば役に立つと言う考えもある。 →真実に迫ることや見極め方が難しいことは分かるが、データから見出せない結論は避けていただきたい。 ・データはDFDRを基本にしているが、不足部分はADASで補う必要もある。2つの異なるソースの時間合わせも難しいし、DFDRであってもデータの種類によって1秒を64ビットに分けて記してあるので、正しい時間に補正する必要もある。この点に最も苦労した。 →「結論は決まったので、データをどのようにするか」と言うような考え方をとられないよう望む。 →アメリカン107便の事例では、データ解析上特別な補正をしたとは聞いていないし、事故後まもなく出されたファクチュアルレポートのデータでも、自動操縦装置が切れた直後に4枚のエレベーターが機首上げ方向に揃い、その時にピッチも上がっている。補正を行わなくても良く事実と記録が一致している。 ・(一瞬固まってしまい)たまたま良く一致することもあるだろう。 →いくら頭を悩ませても、データを進めるべきか遅らせるべきかは誰にも断言することは出来ず、結局は予断の方向へのつじつま合わせとなる。 →RAW

706便事故第5回公判その4706便事故第5回公判その4

= 安全運航と事故再発防止のため、「裁判勝利」に向け全力で取り組む = 2月24日 706便事故第5回公判 その4 当時、運航技術部長 曽和 恵三氏に対する弁護側証人尋問 第5回公判に於ける、当時、運航技術部長 曽和 恵三氏に対する弁護側証人尋問の詳報をお知らせします。 なお以下の内容は、機長組合の要約録取です。正式には、後日裁判所よりの公判記録を参照して下さい。 名古屋地検 山本佐吉子検事の異常な取調べの実態が赤裸々に! <山本検事の取調べについて> 弁護人:証人は検察庁で山本検事から取調べを受けたが、調書に署名押印したことについて今言いたいことはあるか? 証人:すでに述べたが、サインをする時に調書の全部のページを見せてもらっていない。最後のページだけ見せられた。私としてはふがいない事をしたと思うが、調書にサインをするのは愛知県警の調書と今回で2度目だ。検察では初めてでどういう異議申し立てをするのか知らなかった。今考えると他のページを見ないでサインをすることはあり得ないことだ。 弁護人:あなたの検察の供述調書は全部で14ページあるが、1ページから13ページまでは見せられないで、見せられたのは14ページだけか? 証人:ページ数は分らなかったが、最後のページだけだった。 弁護人:最後のページには20行ほど書かれているが、それを読んでサインをしたのか? 証人:そうではない。 弁護人:どう言われたのか? 証人:検察官が読まれて、サインをするように言われたと思うが、事務官が来てサイン、押印と言われた。 弁護人:ここにサイン、押印と言われたのか? 証人:そうだ。(押印した調書を)すぐ引き上げた。 弁護人:供述調書を読み上げる際、山本検事は書面を見て読み聞かせたのか?それともワープロの画面を見て読み聞かせたのか? 証人:ワープロの画面だったかどうかよく覚えていないが、少なくとも綴じられた書面ではなかった。 弁護人:最後のページを置いて、サインを求めたのか? 証人:そうだ。