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武装警官搭乗武装警官搭乗

武装警官搭乗(スカイマーシャル)に関する機長組合見解

2004年12月10日 日本航空機長組合

本日政府は閣議決定により、本邦全ての民間航空会社を対象に、テロ・ハイジャック対策として『スカイマーシャル』と呼ばれる武装警官を搭乗(警乗)させることを決定した。

(機長組合ニュースNo.19-109参照)

機長組合のこの問題に関する見解は以下のとおりである。

1.日本航空機長組合は、テロ、ハイジャックへの抑止力と称して行われる民間航空機へのスカイマーシャルの警乗には反対する。

2.機長組合は諸般の情勢と力量の観点から、今回の警乗措置について組合として組合員に「拒否を指示する」方針は取り得ないものの、その一日も早い中止に向け、社会的な運動を構築する。また、経営にも中止に向けた最大限の取り組みを行うように要求する。

・ 私たちは2002年のワールドカップの警乗に際しても「武器を機内に持ち込ませない水際対策の強化なくして、武器を携行した警備員・警察官の搭乗ではテロ・ハイジャックは完全に排除できない。また、機内に武器が存在することの危険性について疑念が拭いきれない。そして、警乗による対策が現場の乗員の理解のない中で一方的に実施されてはならない」と表明してきた。また日乗連と共にこの主張を、当時警乗を企業に要請した当局(国土交通省・警察庁)、それを認知した航空経営に対し強く訴えて来た。しかし当時の警乗問題に関して、特に考慮されなければならなかったのは、米国同時多発テロ後の「航空機を使ったテロに対する国の方針が強く、社会の関心が高い」という社会情勢であった。上記の取り組みを進めるためには、世論の支持が不可欠であり、その上で当時は「限定された期間での警乗であり、時間の限られた中で利用者・国民の支持を得て取り組みを進める事は非常に困難である」と認識せざるを得なかった。

・ しかし今回の措置は、新たに恒久的な制度として設けるものであり、乗員に事前に十分協議する時間や周知する猶予も与えずに、閣議決定後速やかに実施というのは、あまりに性急過ぎ、現場に混乱を来たしかねない。米国ではUS-ALPAとの合意の下に制度が導入されてきたように、現場の乗員の意見の反映なしに制度を導入することは進め方としてボタンを掛け違えている。さらに言えば、航空法との整合性など法的な整備も全く行われておらず、今回の警乗が航空法の目的である「民間航空の安全」や「利用者・国民の生命・財産の安全」に結びつくとの確証もない。現時点で恒久的な警乗を強引に導入することは、大きな問題がある。

・ 旅客にとってみれば武装警官が同乗していることを知らされずに搭乗することの問題や不安感は払拭されず、またスカイマーシャルが対応する事態も曖昧であり、会社の説明にも一貫性がない。さらに乗客乗員の避難誘導などのケースにおいて、機長とスカイマーシャルの指示に差異が生じた場合、混乱が引き起こされる恐れや、特に客室乗務員に対してのスカイマーシャルの指示と、機長の指示との関係が不明確であるために、機長の権限が侵害されるという恐れもある。

・ テロ・ハイジャックに対しては操縦室に入れさせないよう扉の構造・運用を改善したが、これは「強引には破られないドア」をその対策の根幹とするものである。従って従来の経営の説明に則れば、更に対策を強化するために必要なのは、スカイマーシャルによる「強行犯の阻止」ではなく、密かな侵入の企てを不可能とするハード上の更なる改善、すなわちトイレの移設や二重扉の設置などである。そもそも航空機内での発砲による運航の安全性について、システムに重大な支障がないことの検証は全く不十分である。こうした指摘に対する対応を十分に行わず、機長の疑問にも答えず、今回の閣議決定に至らしめた経営の責任は重大である。

3.機長組合は、現場の機長の航空法上・安全上の判断は全面的に支持する。また機長が「警乗が具体的に運航の安全に影響する」と判断した場合、その判断を経営として十分尊重するように強く求めていく。

・ どのような事態であれ、機長の判断を尊重することは航空経営の責務であり、この点は些かも譲れるものではない。ワールドカップの警乗の際にも、このことを経営に伝え、警乗が開始された中で、万が一機長の権限と警察権が拮抗し、現場で混乱が生ずる事態が発生する事のないよう、万全の対応を本部に対して強く求めた。

・ 今回、組合の運動が警乗を中止させるまでに至らない間も、具体的な状況に即した、機長の航空法上・安全運航の観点での決定は、全面的に尊重されるべきである。機長権限と人権の擁護を組合の総力で実行していく。

・ 経営も現時点では、航空法上の機長の権限はこれまで通りである、と発言しているが、行政からの圧力がないとは断言できない。そうした場合にも、いたずらに機長に説明を求めることなく、機長の判断を尊重するのが経営・運航本部の責任である。

4.今回の抑止効果を狙った制度とは別に、具体的な不安全要素、即ち不法妨害行為が発生する可能性がある状況においては、当該運航は経営の判断で中止しなければならない。今回の「抑止効果を狙った警乗制度の成立」が、こうした運航に拡大・悪用されることがあってはならない。機長組合は「始めに運航ありき」との方針は絶対に認められない。

・ 昨年末、不審者と疑われる搭乗者を確認した旅客便は、スカイマーシャル等の警乗がない限り米国への乗り入れは認めないとの米国政府の方針が伝えられたが、機長組合の「そのような具体的な情報のある便は運航すべきでない」との主張に、経営は「運航の安全確保は航空会社独自の判断」として、米国に警乗つきの運航を回答するには至っていない。しかし一方で経営は「警乗制度がないことも判断要素」とも述べ、警乗制度が成立した場合の考え方には含みを残している。機長組合は警乗制度の成立にあたり、経営が従来の方針を変更することは断じて認められない。

事故調意見聴取事故調意見聴取

出席者:渡木主席調査官 ・事故調査委員会設置法に基づき、再発防止のために行うもので、話したくないことは強制しないし、言いたい事は何でも言ってほしい。 ******私のほうから、意見書に沿って説明を行う****** ・非常に詳しく説明頂いた。内容は委員会に図るので、反映できるかどうかについては、ここでは言うことが出来ない。 ・まとめの作業は、法やICAO ANN13に基づいて行う。いろいろな要因を調査した結果、原因と関係ないと認められた場合、報告書には出ないことになる。 →こちらの質問や指摘に関して、どのように検討されたのかを知りたい。 ・どのように検討したのかと聞かれても、開示するわけには行かない。 ・事故報告書は、事故が起きたという結果論で論じられるものだ。その中には、直接原因とまでは言えなくても、ベター論を含める必要がある。 →後からああすれば良かったこうすれば良かったと言う事は、何の役にも立たないので、入れてほしくない。例えば350ktと言う速度の選択にしても、ライトタービュランスでは制限を受ける状況ではないし、ライトタービュランスでも速度制限を適用すると言うことになれば、会社にAOMの改訂を勧告する必要が出てくるが、もし、そのような勧告が出されても、現場の乗員には受け入れられない。 宮沢調査官はパイロットの出身と聞くが、この点に関してどう思うか? ・(宮沢):個人的には、ライトタービュランスは、特別な注意は要らないと思う。 →マンチェスターで発生したブリティッシュエアツアーズのB737の事故報告書では、機体が停止する際に誘導路に入り緩やかに停止したことに関し、委員会内で「滑走路上で迅速に停止すれば、約10秒ほど緊急脱出の開始が早められた可能性がある」との意見が出されたことに触れ、「その意見は、論理的には可能であるが、今回の状況下でパイロットにそこまで求めるのには無理がある」と、はっきり否定している。机上の空論にならないよう、十分注意する必要がある。 ・クルーコーディネーションに関して、報告書に書かれているが、何か言いたい事はあるか。 →副操縦士は、適切なモニターとタイムリーなアドバイスをしてくれ、良いコーディネーションであったと思う。 ・操縦室内で、機長の操作を良く見ておくべきであったと言うような意味の記述があるが、この点は委員会の中でも「厳しすぎないか」との意見もあった。 →2マン機は、責任範囲がはっきりと決められていて、自分の範囲の作業は自分で責任を持って行うことが原則となっている。ただ、相手がスイッチ操作や操縦操作を行う際は、体の動きが見えるので、モニターすることになっている。 今回、機長の操作に関してアドバイスがなかったことは、機長が操作を行わなかったので、アドバイスの必要がなかったと言うことだ。 ・ベルトサインの点灯は、約3分の余裕を考えたと述べているが、3分というのはどうなのか。 →事故後に会社から出された資料によれば、サービス中にベルトサインが点灯した場合は、必要な作業を終えるのに約5分必要と書かれているが、706便の場合はサービスが終了しており、片付けもほぼ終わっているとの報告を受けていたので、1~2分で座れるものと思った。一般的にはサービス終了後であれば約3分ぐらいで座れると考える機長が多いと思う。 ・今回意見を述べられた点については、勉強させていただく。今後何か聞きたいことが出てきた場合は、再び意見を聞かせていただくかどうか考える。 ・報告書をまとめるに当たり、あくまで真実を追及する姿勢も良いが、5年も10年もかかったのでは現実的でないので、どこかで区切りをつけることになる。それをどのあたりに置くかが悩ましいところだ。 ・真理に到達できなくても、外堀が埋まれば役に立つと言う考えもある。 →真実に迫ることや見極め方が難しいことは分かるが、データから見出せない結論は避けていただきたい。 ・データはDFDRを基本にしているが、不足部分はADASで補う必要もある。2つの異なるソースの時間合わせも難しいし、DFDRであってもデータの種類によって1秒を64ビットに分けて記してあるので、正しい時間に補正する必要もある。この点に最も苦労した。 →「結論は決まったので、データをどのようにするか」と言うような考え方をとられないよう望む。 →アメリカン107便の事例では、データ解析上特別な補正をしたとは聞いていないし、事故後まもなく出されたファクチュアルレポートのデータでも、自動操縦装置が切れた直後に4枚のエレベーターが機首上げ方向に揃い、その時にピッチも上がっている。補正を行わなくても良く事実と記録が一致している。 ・(一瞬固まってしまい)たまたま良く一致することもあるだろう。 →いくら頭を悩ませても、データを進めるべきか遅らせるべきかは誰にも断言することは出来ず、結局は予断の方向へのつじつま合わせとなる。 →RAW

日本航空706便事故について日本航空706便事故について

上下運動により負傷者が発生した事故に関し、運輸省航空事故調査委員会(事故調)は1999年12月17日、最終報告書を運輸大臣に提出しました。 706便事故は、日本で発生した始めてのハイテク機の事故であったため、社会的にも強い関心を集めました。 それに先立つ1997年9月5日、事故調は「建議と経過報告」を発表し、当該事故は機体の特性と乗員の操作が関連しあった“PIO”と呼ばれる現象であった可能性があると述べ、“PIOは不適切な操作が原因”との誤った理解により、主として乗員の訓練を強化する内容の建議を行いました。 しかし“PIO”という現象は機体の設計上の欠陥であることは、現在では世界の航空界の常識となっており、この点についての認識も事故調にはあると見られますが、報告書はなぜか機体そのものの問題点を避けて通る形となっています。 しかも事故調が行った調査は、事故当時に乗員がどのような操作を行ったかという点について、一切の聞き取り調査を行わないままに、乗員の操作に問題があったとの前提で進められました。 それに対して、日本航空機長組合は“事故調の調査姿勢は初めから原因を決めてかかっており、科学的な調査とは言い難い”との主張を展開し、事故調の経過報告に述べられた内容の多くの矛盾点を指摘し、事故調に対して申し入れを行うと共に、マスコミに対しても記者会見を行って説明を行ってきました。 事故調が発表した推定原因の根幹を成すものは、次のようなシナリオです。 ?@ 自動操縦装置を使用中に、機長が操縦桿をオーバーライドして引いたため、自動操縦装置が外れてしまった。 ?A 自動操縦装置が外れたために、綱引きで一方が急に手を離したような状態となり、その反動で急激な機首上げが発生した。 ?B 姿勢の変動を立てなおそうとして操縦桿を押し引きしたため、かえって機首振動を増幅してしまった。 この推定原因については、機長組合がこれまでにも具体的な矛盾点を指摘して来ましたが、最終報告書が発表されたのを機会に、事故調による調査内容を改めて検証してみる事にします。 706便事故調査について事故の概要機長組合調査による当該便機長の証言事故調査報告書概要機長組合が同意する点と異議を唱える点報告書の問題点事故調査委員会による結論機長組合による推定原因用語の解説MD-11 の問題点  目次に戻る 

日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

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