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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association


「外国人乗員問題」

   
「JAZ派遣運航乗務員全員の乗務アサイン終了」
《23期》

機長組合見解 (PDF) 2009/05/16 Up

外国人乗員を前提にした乗員計画を見直させる
《22期の成果》
外国人乗員による日本人乗員のジョブ・セキュリティの侵害を一程度食い止める。
  JAZ未組織外国人乗員の在籍数の減少
  JAZ未組織外国人乗員の新規採用凍結
    実行乗員計画の中で、08年度の外国人乗員採用数を0とした。
在来747機の退役に伴う日本人機長の移行先の確定
A300、MD-90、737等を含めいつどの機種に移行するのか全くわからない状態であったが、原則全員が777に移行するとの回答を得た。
 
運航本部の事業計画への関与
かつてはBAZが一方的に事業計画を作成し、運航本部はそれを無批判に受け入れて乗員計画を作成することがまかり通っていた。しかし12月11日の役員懇談会の社長発言「今後とも運航本部の意見を充分に聞きながら進めていく」にあるように、経営のトップは「運航本部が乗員計画上の視点で事業計画作成に関与していく」ことを判断した。今後は機長組合と運航本部が交渉した内容が、より、経営の方針に影響を与えうる状況となっている。
会社が経費節減を目論んで設立したJAZの運航がなし崩し的に拡大されていく中、歩調を合わせるように、外国人乗員の在籍数はこの数年年急激な増加を続けてきた。06-10年の中期計画では10年までにJAZにおいて多くの外国人乗員を採用していくという実行乗員計画(06年時点)を策定していた。

07年になり、人的生産性10%向上施策による乗員配置数の見直し、911テロ後の航空不況から欧米のメガキャリアが立ち直りを見せてきたことによる世界的規模での乗員の需要のひっ迫などを受け、07年の実行乗員計画では10年までの採用数を修正していた。

 
≪22期の活動≫

8月10日付 未組織『外国人乗員』の-400移行に対する機長組合方針

11 月 か ら の 移 行 訓 練 は 凍 結 せ よ !
 

8月13日付 社長宛文書【未組織派遣『外国人乗員』に対する緊急要求】の発信

「日本航空の路線は乗員の認めた乗員で運航する」という原則に向け資料1 <機長組合要求>、中・長期的な事業計画の中で『外国人乗員』の完全撤退を図るべく、『日本人乗員』の採用・機長養成を促進させるような乗員計画の作成を求めた。また、『外国人乗員』の-400への移行を凍結し、日本人乗員とのセニョリティの確立を求めた。  → 資料1 参照 

22期執行委員会発足後わずか10日という異例の速さであったが、在来747機の退役に際し、08年11月からのJAZ外国人乗員の747-400に移行訓練開始を目の前に控えるなか、これ以上の日本人乗員のジョブ・セキュリティの侵害を許さないという強い決意表明であった。

外国人乗員に対する働きかけ

外国人乗員に対して、機長組合の方針を伝えるべく英文レターを発行。直接IASCOのオフィスに機長組合NEWSを届けた。その後も合わせて4通の英文組合NEWSが発行された。外国人乗員の流出が発生していく中、匿名でJAZ乗員が親睦会(JAZPA)を設立しHPを立ち上げるなどの行動があったが、この組織の質問にも丁寧に答える対応も行った。
継続的な会社との交渉 ?@・・・コストメリットは幻想だった。

9月19日を皮切りに10月10日、10月23日、10月31日と継続的に事務折衝を重ねる中で、これまで闇の中であった外国人乗員の実態(契約内容・待遇・年齢構成・減耗率・派遣手数料等)を次第に明らかにさせた。これらの交渉の中でコストメリットがあるというこれまでの会社主張には、もはや何の裏づけもないことを明らかにした。
想定を大きく超える外国人乗員の流出

07年春の段階で5%(8名程度)と見込んでいた減耗率を大きく超える勢いで外国人乗員の流出が続く中、9月28日にはJAZ Managing Director Letterによって、09年度までに全外国人乗員を-400へ移行させると発表。(日本人乗員に対しては移行先・時期に明示は一切ないまま)

OCCCを巻き込んでの更なる圧力

外国人乗員から機長組合方針に対してメールで質問が来たことから、それにこたえる形でQ&Aを英文NEWSとして発行。9月29日に横浜で開催されたOCCC(ワンワールド乗員組合)の秋の定例会において、機長方針を全面的に支持する、との見解を取り付け、英文NEWSを作成。そして、10月23日に、機長組合方針についての解説レターを英文で発行。(このさいの執行委員の署名にCaptain Instructor Pilotとの記載をしたために外国人乗員に大きな動揺を与える結果となった。)

継続的な会社との交渉 ?A・・・経営トップに問題を認識させる。

交渉の場が11月1日、11月7日の年末団交、さらに11月12日の経営協議会をはさんで、11月19日、11月28日の団交に移る中、運航本部だけでなく社長を含めた経営の中枢に向けて問題を発信し続けた。以下に交渉の中での代表的な発言を追っていく。

 
【 高橋副本部長 】
当面11月1日からの訓練は実施せざるを得ないが、機長組合の主張を踏まえ、要求には今後文書で回答する。 10月31日(事務折衝)
 
歴史的な問題、コスト・柔軟性・補完という三要素について、組合とはきちんと話して行きたい。 11月1日(団交)

 
【 原藤本部長 】
コストと柔軟性の説明は難しい(もはや説明不能)。当座の外国人乗員の必要性は解って頂きたいが、機長組合の主張は認識しており、長期的な乗員計画や事業計画について論議を進めたい。役員会でも、中期計画、乗員計画を修正することが必要だ、と話していく。 
11月1日(団交)
 
【岸田専務 】
コスト・補完・柔軟性の三原則についても、時代背景により変化しており会社も柔軟に対応していく。
乗員計画上の問題が事業計画実行に向けどのような障害になるのかを考えていく。グローバルなレベルでも現場技術者を如何に確保するかが航空業界の将来を握る問題だと思っている。
11月7日(団交)
 
【 西松社長 】
乗員計画は、事業計画の基本だと考えている。事業計画を大きく左右する前提条件だ。慎重に議論を尽くす必要がある。飛行機を買うためには資金面とかいろいろあるが、それと同時に乗員計画が成り立たないと事業計画そのものも成り立たないと認識している。運航本部の話は聞いていこうと思う。
運航本部から、ジョブ・セキュリティとセニョリティは重要な問題だと聞いている。 11月12日(経営協議会)
 
継続的な会社との交渉 ?B・・・回答に向かって。

12月11日の役員懇談会での西松社長発言によって、中期計画・乗員計画に関する継続的な本部交渉を約束させた。12月19日の第1回の本部交渉後、12月26日に会社見解(回答)が示され、1月17日、2月20日の本部交渉の中でさらなる回答が示されていった。

 
【 西松社長 】
今後とも運航本部の意見を充分に聞きながら(乗員計画・事業計画を)進めてゆく。ジョブセキュリティーと セニョリティーについては、運航本部と継続的に協議する場を組合にも提供して行く。係争事項は少ないほうが良い、運航本部に期待している。
12月11日(役員懇談会)
 
【 原藤本部長 】
中期プラン策定において、グループ会社全体の事業運営体制について、日本人乗員および外国人乗員それぞれの運航範囲がどうあるべきか、組合の案も示してもらいながら論議したい。乗員計画上の問題も、運航本部の主張が他の本部に理解されつつあると考えている。      
       12月19日(中期・乗員計画に関する第1回本部交渉)

12月26日 機長組合要求に対する会社見解(社長文書)を提示  
 

☆「見解」は組合要求への“回答”と会社側も認める。機長組合からの要求に対し、文書により社長名での回答が示されたということは、その内容・到達点についてはともかく、誠実な対応として評価した。これからの事業計画や乗員計画の中身こそが大事であり、今後とも継続的な話し合いが必要であることに変わりはない。

外国人乗員の新規採用の阻止

1月17日の中期・乗員計画に関する第2回本部交渉において、運航本部より-400において外国人乗員の新規採用(FOIN)を検討中との発言があった。

1月27日に-400教官室と執行委員のミーティングが開催され、外国人乗員の移行訓練に関する問題が討論された。その中でFOINには教官室の総意として反対していくということが確認された。

ついに、2月20日の中期・乗員計画に関する第3回本部交渉において、

☆ 08年度新規外国人乗員は採用しない。

☆ 在来747機長は、全員を777に移行させる。

☆ 737-800でJALのFOUGを開始する。

との発言を得ることができた。これまで会社は外国人乗員について10名程度の継続的な採用が必要だと頑なに主張してきた。表向きの理由は、外国人乗員の-400移行訓練に集中させるためといっているが、良質な乗員が確保できないという情勢や、組合と職場との一致した取り組みによって、ついに08年度の新規採用を阻止するに至った。

また、在来747の全機長を777に移行させるとの約束を得たこととあわせて、短期的視野に立てば、ジョブ・セキュリティの侵害を食い止め、(移行先という面での)セニョリティの問題に一定の回答が得られたと判断した。

外国人乗員へのリテンション策

6月27日に上記内容の外国人乗員の待遇改善が各派遣会社に通知された。

  1. 契約期間の延長:これまでは3年間だったものを5年間の契約とする。
  2. コンプリート・ボーナス:-400訓練終了後3年目)、6年目にそれぞれ月額給与の0.7か月、1.1か月を支払う。
    日本人乗員に対して乗手込で5%の給与カットの提案がある中では、とうてい認められるものではないが、他社に比べてPAYが低い中どれほどの効果があるかは疑問であろう。

≪今後の課題≫
ジョブ・セキュリティを守り外国人乗員と日本人乗員間のセニョリティを確立させるために
60歳以上の外国人乗員と日本人加齢乗員との格差を是正させるとともに、JAZ未組織外国人乗員の747-400への移行訓練を凍結させること。
09年度以降も未組織外国人乗員の新規採用をさせないこと。
未組織外国人乗員の機長昇格(ほぼ3年で機長に昇格)について、正規雇用の日本人乗員との間のセニョリティを設定し、遵守させること。
回答に沿った08年度実行乗員計画がいったんは示されたものの、787導入の遅れにより大幅な見直しが余儀なくされている。在来747日本人機長の移行先を777以外にすることも示唆している。職場の声(希望)を聞きながら、約束を履行させていく。
 

-400において退職する日本人乗員を全員加齢乗員として採用すれば、-400のマンニング上も外国人乗員は必要ではない。コスト・柔軟性の面でも、もはや何のメリットもないことが明らかになっているのに、外国人乗員にこだわる理由な何なのかを追求していく。今後の減耗率にも注目しながら、747-400によるJAZの運行を含め、全てのJALグループによる運航を正規雇用の日本人乗員に取り戻していくことを目指す。
 

運航本部は、09年度に新規外国人乗員の採用をほのめかしている。今後の一つの大きな山になることは間違いなく、全力で阻止していきたい。グループ内では、JEXでの外国人乗員採用のみならず、JACにおいては、ERJ導入に伴うメーカー派遣の外国人乗員が導入されようとしており、こちらにも注目していく必要が出てくるであろう。
 

08年4月の段階で、外国人乗員はすでにマンニング上も全く必要がないにもかかわらず、機長昇格訓練(CAUG)が続けられている。新規採用が無い中、年度末には4分の3が機長となり、JAZ CREWによる運航の半数がダブルキャプテンとなる。JAL本体の運航よりも高コストになることは明らかである。日本人乗員とのセニョリティの面からも、CAUGをさせない取り組みが必要である。

読者の皆様のご意見をお寄せ下さい。
機長組合は、この緊急要求をもとに会社との交渉に臨みます。「外国人乗員問題」について、皆様のご意見・ご感想がありましたら、 下記のリンク先よりメッセージをお願いします。

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 2007年10月1日 日本乗員組合連絡会議 日本の航空事故調査は、真の事故原因を調査して同種事故の再発を防止するという点で、まだまだ不十分な現状となっています。 私たち定期航空に働くパイロットは、国際的な基準に沿って事故調査を充実させ、公正で科学的な事故調査によって将来の航空の安全に寄与できるよう、航空・鉄道事故調査委員会航空部会を以下の提言そって改善し、必要な法律の改正を行うよう求めます。  日乗連の提言1. 国際民間航空条約に準拠し、事故調査委員会設置法に以下の趣旨を含める ・ 事故調査の唯一の目的は将来の同種事故の再発防止であること ・ 罪や責任を課する手続きとは切り離すこと ・ 調査に関して得られた全ての資料を安全向上の目的以外に使用させないこと ・ 新しく重大な証拠が見つかった場合、あるいは事故調査報告書に誤りが認められた場合は再調査を行う ・ 再調査に必要な証拠物件は永久保存とする ・ 事故調査終了前に原則として関係者による意見聴取会を公開で行う ・ 事故調査報告書には原則として安全勧告を含める ・ 国民の安全を図るため、可能な限り迅速に調査を行う。事故調査は1年以内に終了することを原則とし、3ヶ月程度で事実報告書を公表する。1年以内に調査が終了しない場合は、1年程度で現在までの調査内容および今後の見通しを含めた中間報告書を公表する   2. 事故調査機関の充実を図る ・ 国土交通省から独立させ、内閣府に所属する3条機関とする ・ 事故調査機関は調査に必要な活動を支障なく行うための権限を持つ ・ 予算の充実を図る

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「1002便に関する「航空重大インシデント調査報告書」について」     2009年5月30 日本航空機長組合 日本航空機長組合は、同種事故再発防止の観点から、本件「航空重大インシデント調査報告書」において、「原因」として認定されている事項に誤認がある可能性、及び、一部の原因が抽出されていない可能性、関連する要因が十分に検討されていない可能性について指摘し、再発防止の観点から分析・周知されるべき事項について言及する。 インシデントの原因・要因について本調査報告書は、前脚が破壊に至った原因として、「最初の接地時にバウンドし、再び主脚に機体の重量が完全にかかる前に前脚が接地して、前脚に過大な荷重がかかった」とし、また、主脚に機体の重量が完全にかかる前に前脚が接地した要因を、「操縦桿の前方への大きな操作によるもの」と推定している。 前脚が滑走路面に接地する速度は、機体全体の降下速度と、機体重心回りの前脚の角速度の合成となる。報告書6頁に示されたパラメータによれば、Nose Gear破壊直前のCCP値として、-3.16、-3.87、-1.41が記録されており、操縦桿は前方へ操作されている。この操作は上昇傾向のピッチをそれ以上増加させない為の操縦である。ピッチが最も高くなった時の値は4.9°であるが、その後ピッチが減少に転じたわずか0.5秒後にはCCP値-1.41が記録されている通り、操縦桿は後方に動かされ、機首を支える方向に操作されている。(なお、05:59:15後半のCCP値-7.03は、前脚接地後に記録されたものであり、前輪破壊の要因ではない。)報告書によれば前脚破壊は操縦桿の前方への大きな操作が原因としているが、この操舵量が前脚破壊に至る程の機体の降下、及び機首下げ方向の角速度を引き起こす量かどうかについては検証がなされていない。 本件発生には操縦者の操作以外の要因も、複合的に影響を及ぼしていると考えられる事から、影響を与えたと思われる要因について以下に述べる。・操縦桿の前方への操作について767の特性として、接地後のSpoiler Extendの影響で機首が上がる傾向がある。機首が高い状態で接地した場合、その傾向は大きくなり、操縦桿を一旦前に押す必要もでてくる。このことは当時の「PILOT FLIGHT TRAINING GUIDE(PFTG)」にも記載されている。09:59:13にAIR/GRDセンサーがGRDとなる直前からのピッチ変化をみると、3.9、4.2、4.6、4.9となり、ピッチアップしている。当該乗員はこのピッチアップ傾向を止めるために操縦桿を前方に操作している。この操作は主脚接地後の操作としては適切であり、その操舵量も過大とは言えない。次に、ピッチアップ傾向を止めるための操作により機体のピッチが下がれば主翼の迎え角は減少するから、これに伴って揚力も減少する。この操作(機首下げ)の必要性が接地後に発生すれば、操作の結果は主脚の接地点を中心とした機首下げ回りのモーメントの増加として顕われる。これを補正するには機首下げ操作量を調整することになる。これは着陸時に通常発生している動きであり、操縦士は十分対応できる訓練を積んでいる。しかし、ピッチアップ傾向を止めるための操作(機首下げ)の必要性が、機体が未だ浮揚していた段階で発生した場合、機首下げによる揚力の減少は、機体を降下させる要因に直接結びつき、前者と異なった操縦が必要となる場合もある。従って、09:59:14~15秒迄の1秒間に行われた操縦桿の操作の影響は、主脚が機体の荷重を支えていたかどうかにより異なり、機体の動きや操縦士の感覚に大きな差を生じることがある。 ・推力減少の影響付図5-2 DFDR記録2 Thrust Lever Angle-L/Rには、1秒ごとにLeft及びRightのThrust Lever Angleが交互に記録されている。進入中のThrustはL/Rとも約25degであり、Rightについては09:59:12、Leftについては09:59:13まで維持されている。その後Rightは09:59:14に約18deg、Leftは09:59:15に約12degに減じられている。左右のThrust Leverは同時に操作していることから、両方のThrustをIdleに絞ったのは09:59:13~09:59:14の間である。GE製Engineの場合、実際の推力はThrust Leverの変化から約2秒程度遅れて減少する。767型機のように、主翼下部にエンジンが設置された航空機は、飛行中に推力が減じられた場合、空力中心回りのモーメントにより機首下げ効果が発生する。このため、本件では推力減少に伴い発生した機首下げの効果も、考慮される必要がある。 ・Ground Spoilerの影響767型機の主翼上面には、左右6枚ずつ、計12枚のSpoiler(抗力版)が設置されている。Spoilerは地上においてはGround Spoilerとして用いられるが、その目的は主翼の揚力を減少させることによって主脚の荷重を増加させ、車輪ブレーキの制動力を高めることにある。Ground Spoilerとして作動する場合には、全てのSpoilerが最大角度で展開される。一方、飛行中、SpoilerがSpeed Brakeとして作動する場合には、空力性能や操縦性を確保する為、展開するSpoilerの枚数、及びその角度は制限されている。Ground Spoilerは、Speed Brake LeverがArm(着陸前はArmとするよう定められている)されており、かつ、Thrust

深田祐介氏も参戦深田祐介氏も参戦

「沈まぬ太陽」への攻撃・・・黒幕は・・・?ある機長の投書より深田祐介氏はかつて日本航空に在籍し、広報部次長を務められました。その深田氏が「週刊現代」誌上で『沈まぬ太陽』への批判を展開されていますが、それに対しある機長から次のような投書が届きました。 週刊現代 6月10日に “深田祐介が初めて書いた「山崎豊子『沈まぬ太陽』徹底批判!」” という記事が掲載されました。記事の内容は、見出しの通り「沈まぬ太陽への徹底批判」です。曰く 「企業小説は、テーマとした企業の人間が読むに耐えると評価して初めて本物である。しかし、『沈まぬ太陽』は航空産業界に在籍した人間のほとんどが現実性をきわめて欠く作品と感じるのだから、失敗作と断じざるを得ない」 のだそうです。 しかし、週刊朝日で小倉氏自身がこう語っています。「組合分裂工作、不当配転、昇格差別、いじめなどは、私および私の仲間たちが実際に体験させられた事実です。」そして、組合の歴史がそれを裏付けています。また、社内には 「事実を知っているから、『沈まぬ太陽』は読まなくてよい」 という人もいるくらいです。現実性をきわめて欠くと感じているのは、日本航空の経営に携わり、組合を分裂させる、いわゆる分裂労務政策を遂行した人と、その片棒を担いだ人と言う方が正確だと思うのですが・・・ 更に深田氏は、山崎氏の 「取材や資料の解釈において著しい偏向があり・・・」 と語っています。「著しい偏向」とは一体どういう意味なのでしょう。まさか、直木賞作家の深田氏が組合活動をする人間はアカであるというようなおかしな偏見を持っているとは思えませんが・・・また深田氏は 「特にモデルの選択において、決定的な誤りを犯した・・・」とし、「企業小説ならば、企業のなか、業界のなかで、志をもって働いている人物をモデルの対象にしなければならない」と語っています。「志」というのは司馬遼太郎さんの 「人間の志を描くのが小説である」 という言葉を引用しての発言なのですが、組合員の労働条件向上のために働いた人に「志」はないとでもおっしゃるのでしょうか。まさか、まさか、直木賞作家の深田氏が憲法で保障された組合活動を「偏向している」とお考えになっているとは思えませんが・・・山崎氏は日本航空を題材とした企業小説を書きたかったのではなく、小倉氏を主人公とした小説を書きたかったのでしょう。たまたま小倉氏が所属していた会社が日本航空だったというだけの話で、取材の過程で 「小倉氏の話しか聞かなかった」 というのも、当然といえば当然だと思えるのですが・・・ 一部の人には失敗作と評されましたが、『沈まぬ太陽』はベストセラーとなりました。これがすべてを物語っているのではないでしょうか。おもしろい、いい小説だからベストセラーになったのであって、失敗作がベストセラーになるなんて話、あまり聞いたことがないのですが・・・ 『沈まぬ太陽』の文学的評価はさておき、週刊現代の記事で驚かされるのはモデルとなった小倉氏への誹謗中傷です。小倉氏が自身をモデルにこの小説を書いたわけでもないのに、こんなこと書いて名誉毀損にならないのかと、他人事ながら心配してしまいます。それこそ 「開いた口がふさがらない」・・・曰く 「航空業界に生死を託すような志をもった人物ではない」、ある日航OBの言葉として 「俺が航空貨物の開発におもい悩んでいた頃は、組合のなかで成り上がることばかり考えていた。俺がマグロを空輸しようと血眼になっていた頃、彼はアフリカの駐在員になって、象を殺しては象牙を売って儲けていた。」 「俺が山で霊と暮らしていたころに、小倉は新会長にスリ寄って出世を狙っていた。」後味が悪くなったのは私だけでしょうか。 週刊朝日にしろ、この週刊現代にしろ、『沈まぬ太陽』を批判しているのは、日本航空の経営サイドにいた人ばかり・・・というのは、気のせいでしょうか。 「この記事、会社が書かせたんじゃないの」 なんて声もちらほら聞こえてきます。 『沈まぬ太陽』は、5巻で終わっていますが、日本航空では現在でも『沈まぬ太陽』が続いており、完結するのはいつの日になるのでしょう。機長組合では5月24日の組合大会で、安全に関する問題についてスト権を背景に、経営に問題の解決をせまる方針を決議しました。裁判で安全性の根拠がないことを指摘されながら、全く改めようとしないまま、今日もたくさんのお客様を乗せて日本航空の飛行機は飛んでいます。この決議は『沈まぬ太陽』の一日も早い完結を願う日本航空の機長の総意であると信じます。『御巣鷹山編』はもうたくさんです。 一機長より