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三乗組 声明三乗組 声明

~勤務裁判組合全面勝訴判決確定~

 1993年11月1日、日本航空株式会社(現 株式会社日本航空インターナショナル)経営による協約破棄がおこなわれました。それに端を発した運航乗務員の勤務基準に関する一連の勤務裁判は、経営側の最高裁に対する「上告受理申立」(第1陣訴訟)、東京高裁に対する「控訴」(第2陣訴訟)の取り下げ(いずれも2005年4月15日付)により、本日、「組合側の全面勝訴の判決」が確定しました。

 第1陣の第1次提訴(1994年4月22日)以来、11年の歳月に及ぶこの裁判闘争は、法廷では、経営側の一方的な「労働条件の不利益変更」の争いでしたが、私たち日本航空乗員組合、機長組合、先任航空機関士組合(以下三乗組という。)が裁判で訴え続けてきたことは「航空機の運航の安全を守る」ということでした。航空産業におけるパイロット・フライトエンジニア達の4、000日に及ぶ「航空機の運航の安全を守る」闘いとして、日本国内の労働者や利用者の方々のみならず、広く世界中の航空業界でも注目されてきました。このような状況の中で、今般「組合側の全面勝訴の判決」が確定することの意義は、非常に大きなものであると、私たち三乗組は確信しています。

 当初、25名の乗員組合執行委員を原告として始められた裁判は、最終的に第1審弁論終結時には総原告数898名(第1陣53名、第2陣846名)となり、第1陣、第2陣裁判を通じて60回以上開廷された公判(法廷期日)は、三乗組の組合員や社内、国内および海外の航空産業で働く仲間や利用者をはじめとする多くの方々の支援を受け、全ての期日で原告・傍聴者が法廷から溢れ出るという状況の中で進められてきました。また、世界80カ国10万人のパイロットで組織するIFALPAや英国航空をはじめとする世界各国の乗員の団体からの要請文も数多く裁判所に提出され、最終的に裁判所に提出された支援者の方々からの署名数は、団体約3500、個人約10万筆に及びました。

 このような中で1999年11月25日、第1陣1審裁判で東京地裁は、「科学的、専門技術的見地から(就業規則改定は)相当ではなく、安全性を損なわないように内容を決定したと認めるに足りず、規定の内容自体の合理性を肯定できない」、「危険な規定である」等々の指摘を行った上で、「例えば、予定着陸回数が1回の場合、連続する24時間中、乗務時間9時間、勤務時間13時間を超えて就労する義務のないこと確認する。等」との組合側主張を全面的に認める判決を下しました。

 また、2003年12月11日、会社の控訴により始まった第1陣控訴審裁判で東京高裁は、地裁での判決理由に加えて、「人件費効率向上を図るという目的との関係で、本件就業規程改定が有効であったとしても、その効果が大きいものであったということはできない。したがって、本件就業規程改定の必要性があったとしても、その程度は高度であったということはできない」等々を指摘し、「労働者に大きな不利益を与えてまで強行する経営上の高度の必要性はない」などの理由で、地裁判決を上回る内容で、組合側主張を全面的に認める判決を下しました。

 更に、2004年3月19日、第2陣1審裁判で東京地裁は、これまで認められていなかった「会社が管理職扱いをしている機長および先任航空機関士」の組合員に対しても「訴えの利益」を認める判決を下しました。

 しかし、日本航空経営は、裁判所が「安全検証が不十分である、危険な規定である」と指摘した改悪勤務基準を、いずれの判決後も改めようとしませんでした。

さらに「高裁への控訴、あるいは最高裁への上告受理申立により、判決が確定していない」との理由を掲げ、公正な立場である第三者機関の「重大な指摘を無視し、1審判決以降だけでも5年5ヶ月に渡り、このような改悪基準での運航を続けてきました。

本来、安全運航を求める航空会社であるならば、判決の確定如何に関わらず、上記内容の判決を受けた以上、即刻、このような勤務基準に基づく運航を一旦中止し、勤務基準の改善を行った上で、必要であるならば裁判で争うべきであるにもかかわらず、経営は、日本の三審制という司法制度の下での「判決が確定していない」と主張し、これを口実に、事実審の最終審である高裁判決をも無視して、このような運航を続けてきました。経営のこのような安全性を軽んじる姿勢は、社会的にも倫理的にも許し難い行為といえます。

しかしながら、今般の判決確定により、経営側が改悪基準で運航可能であるとする根拠は全て失われたことになります。更に、最高裁の判断が下される前に、経営自らが全ての裁判を取り下ろし、判決が確定したということは、経営自らが、上記判決の指摘を認めたことに他ならず、乗客・社員に対して安全配慮義務を求められている日本航空経営が、11年間もの長きにわたり不安全な勤務基準による運航を行ってきたという事実を認めたことになります。

利用者の生命を預かる航空運送事業を行っている以上、日本航空経営が直ちに実行すべきは、「1回着陸における乗務時間9時間を超える勤務、または勤務時間13時間を超える勤務」や「2回着陸における乗務時間8時間30分を超える勤務、または勤務時間13時間を超える勤務」等々、判決に抵触する業務命令を撤回することです。

しかし経営は、裁判敗訴確定の直前にまたも就業規則を改定し、それをもって判決を守らず、安全性に疑問があると指摘された勤務基準を未だ続けようとしています。

私たち、三乗組は、確定した判決が反映され、運航の安全と健康が守れる勤務協定締結に向け、経営と労務に最後の決断を迫る交渉を行い、最終解決に向け闘っていきます。

経営が交渉に誠実に応じなければ、私たちは事前に利用者・社会の皆様に広くお知らせした上で、法律に則り「判決で勝ち取った、就労の義務のない勤務」には就かない行動をとる考えです。

私たちは、これまでの皆様の温かい御支援により、今日の全面勝訴判決確定を迎えられたことを感謝するとともに、今後も、日本航空に安全運航と法律を守らせることに向け、皆様のご理解と、さらなるご支援をお願い致します。

2005年4月

日本航空乗員組合

日本航空機長組合

日本航空先任航空機関士組合

ここが違うGood ////!ここが違うGood ////!

1月~3月、放映された副操縦士を主人公としたドラマを本物・機長が検証  ■B747-400もB777も操縦できるスーパー副操縦士・新海君・・・・でも フライトシーンで実写される航空機はB747-400であったりB777であったり。どうやら2機種以上でも乗務できるようですね。事実は大昔は混乗といって複数の機種を乗務したりしたようですが、スイッチの位置やONーOFFの方向が逆だったりと不安全なこと、資格維持も大変なことで現在は乗務機種はひとつです。ちなみに客室乗務員は複数の機種を乗務します。■遅刻!と機長をホテルに残しショーアップ・・・・そんな ホノルル線は時差の大変なフライト。仕事前にワイキキの浜辺で寝ている余裕はないのですが、通常ステイ先ではホテルから空港までバスで行きます。ホテルで機長と副操縦士はピックアップタイムに待ち合わせて行きますので、機長を置いてきぼりにする副操縦士はいません  ■いつも同じメンバーで乗務、楽しそう・・・・でも 数名の機長と繰り返し乗務し、客室乗務員も同じグループとばかりで仲良く楽しそうなS副操縦士ですが、パイロットの現場ではまずないことです。運航乗務員はそれぞれ一月毎の乗務スケジュールに沿って乗務しますが、どんな機長ー副操縦士で組むかは、毎回のパターン(基地を離れ基地に戻るまで)で異なります。勿論、初対面ということも少なくありません。でもお互いがプロ、それぞれ資格を持ち、要求されたレベルあるわけですから職務にはまったく支障がありません。機長も副操縦士も会社組織としてはそれぞれ機種別の乗員部などに配属されていますが、自分の所属長と1年間まったくフライトで顔を合わせないこともしばしばあります。その為、フライト業務を人事考課などで評価することは大変むずかしく「人事考課は乗員に馴染まない」状況にあります。ちなみに客室乗務員の場合は、基本的にはグループで長期間のスケジュールに沿って乗務することになっていますが、機種やフライトによって乗務員数が少なくなったりするのでグループを離れてフライトする場合もあります。1年間乗務していても、同じ客室乗務員と顔を合わすことは滅多にないことです。毎回、黒木 瞳さんのようなCAと飛べるなんて、何と・・・・・。 ■千歳にダイバート、そして給油して成田へ・・・・でも 中国線を乗務し、目的地成田へ、しかし成田は濃霧。関空も悪天。機長は千歳へダイバートを決意するも目的地成田への到着をあきらめない。千歳ですぐに給油して成田へ飛び立ったが・・・・・実は成田空港は閉まっていたのです。ご存じの方も多いかと思いますが、成田空港は騒音問題があり、23時~6時までの間の離着陸が厳しく制限されています。夜飛び立った太平洋便などが急病人等で引き返す場合などは別ですが、一旦、千歳へ降りた便が、再び成田へ向け飛行し夜中に着陸するケースはありません。 ■監査フライトに機長がフェイルしたら、引退・・・・そんな JALでは監査とは呼ばず査察と言いますが、機長は1年に1回、実機とシミュレーターそれぞれで定期審査を受けなければなりません。また路線資格を得るときにも路線審査を受けます。それらの審査には査察運航乗務員があたります。いわゆるチェックフライトでは、ドラマ同様、知識や運航全般を審査されますので日頃のフライトにはない緊張をもって行われますし、勿論、所定のレベルを下回ると判断されるとチェック不合格となる訳ですが、即刻、引退を決意というものではありません。当然、再審査(リチェック)のチャンスもあります。尤も、毎日の運航にあたっている機長ですし、審査前には準備を怠らず望みますから、フェイルとなる率は当然、極低いものです。医師や弁護士など国家試験として取得する資格の中でも、こうした定期的な審査によってレベルを管理している資格は見当たりません。パイロットという職業の特殊性が表れている制度と言えるでしょう。 ■全社員揃って脱出訓練・・・・・本当は JALでは定期救難訓練と言いますが、運航乗務員と客室乗務員が1年に1回、まる1日がかりで、ドラマ同様のモックアップ(客室とスライドなどを実機同様に模したもの)を使い訓練を行います。ちょっと違うのは整備士らはそうした訓練には参加しないことです。また査察乗務員が救難訓練の責任者となることはなく、この訓練を専門に担当する組織があり、教官として客室乗務員なども配置されています。訓練では、ドラマ同様、運航乗務員と客室乗務員が、業務にあたる役と乗客の役に分かれ、陸上での脱出や不時着水を想定し、実技を行うなどします。 ■どこへでも制服きたまま出掛けてしまう・・・・・ちょっと 乗務前、乗務後問わず、制服姿でいろいろなところへと出向いてしまう彼ですが、見ているとちょっと恥ずかしい。本物たちは実に照れ屋が多く、制服姿でいる時間を出来る限り短くしたいくらいです。あくまで一般的に言ってですが、制服姿になるとかなり男前があがるとのことなので、女性へのアタックには効果的かもしれませんが、何か詐欺師ぽい(実際いたようですが)ですよね。ところでドラマでも肩章を外したりするシーンがありましたが、あの肩章は金4本線が機長、金3本線は副操縦士というのはお分かりですよね。では航空機関士は???。金2・3本線(シニアは3本)に赤線が入っています。昔は男性客室乗務員の制服にも線が入っていてこれは銀線でした。世界のエアラインで「機長は4本線」というのは定番なのですが、JALでは整備士の中にも4本線を着けている人がいる、とても珍しいエアラインだと知っていましたか?  ■客室化粧室内で煙・・・・・大変かも あくまで状況の想定はドラマですからそれはそれとして、客室内含めて煙の発生など火災が疑われるケースは極めて慎重に対処する必要があります。それは過去の事故事例の中で、消火したと判断した後に、実は火種が残っていて大惨事となったことがあるからです。私たちも機内火災にはいつも十分注意するよう客室乗務員にもブリーフィングなどで指示していますが、禁止されています機内での喫煙などなきようご協力いただきたいものです。 ■最後にGood Luck!・・・・言わない いろいろ楽しませていただきましたが、最後に多くの方に聞かれた質問です。機内アナウンスなどのときに「Good Luck」と言うか?JALのパイロットは言わないと思います。私は聞いたことがありません。もし最近、聞いた方がいたら流行を敏感に取り入れる方がいたということでしょう。また親指を突き出すポーズですが、これは「Good Luck」ではなく「Roger(了解)」という意味で使います。副操縦士が交信しているのに対して、言葉で答える代りに、シグナルとして実際に使用もします。  久々の航空ドラマであり、反響も大きくとうとう毎回見ることになってしまいました。ここでは皆様の興味を盛り上げると同時にパイロットという職業へのご理解を進めていただこうと特集させていただきました。ドラマ全体としてはリアリティーや本物へのこだわりとは別のところでパイロットの厳しさや空のロマンを描いていただいたものと思います。また、航空ドラマが制作されるとするならばどのエアラインで、どのような設定となるかは分かりませんが、海外のロケシーンなどももっと入れた素敵なドラマを期待したいものです。個人的には、JALにも現存する「女性パイロット」かななんて思うのですが、皆様いかがでしょう?

7月30日 706便裁判判決<7月30日 706便裁判判決<

(写真:名古屋地裁前にて。機長組合副委員長) 詳細は追ってお知らせします 日航706便事故機長の判決に対する機長組合声明 本日言い渡された無罪判決は当然の判断であるが、事実認定には問題があり容認できない。私たちは検察当局に控訴を断念するよう強く要請するとともに、今後、様々な場で事実関係を明らかにしていく。 2004年7月30日 日本航空機長組合

急減圧では説明のつかない数々の矛盾急減圧では説明のつかない数々の矛盾

急減圧では説明のつかない数々の矛盾 123便事故の再調査を求める?D 前回に引き続き、UAL811便の急減圧事故と123便とを対比してみます。 「開かなかった操縦室ドア」=差圧が無かった証拠 ?A UAL811便:ギャレーのドアやカートを上げ下ろしするリフトのドアが差圧により開いた。 123便:CVRの解読等でも、操縦室のドアが開いた形跡は全くありません。 事故調の試算では、隔壁破壊から1秒後には操縦室と客室内で0.39psiの差圧が生じたとしています。これは、ドアを施錠するシアピンの設計強度の1.8倍(シアピンは差圧0.22psiで破損するよう設計)に相当します。 ドアが開かなかった理由について、報告書ではあえて説明していませんが、123便のドアが設計よりはるかに頑丈だったのではなく、それ程の差圧がなかった、即ち事故調の解析するような急減圧が無かったと解釈する方が論理的といえます。 真夏に夏服のまま-40℃で、誰も寒さを感じない??? ?B UAL811便:気温が急激に低下し、凍えるように寒くなった。 123便:事故調の試算によれば、急減圧に伴って機内の温度は5秒間で65℃も低下し、-40℃になったとしています。しかし、CVR・生存者の口述・乗客の遺書いずれにも「寒い」といった表現はありません。 真夏に夏服のまま、一瞬に-40℃の世界に置かれても、UAL811便のように「凍えるように寒い」との感覚を持たなかったのでしょうか。 低酸素症はあったのか??? ?C UAL811便:めまいを感じ、脳は十分働いていない感じだった。酸素マスクのプラグをボトルに差し込むことがスムーズに出来なかった。この作業を見ていた他の乗員は、まるでスローモーションの画面を見ているようだったと語っている。 123便:123便の場合、事故調も認めているように、乗員は酸素マスクも着用していません。2万ft以上の高度を飛行していた時間は18分間にも及びます。しかし乗員はフゴイド運動という極めて不安定な運動を繰り返す飛行機を落ち着かせるために、長時間格闘し続けており、これは酸欠状態であればとても出来ない技です。 UAL811便では、乗員は直ちにFL230から緊急降下を実施していますが、その短時間にも酸素を吸入できなかった客室乗務員は低酸素症の症状を訴えています。 果たして人間は、このような高高度で酸素吸入をせずとも正常な判断、行動がとれるものなのか‥‥それは次号以降で紹介します。 騒音もなかった ?D UAL811便:機内の騒音レベルは高く、力いっぱい叫んでも自分自身に聞こえないほどであった。乗客との会話もほとんど出来なかった。 123便:酸素マスク着用のプリレコーデッド・アナウンスを生存者が聞いているように、機内に騒音があった様子はどこにもありません。 一方、123便と同様に圧力隔壁が破壊されたタイ航空機の場合、機内の乗客は相当の風切り音があったと語っています。 これでも尚123便は30万ft/minもの急減圧があったと言うのでしょうか。 (機長組合ニュース15-27)