jca Jamaika  

用語解説

Auto‐pilot :自動操縦装置。

auto-throttle :自動操縦装置の機能の一部で、自動的にエンジンの推力調整レバーを動かす装置。

コントロールコラム : 操縦桿

DFDR:フライトレコーダー

ディスコネクト・ディスエンゲージ :disconnect・disengage. はずれる、オフになる。

ECRM :エレベーター・コマンド・レスポンス・モニターのことで、自動操縦装置が出す操縦信号どおりに昇降舵が動いているかどうかを監視する機能。その信号と舵との間に所定の差がある時間以上生じると、自動操縦装置切り離す機能もある。(詳細はこちら)

Fly-by-Light :Fly-by-Wireと同様のシステムであるが、電気配線の変わりに光ケーブルにより、信号を伝える方式。

Fly-by-Wire :これまでの飛行機は、操縦桿から舵面を動かす装置(アクチュエーター)まではケーブルでつながれていたが、操縦桿の動きを直接アクチュエーターに伝えず、一度電気信号に変えて自動操縦装置に伝え、必要な電気的処理を行った上で、再び電気信号としてアクチュエーターに伝える操縦系統の呼称。多くの最新鋭軍用機や一部のハイテク旅客機で採用されている。(MD11は、従来のケーブル方式とFly-by-Wireの中間的機材)

Flight Control、 Flight Control System:昇降舵(エレベーター)、エルロン、ラダー、スピードブレーキ・スポイラー、フラップ、トリムなど、飛行機の操縦装置全般のシステム。(三面図へ)

flight director :飛行指示装置のことで、手動操縦時に、いろいろな飛行状態の下で最適な機首角度と左右の傾きの指示を、姿勢指示器の中に表示する装置。

G :重力のこと。2G とは、重量の2倍の重力。自動車に乗っていて急ブレーキをかけると体が前に投げ出されるが、2G の重力がかかったといえば、体重の2倍の重力が前方にかかったことになる。

glide slope :計器着陸において、決められた進入角度(通常は3度)からの上下のずれを示す装置で、滑走路わきに置かれたアンテナから発射された電波を受けて、操縦室内の計器に表示する。この信号を使うことで、自動操縦装置による自動着陸も可能となる。

go-around( mode) 進入復航:着陸のための進入中に、何らかの障害のために安全な着陸が出来なくなったときに、決められた高度まで決められた経路に従って上昇し、着陸をやり直すこと。Go-around modeとは、自動操縦装置により自動的にエンジン出力を増加させるとともに機首上げを行い、決められた飛行経路に従って飛行する機能。

風圧中心:主翼に発生する揚力が主翼の一点に作用すると考えた場合の代表点。速度の増減や主翼の迎角、スポイラーの展開、衝撃波の有無などの要素により、風圧中心は前後に移動する。(MD-11 の特徴へ)

重心位置:機体重量の中心位置。この点を支えることで機体は前後方向につりあう。重心位置が前方にあると、飛行機は安定するが機首角度を変えるための操舵力が重くなり、重心位置が後方になると飛行機は不安定になり、操舵力は軽くなる。重心位置が後方になると、飛行中の燃料消費率が良くなるため、一部のハイテク機(MD11を含む)は飛行中に、主翼内の燃料を水平尾翼に移送して重心位置を後方に保つが、そのために機体は不安定になり、手動操縦が非常に困難になる。その場合は、特殊な安定装置が必要となる。(MD11ではLSASと言う装置を4重に装備している)(MD-11 の特徴へ)

マニュアル操縦:手動操縦。

オーバーライド :元々は「無視する」、「くつがえす」の意。自動操縦装置をオーバーライドするということは、操縦桿に力を加えるなどの方法により、自動操縦装置はONのままで、自動操縦のコマンドに優先させて手動で飛行機を操作すること。加えた力によっては自動操縦装置がはずれる。

Pitch :飛行機の上下の傾き。 (三面図)

Roll :飛行機の左右の傾き。 (三面図)

シアー : 風向風速の変化。ホリゾンタル・ウインド・シアーは横(水平)方向へ移動したときに受ける風の変化。バーティカル・ウインド・シアーは縦(垂直方向)へ移動したときに受ける風の変化。

昇降舵 :水平尾翼の後縁部の上下に可動する部分で、飛行機が機首を上げるときには操縦桿の操作により昇降舵は上方に動き、機首を下げるときには下方へ下動く。 (三面図へ)

ただし、MD11では手動操縦時にLSAS(縦安定増強装置)が働くときは、昇降舵は操縦桿の動きとは無関係にLSASの指示に従って一定量(5度以内)動く。(=エレベーター)

Simulator :地上に設置される、模擬飛行装置。現在では、コンピューターの発達により実機とほぼ同様の飛行感覚が再現でき、航空会社のパイロットはSimulatorによる訓練だけで、実機の訓練を受けることなく、全ての訓練を行うことが出来る。

失速:翼上面を流れる気流が乱れ、揚力を失い、定常飛行ができなくなる現象。迎角(気流と翼の成す角)を増やしていくと、揚力は増加するが、ある角度を超えると急激に揚力が減少する。(揚力と失速へ)

失速後の機首下げ :飛行中、機首を上げすぎると主翼の上面を流れる気流が乱れ、主翼の揚力が急激に減少して定常飛行が出来なくなる(失速)。失速から回復するためには機首を下げて主翼の迎角を減らす必要がある。このことにより、主翼の上面の気流を整え、揚力を回復させる。(揚力と失速へ)

スピードブレーキ・スポイラー :主翼の一部を立てることにより、抵抗を増やして減速や高度処理を行う装置。翼上面を流れる空気の流れが乱れるため、機体が振動する。 (三面図)

STAB TRIM, TRIM:飛行中の機首角度は昇降舵を動かすことにより調節するが、速度や高度の変化に合わせてある機首角度を一定に保つため、水平尾翼全体を機械的に動かして釣り合いをとること。この機能により操縦桿に力をかけた状態で常に保持しつづける必要がない。

推力の方向を制御する方式 :Thrust Vectorと呼ばれ、最新鋭戦闘機YF22などで採用されている「ジェットエンジンの排気口の向きを変える」方式で、この技術の採用により、大きな機首上げ状態で飛行したり、失速後の機首下げ(回復操作)を迅速に行うことが出来るとされている。

Throttle :推力を調整する装置、あるいはそのためのレバー。自動車のアクセルにあたる。