Menu

日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

経営問題に関する取り組みについて(中期計画と人件費関連施策)
経営問題について機長組合第22期では、以下の年間方針を基に取り組んだ。
(1) 活動の基調(抜粋)

・ 06年度決算での突然の大幅赤字以降、後決算状況は好業績を示しており、これ以上の人件費削減はまったく必要がない。経営が人件費削減だのみの中期再生プランをこのまま推進すれば、「JAL再生」の原動力となるべき社員のモラルとモチベーションを損ね、安全とサービス品質の低下を招き、「JAL再生」に向けてまったくの逆効果となりかねない。

・ 事業運営については、公共運送事業としての責務を大前提に、経営の状況を正確に分析して適正な事業計画を策定させる。

(2) 基本方針と課題(抜粋)

   健全な事業計画策定・健全な事業運営の実現

・ 真の赤字の原因を正しく分析させ、人減らし・人件費削減ではなく、適正な需要予測の元、収益性を重視した事業計画・路便計画を策定させ、健全な事業運営を行わせる。

・ 事業計画・資金計画・予算・決算等の情報を十分に公開させ、分析・交渉および学習活動を行うとともに、広く社会に組合の考えを広める活動を行う。

 
<経営の対応と組合の取組みの概要>
06年度の決算は、本業の回復が著しい中でも税調整会計により大幅な当期赤字を計上したが、経営は06-10年度中期計画で「年間06年度対比で500億円の人件費削減」方針を打ち出し、07年7月には具体策(退職金の切り下げ・夏期休暇のカット)を発表した。機長組合第22期の取り組みはこうした状況を引き継いで開始された。
 
この時点での経営の「人件費切り下げが必要な理由」は、もっぱら「金融機関がリストラ(人件費切り下げ)が融資の条件と言っている」であった
 
07年度上期決算では、予定されていなかった独禁法関連引当金(米国分)を計上しても年間の営業利益見通し(480億円)を大幅に上回り、職場には社員の頑張りに報いる経営の判断を求めたが、経営企画室は「下期は燃油費等の動向が不透明」と主張し、通年の見通しを変更しなかった。
 
JALFIO執行部は上期の好調な決算を受けて「年間一時金協定の再協議」を求めたが、結局通期収支に関する上記の経営の見通しに同調し、「最終決算時に再度交渉する」ことを確認したのみで、当初見通しを前提とした冬期一時金を受け入れた。
 
機長組合は、12月18日の執行委員会で「2007年度上期決算と10月仮決算を踏まえた人件費関連施策に関する機長組合見解」を確認した。
[ 1218見解の骨子 (詳細は機長組合ニュースNo.22-091参照)]

(1) 決算の現状について

現時点で「当期利益の見通しは変わらない」との経営の主張を社員は理解し得ない
社員の懸命な努力に引き換え、経営戦略が当を得ているかは疑問である
最終決算に大きな影響を与えている特別損益の説明が不十分である

(2) 再生中期プラン(中期計画)と人件費関連施策について

経営が社員に痛みを強いる人件費関連施策を提示するやり方は極めて身勝手である
金融機関が「人件費切り下げが融資の条件」と言っているとの情報を安易に一人歩きさせてはならない
経営が現状を本当に「JAL存続の危機」と認識しているなら、従来の「JALFIOのみとの合意で強行する」手法を、明確に放棄しなければならない。
(3) 機長組合の提言

07年度の収支が見通せた時点で、決算内容に応じた期末一時金の支給を確約すること
収支状況が好転していることを踏まえ、退職金の見直しについては今年度中の実施を行なわず、08年度以降も継続協議して行くこと
08年度以降の新中期計画策定にあたり早急に組合と十分協議すること
第三四半期までの累積決算(4月~12月)においても収支が好調な状況は変わらなかったが、経営企画室は実態とかけ離れた「予算以上の利益は望めない。退職金の切り下げ等人件費の切り下げは必要」との説明に終始した。
 
2月6日に社長との面談が行われ、その中で社長は「70億円の当期利益計画は死守したい。それ以上の利益を還元したいので組合の協力をお願いしたい。還元は決算概要が見えてくる4月には示せるだろう。今後も話し合って行きたい」と強調した。
 
2月29日には新中期計画(08-10再生中期プラン)が示され、3月4日に経営協議会が行なわれたが、新たな中期計画には「1500億円を優先株の発行で増資する。その配当のために利益計画を上方修正し、人件費を100億円削減(08年度は10月実施予定で50億円)して、配当原資に充てる」という内容が含まれていた。
新旧中期計画の利益比較(太字斜体は新中期計画)

機長組合は「還元の方法論と、中期人件費関連施策の詳細な論議のため、春闘の交渉とは別に、経営企画の役員の出席する交渉を早急に開催すること」を要求した。
 
08春闘団交の中で機長組合は「現在の収支状況なら、利益還元分を原資に、当面の退職金切り下げを回避し、話し合いを継続することが可能」と主張したが、安中労務担当は、決算上の知識が希薄な中でも「退職金を切り下げなかったことにより、70億円の当期利益を下回わるわけにはいかない」と強弁した。機長組合は繰り返し、社長の約束に基づき、社長及びBAZ役員が交渉に出席することを求めた。
 
3月27日には4月から予定された退職金の切り下げを前に、最後の団交が行なわれたが、会社側の出席者は従来の域を超えず、機長組合は「全く納得できない。このまま退職金の切り下げ強行と言うことになれば、第三者機関へ提訴ということにもなる。精緻な議論をしなければならない。3月中に説明がなければ、切り下げ強行などとてもできない。4月の説明であれば、切り下げを実施しないで決算を出すべきだ。今日の段階では議論不十分だ。早急にBAZ出席の交渉を求める」と主張した。
 
しかし労務・経営はJALFIOとの合意をてこに、4月からの切り下げを強行したため、機長組合は4月1日に見解(骨子)を発表した。

0401見解の骨子 (詳細は機長組合ニュースNo.22-149参照)

 
経営企画室や労務が執拗に赤字宣伝を行なったが、社員は好調な収支状況を十分に把握しており、JALFIO執行部も社長の「07年度利益から社員に還元する」との姿勢に合わせ、07年度臨時手当上積みに向けた特別協議を要求せざるを得なかった。機長組合は「形だけの再協議」に終わらせることの無いように、JALFIO組合員を含めた職場へ、以下を教宣した。(以下は、機長組合ニュースNo.22-160抜粋)
[機長組合は、運航の現場の最終責任者の立場から改めて指摘する]

JALFIO執行部が「07年度臨時手当に関する特別協議」を再開した事については大いに評価するが、最も重要なことは、JALFIO執行部が職場を振り返り、職場の声に真摯に耳を傾け、人件費削減一辺倒の経営に安易に迎合せず、職場が納得する協議を行なうことである。
 
経営は真のJALの再生のために、JALFIO執行部との密室交渉を先行させることなく、全社員に対してきちんと利益を還元する姿勢を示すべきである。
 
JJ労組の緊急要請は、「期末手当として1.6ヶ月を支払うこと」。春闘で会社が仮に示したような「お茶を濁した程度の期末手当」では許さない。
機長組合は、経営に職場の要求に答える「利益還元」を行わせるために、それまでの経営姿勢と決算状況を職場に伝えるシリーズニュースを発行し、社員の認識を誤らせる宣伝を行なう経営企画室と、その宣伝を基に不誠実な交渉を行なう労務部を批判した。(機長組合ニュースNo.22-153,155,156,157,159 計5部)
 
5月2日には07年度決算の修正見通しが、5月9日には最終決算が発表されたが、中間決算時の米国分に加え欧州分の独禁法関連引当を行なっても、予算を大きく超える利益となった。また経営企画室は3月末の段階でも「年間利益は予算を大きく超えない」と主張しており、わずか1カ月余りで営業収支が400億円以上も好転する(?)状況であり、経営企画室の極めて欺瞞的な宣伝の実態が明らかになった。
[07年度利益見通しの推移と最終決算]

5月8日には、0.3カ月+10,000円の07年度利益への還元(期末一時金)が提示されたが、12日には100億円の賃金切り下げの具体策(ほぼ全ての賃金項目の5%カット、08年10月1日実施予定とし、初年度効果は50億円の恒久策)が提示された 。
 
5月13日には決算説明会が行われ、組合は概略以下の主張を行なった。
(詳細は機長・先任ニュースNo.2007UY‐023参照)
経営企画室の3月14日付け文書は意図的な黒字隠しの虚偽説明
米国と欧州を合わせ違法なカルテルで170億円の損失を出した経営責任は重大
JALカードの売却に関して損金は前出し利益は先送りの会計操作があるとの感が強い
増えないと言っていた特損が、255億円も増えるというのは損失の前出し
08年度に社員から新たに100億円の賃金をカットを計画しながら予算説明が不十分
燃油費のヘッジ単価について説明しないのは交渉経緯にもとる
08年度の人件費削減計画額▲270億円の内訳の詳細な説明を求める

5月27日には経営協議会が行なわれ、組合は概略(◇)の主張を行なったが、西松社長は(◆)の答弁を行なうに止まった。
(詳細は機長・先任ニュースNo.2007UY‐025参照)

社員は、経営が社員を騙した、と感じている。4月28日文書に言う「本業での利益は当てに出来ないから人件費を削って配当したい」というのは経営責任の放棄 だ

社員のモチベーションなくして航空企業の収益性向上はあり得ない

今後の真のJAL再建のためには、経営方針と労務方針の決定プロセスを改め、経営トップが自ら交渉に出て「優先株に人件費削減で配当する」方針の代替案を早急に協議すべき

すでに社長が約束している、各年度毎の利益計画達成時の還元、中期目標達成時の還元、復配した場合の基本賃金カットに対する還元、の3つの還元の具体策を組合に示すべき

それらの協議の間、当面経営が内部留保だと言っている07年度の予定利益を超えた利益「170-70=100億円」を配当資金として留保しつつ、5%(100億円)の賃金カットを労使協議が整わない間は強行しないことを明言し、08年度収支の流れも見ながら具体的な施策を労使の慎重な協議で決めて行くべきだ

社員の信頼を失っているとすれば残念だ。皆さんにはきっちりと説明すべきと思う。その上で、経営も社員も同じ船に乗っていることをわかって欲しい

団交に全て出ろと言われても難しいが、最近も皆さんと直接お話してきた経緯が何回かあった。今後も皆さんの話を聞いていきたい
この経営協議会の内容も踏まえ、5月30日に組合は「100億円の賃金切下げ案への機長組合見解」を決定し、経営に提示した。

この見解(方針)の決定後、夏闘団交においてその実行を迫った。トップとの交渉の場については、竹中副社長の交渉出席(1回のみ)はあったものの、社長との交渉は7月18日現在、未だ実施されていない。
 
6月23日の団体交渉において、安中常務は5%賃金カットについて「大きな問題であり、話し合いを続けたい」として、協定の破棄通告(現在JALFIOだけが関連協定を締結している)は行なわないことを明言した。
 
JALFIOは当初この案について「経営の責任をもった社員への説明が必要」として、交渉に応じていなかったが、経営が各職場への宣伝行動を行なったことを受けて、交渉のテーブルに就くと表明した。今後、交渉内容を職場に報告し方針を検討するとしており、7月10日には中央労使協議会(メンバーは機長組合の団交と同様)が開催され協議を開始したが、重要な論点を「なぜ人件費なのか」、「2010年度以降の経営の考え方」、「還元の具体策」および「なぜ時限立法でなく恒久策なのか」等に置いている。
 
6月末には、5月仮決算が発表されたが、累計の営業利益は予算対比プラス195億円であり、機長組合の0530見解に経営が応えられる状況は益々高まっている。
 
JJ労組の連携の中で、各職種の組合が「100億円の賃金カット」に関する職場アンケートを実施した。CCUが集約したJALFIO組合員も含めた客室乗務員の声は4165通あり、そのうち4110通が施策に反対している。また4乗組の集約した運航乗務員の声は1386通あり、そのうち1312通が施策に反対している。地上の職場の声1011通を加えると全体では6507通の集約でほぼ98%が、施策に反対を表明している。(7月7日現在)
 
7月15日には5%(100億円)の賃金カットに特化した団体交渉が行われたが、安中労務担当は「施策は日航再建に不可欠」と主張しながらも、機長組合の0530見解については「経営の会議に報告し検討中である」と答えた。
 
各航空経営は、さらなる路線リストラを計画し、また国際線では燃油費高騰を価格に転嫁するサーチャージ以外の手法を検討し、さらに国内線では公租公課の低減を要請するような動きが出始めている。
 
<7月18日時点の中間総括>
1.収支状況・経営施策への職場の理解を広める取り組み(教宣活動)

・ 中間決算、収支見通しの修正、四半期決算等の機会をとらえ、決算の正しい見方や経営企画室の宣伝の誤りについて、機長組合ニュースで教宣した。

・ 同時にJJ内各労組に配信し、JJニュースやJJ内各単組の教宣にも影響があった。

・ 機長組合22期の中では、組合の考えを三回(1218・0401・0530)見解にまとめ、職場に配布、掲示するとともに、経営に送付した。

・ 機長の職場には一定度情報は浸透したが、今後さらに活動を強化する必要がある。

2.組合全体でJALの経営状況を把握し方針に確信をもつ取組み(学習活動)

・ 真の赤字の原因を正しく分析し、人件費削減ではなく、適正な需要予測の元、収益性を重視した事業計画・路便計画を策定させ、健全な事業運営を行わせ運動を目指したが、未だ不十分な点も多い。

・ 昨今の企業会計は、税効果会計(複数年度の繰り越し会計)、繰延べ税金債務と資産、損失金の引当、退職給付債務の軽減手法、等々、従来に増して複雑化しており、十分な学習活動が不可欠であることが改めて認識された。

・ 経営は「金融機関から借入金を得るため」や、「優先株による増資のため」など、様々な「人件費切り下げが避けられない」理由を挙げている。こうした経営の主張に反論するためにも、キャッシュフロー関連の学習もひつようである。

・ 機長組合22期では企業会計の専門家(神奈川大学経営学部準教授 関口博正氏)に顧問に就任していただき、学習活動を検討した。担当レベルの学習は一定度行われたが、執行部全体での学習は十分ではなかった。

3.経営に施策を改めさせる取り組み(情勢の正確な分析と客観的に主張する活動)

・ 経営企画室や労務は、07年度決算の状況や08年度決算の進展状況の中で、人件費切り下げが必要な状況を説明することは出来ていない。

・ 特に安中労務担当は、組合の追及に窮して「私は決算は素人だから」などと平然と主張するありさまであったが、経営全体は「JAL再建には資金(増資)が必要であり、それを実行するためには引受金融機関の主張を取り入れなければならない」との認識で一致している。

・ 項目2.(学習活動)と本項(情勢分析と客観的主張)のためには、事業計画・予算・決算等の正確な情報が必要だが、経営企画室が組合への資料提示を拒んでいる点も多い。また、企業の資金運用、金融機関との関係、路線運営・営業戦略の是非論についても、経営の秘密主義(経営は契約上の守秘義務などを挙げている)が壁となって、十分に論議できていない。今後の課題である。

・ 組合の教宣活動もあり、経営は社員への説明(ローミング)の場でも、出席社員の厳しい指摘に晒された結果、現在では「施策は話し合いと組合の合意で行いたい」と答弁しているが、今後、10月に強行するかどうか予断を許せない状況である。

・ 今後はさらに一人一人の経営に「このままでは第三者機関での争いが避けられない状況であるが、その結果、社員のモラルとモチベーションを損ね、安全性とサービス品質が低下したら、日航の再建など決してなし得ない」ことを、真剣に考えさせることが重要である。

4.全社員が一方的な賃金カットに反対する体制つくりについて(職場活動)

・ JJ労組を中心としたアンケート活動は進んでおり、社員の声は多く集められた。

・ 奥さまアンケートの準備が整い、8月から実施予定。

・ 社員の声が高まっていることにより、労務・経営は現時点では「5%カットを強行実施する」とは断言し得ない状況だが、提案を撤回あるいは修正させるためには、活動をさらに高める必要がある。

・ 現在、羽田事業所には過半数組合は存在せず、経営がJALFIOとの合意により施策を一方的に実施することが難しい状況だが、その具体的な構造(就業規則改定の手続きや、36協定との関係)も全社員に正確にかつ具体的に理解させ、確信を広める必要がある。

・ 各職場からは、JJ労組の教宣がJALFIO組合員へも一定度浸透していることが報告されているが、今後、さらに工夫して声を会社の隅々に広めることが必要である。

・ 地上・客室管理職への書簡については、計画のみで未だ実施には至っていない。

5.産別や利用者・国民に支持される体制つくりについて(産別・対外活動)

・ 原油の高騰に端を発した、諸物価の値上げが社会的な問題となっている中、サーチャージの値上げなどにも批判は強く、人件費の削減反対に世論の賛同が得られにくい状況があったのは事実である。

・ しかし、安全運航やサービスの低下は、利用者全体が受け入れられないことに間違いはない。こうした点の社会的な教宣(ビラまき、HPでの訴え等々)は、これまで十分であったとは言い難い面もあり、今後は産別の協力も得て、取り組みを再構築する必要がある。

 
<機長組合23期に引き継ぐべき課題>

・ 社長以下、経営のトップとの交渉を頻繁にセットさせ、経営戦略の過ちを論議の中で明らかにし、経営施策の変更を迫る。

・ JALFIO組合員、地上・客室管理職への教宣活動を再構築する。

・ 金融機関(優先株主)、一般株主もターゲットに含めた、対外的な活動と教宣体制(ビラまき、HPでの訴え等々)を早急に企画・実行する。

・ 新執行部体制の下、企業会計全般、日航の収支・資産状況に関する学習活動を強化する。有識者に加えて、良識あるマスコミ関係者の知識・意見吸収も図る。

・ 10月1日に予定された賃金5%切り下げを強行させないために、就業規則改定手続きのレビュー、36協定交渉との関係の整理、第三者機関活用の準備等を進める。

 
読者の皆様のご意見をお寄せ下さい。
ご意見・ご感想がありましたら、 下記のリンク先よりメッセージをお願いします。

機付き整備士廃止批判機付き整備士廃止批判

機長組合NEWS 18ー086  ~機付き整備士廃止に対し批判2003.11.14 ご存知でしたか? 11月1日から整備体制が変わりました。 その内容は・・・? 機付整備士制度廃止です 機付整備士制度は、1985年8月12日の123便事故後、当時の最高経営会議が日本航空の機材の安全性を高めるための方針として発足した制度です。しかし、その後経営は「絶対安全」の言葉を使わなくなり、それに合わせて次第にこの機付整備士制度の内容も変わってきました。1993年、1998年に見直しが行われ、現在の機付整備士制度は実質骨抜きの状況になっていました。 2003年10月2日付で「機材品質モニタリング体制の強化」と言うタイトルのオペレーションニュースが出ました。このニュースは“フィールドエンジニア”“フリートエンジニア”といった新しい言葉が出てきたり、組織がどのように変わるのか等、分からないことだらけ、と言う感想をもたれた方もいらっしゃると思います。しかし、よくよく読んでみると、実は“機付整備士制度廃止”と言うことが分かります。   今回の整備体制の変更については運航の安全に直結する重大な事柄でありながら、オペレーションニュース1枚だけの説明で、しかも非常に分かりづらいものだけでした。昨今、整備に対する信頼性が揺らいでいる状況にもかかわらず、この会社の対応は決して信頼を回復するためにはプラスにならないことです。 会社は、これまで「機付整備士」が担ってきた「機番毎の継続的なモニター」は、「組織で行う体制に強化する」と説明していますが、これが本当に実体を伴うものであるのか注意してみていく必要があります。機長組合は今後、安全運航確立へ向け、今回の新たな整備体制について会社と論議していきます。 皆様の声を機長組合までお願いします

706便裁判勝訴に向けて706便裁判勝訴に向けて

1997年6月8日、日本航空706便香港発名古屋行は三重県紀伊半島上空にて急激な揺れに遭遇。客室乗務員・乗客8名が負傷。うち客室乗務員1名が約1年8カ月後に亡くなられました。運輸省航空事故調査委員会はこれを受けて99年12月、事故調査報告書を発表。さらに名古屋地方検察庁はこの事故調査報告書の内容を基に当該機長を2002年5月、業務上過失致死傷で起訴しました。2002年12月から2004年3月にかけて26回におよぶ公判が名古屋地方裁判所にて行われました。その中で、弁護団は一貫して「機長がオーバーライドした事実はなく無罪であること」「事故調査報告書を証拠とすることは誤りであること」を主張しました。公判では、日航の関係者・現役の事故調査委員・医師などが証人として証言を行い、当該機長も被告人尋問の中で事故についてありのままを証言しました。 2004年7月30日、石山裁判長は検察の禁錮1年6ヶ月の求刑を退け、無罪判決を言い渡しました。 しかし検察は同8月に控訴を決定し、2006年9月より名古屋高等裁判所にて控訴審が行われています。  ☆控訴審<名古屋高等裁判所>の経過 ●控訴審判決<2007.1.9> ■706便事件高裁判決の評価■無罪判決に対する声明■高本機長のコメント■706便事故裁判の過失認定を巡って(東海大学池田教授のコメント)●第1回公判<2006.9.22> ■公判の経過と私たちの取り組み■控訴審初公判にあたり機長組合声明  ●第2回公判<2006.11.10> ■ダイジェスト■検察官による三橋証人に対する尋問■弁護人による三橋証人に対する尋問■弁護人による被告人機長に対する尋問■検察官、裁判長による高本機長に対する尋問  ●第3回公判<2006.12.6> ■検察官・弁護団証拠弁論✈706名古屋地方裁判所無罪判決 ●判決公判<2004.7.30> ■速報■判決文(PDF 1900KB)■判決に対する機長組合声明■判決当日模様ビデオストリーミング放送⇒ブロードバンドの方はこちら◇706便裁判「無罪判決」解説シリーズ ・事故調査報告書の証拠能力について ・マスコミ報道に掲載された関係者・識者の見方 ★検察、不当にも控訴!★ 検察は8月6日18:30、名古屋高裁に控訴しました ・控訴に対する機長組合のコメント ✈第1審<名古屋地裁>公判の経過 ●公判記録目次へ  ✈706便事故を知る ●最新版706便機首振動の推定原因 (PDF)●ビデオ<ストリーミング放送>706便裁判勝訴に向けて●パンフレットーこれで分かる JAL706便機長起訴の問題点(PDF)☞さらに詳しい内容を見る パンフレット その2 JAL706便事故の真相に迫る●裁判所が航空事故調査報告書を証拠採用することは、航空の安全に逆行し、絶対に認められない●日乗連TST706便事故調査報告書 (PDF 162KB) 資料集 略語用語集●日乗連が解明した新事実!!706便事故の真相に迫る (PDF 955KB)

123便事故の再調査を求める2123便事故の再調査を求める2

強い風の吹き抜け、激しい騒音、乗員は減圧を直ちに認識、航空性中耳炎・低酸素症の症状、凍えるような寒さ =これが本当の急減圧だ!= 123便事故の再調査を求める?A これまでに起きた、急減圧を伴った大型機の事故の特徴を見てみましょう。 (下線は、123便事故との比較においてポイントとなる項目) 【72年6月12日 アメリカン航空DC-10型機】 11,750ftを上昇中、後部貨物室のドアが開き、急減圧が発生。高度は低かったが、爆発音と霧が発生し、機内を風が吹きぬけた。 【75年1月15日 ナショナル航空DC-10型機】 39,000ftを飛行中、No.3エンジンが分解し、その破片が客室の窓を破壊した。1名の乗客が窓から吸い出され、行方不明となった。減圧発生から約10秒以内に、操縦室の酸素マスクから酸素が流出し、その音がCVRに記録されている。これは減圧を示す一つの証拠として注目された。 【86年10月26日 タイ国際航空A300-600型機】 33,000ftで土佐湾上空を飛行中、機内で手投げ弾が爆発し、後部圧力隔壁を破壊、急減圧発生。9秒間で5,600ftから20,000ftまで減圧、減圧率は96,000ft/minであった。機内では、操縦士は直ぐに急減圧の発生を認識し、緊急降下を試みている。与圧空気は機内を強い風となって通り抜け、最後部洗面所の化粧台を倒壊させ、圧力隔壁後方へ抜けた。搭乗者247名中89名が航空性中耳炎になった。 【89年2月24日 ユナイテッド航空 B747-122型機】 ホノルル離陸後、22,000~23,000ftを上昇中、異常音とともに爆発的な急減圧が発生。運航乗務員らは直ちに酸素マスクを着用したが、酸素は出てこなかった。直ちに緊急降下を実施し、ホノルルに引き返した。原因は前方貨物ドアが吹き飛び、約14?uの穴が開き、それと同時に機内の酸素供給システムが破壊された。 客室内では、減圧とともに強い風が客室内を吹き抜け、客室乗務員らは物に掴まって吹き飛ばされるのを防いだ。風が収まった後も機内の騒音が激しく、乗客への着水準備の指示に困難をきたした。PAは騒音のために全く役に立たなかった。減圧に伴って気温が急激に低下し、凍えるように寒く感じた。客室の酸素マスクは作動しなかったため、客室乗務員らは携帯用酸素ボトルを使用したが、その数が十分でなく、一部の乗員は、酸素不足によるめまいを経験している。 【90年12月11日 エア・カナダ L1011型機】 マンチェスター上空で37,000ftを飛行中、後部隔壁が破損し、急減圧が発生した。乗員らは直ちに酸素マスクを着用し、緊急降下を開始するとともに、急減圧に関するチェックリストを行っている。 客室後部にいた客室乗務員は、鈍い「どーん」という音と同時に、左後部のトイレ付近から空気が流れる音を聞いている。30~40秒後に乗客用マスクが落下した。FDRの記録では、客室内の気圧は6,300ftから20,500ftまで減圧し、緊急降下によって再び気圧は上昇し、10,000ftになっている。 結果的に、20,000ft以上に56秒間、18,000ft以上に2分20秒間あったことが記録されていた。この減圧で、3名の乗客が激しい頭痛と耳痛を訴え、数人がめまいを訴えた。 後部トイレのパネルが後部圧力隔壁に押し付けられ、パネルの縁が裂けていた。グラスファイバーの断熱材が尾翼の点検孔から垂れ下がっているのが見られ、後部圧力隔壁の後方の胴体内部にも多量の断熱材が見られた。圧力隔壁は、その外周の8~9時の位置の三角パネルの外周部に2ftと1ft程度の長方形の部分が後方にめくれていた。 (機長組合ニュース 15-18)