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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

「706便事故裁判」

   
 
事故調査委員会の実態(問題点と改善方法)
~はじめからICAO条約に添った調査を出来ない?~

警察との覚書
約30年前、常設の航空事故調査委員会が発足する際、警察庁と運輸省(現在の国土交通省)が交わした覚書で、事故調は実質的に「警察の鑑定機関」の役目を果たすことが取り決められている。実際に現地調査を担当し、報告書原案を作成する調査官が「ICAO条約に添った調査を行う」という意欲と見識を持っていたとしても、このような覚書が存在しては困惑せざるを得ない。
そのうえ、刑事裁判で事故報告書が証拠採用され、その報告書に署名した委員が報告書の内容を補足する意味で、検察官申請の証人として公判で証言することを求められては、本来の任務(真の原因究明と再発防止)を果たすのに決定的な障害になる。
 
自らも調査の対象を制限し、一部項目を除外
現在の航空事故調査は、初めから「現場(乗員)のミスに焦点を絞った調査」を志向し、踏み込んでも「社内規定や訓練の不備の調査」まで、という前提で行なわれていることが現状であるように思われる。実際に現地調査や報告書案の作成を担当する調査官の責任者は、われわれの質問に対して以下のような考えを示している。
《機長組合ニュースNo.17-267より、(2003年6月12日、OCCCメンバーとの話し合い)》

OCCC:我々は、NTSBに新事実を提出したいと思っている。事故調が柔軟に対応してくれなければ、事故報告書が裁判に使われている以上、事故原因等についてコメントせざるを得ないし、NTSB(米国国家運輸安全委員会)と協議したいと考えている。
ている。
S次席航空事故調査官:
ている。
S次席航空事故調査官:
S次席航空事故調査官:デザイン上の問題は、メーカーとFAA(連邦航空省)が、SBとADで明らかにする。メーカーは世界中にサービスブリテン(SB)を出して改善策が取られるのがルールだ。それを事故調に持ち込むのは筋道が違う。  (注:下線は筆者)

S次席調査官の説明を要約すると以下の通りである。
日本は、事故機を設計も製造もしていないので、勝手に(改善策等を)判断すると外交問題になるので事故調は手を出さない。
設計上の問題は、ボーイング社とFAAが改善策をとるのがルールで、それを事故調に持ち込むのは筋違いだ。

 
事故調査委員会の実態(問題点と改善方法)
~はじめからICAO条約に添った調査を出来ない?~

警察との覚書
約30年前、常設の航空事故調査委員会が発足する際、警察庁と運輸省(現在の国土交通省)が交わした覚書で、事故調は実質的に「警察の鑑定機関」の役目を果たすことが取り決められている。実際に現地調査を担当し、報告書原案を作成する調査官が「ICAO条約に添った調査を行う」という意欲と見識を持っていたとしても、このような覚書が存在しては困惑せざるを得ない。
そのうえ、刑事裁判で事故報告書が証拠採用され、その報告書に署名した委員が報告書の内容を補足する意味で、検察官申請の証人として公判で証言することを求められては、本来の任務(真の原因究明と再発防止)を果たすのに決定的な障害になる。
 
自らも調査の対象を制限し、一部項目を除外
現在の航空事故調査は、初めから「現場(乗員)のミスに焦点を絞った調査」を志向し、踏み込んでも「社内規定や訓練の不備の調査」まで、という前提で行なわれていることが現状であるように思われる。実際に現地調査や報告書案の作成を担当する調査官の責任者は、われわれの質問に対して以下のような考えを示している。
《機長組合ニュースNo.17-267より、(2003年6月12日、OCCCメンバーとの話し合い)》

OCCC: 我々は、NTSBに新事実を提出したいと思っている。事故調が柔軟に対応してくれなければ、事故報告書が裁判に使われている以上、事故原因等についてコメントせざるを得ないし、NTSB(米国国家運輸安全委員会)と協議したいと考えている。
S次席航空事故調査官: 是非やって頂きたい。国と国とのお付き合いがあり、(自分達だけの判断で、再)調整は出来ない。一部の団体の意見だけで動けない。NTSBとFAAと協議の上、新事実と確認されなければ再調査はできない。PILOTのヒューマンファクター的な事は、日本で(調査)出来るが、航空機のデザイン、マニファクチャーに関して、製造していない国が勝手に判断すると国と国の問題になるのでやれない。CASE BY CASEである。組織、運航管理、PILOT個人の問題であれば対応できる。
S次席航空事故調査官: デザイン上の問題は、メーカーとFAA(連邦航空省)が、SBとADで明らかにする。メーカーは世界中にサービスブリテン(SB)を出して改善策が取られるのがルールだ。それを事故調に持ち込むのは筋道が違う。  (注:下線は筆者)
 
S次席調査官の説明を要約すると以下の通りである。
日本は、事故機を設計も製造もしていないので、勝手に(改善策等を)判断すると外交問題になるので事故調は手を出さない。
設計上の問題は、ボーイング社とFAAが改善策をとるのがルールで、それを事故調に持ち込むのは筋違いだ。

これらの説明の意味するところは、国内で発生した事故であっても、日本の事故調は「事故機の設計や製造上の問題に関わる調査・解析はしない」との前提で調査している、ということである。更に、再調査については事故調査委員会設置法に明確に規定されているにもかかわらず「NTSBとFAAと協議の上、(米国で)新事実と確認されなければ(日本の事故調は)再調査はできない」との見解で、自らは再調査の判断をしないことも示した。
国際民間航空条約 第13付属書
5.14 各国は、事故、またはインシデントの調査実施国からの要求に応じて、調査に利用できる全ての関連情報をその国に提供しなければならない。
上記のような条約があるにも拘らず事故調は、航空機製造国に対し必要な関連情報の提供を十分に受けず、自ら調査対象を制限している。こうした姿勢は、機材の問題にも踏み込んで真の事故原因を調査し、再発防止に役立たせることを目的としたICAO条約や、それに準拠する事故調査委員会設置法に明白に抵触しており、大きな問題である。また事故調査がこのような前提であれば、事故機に関わる設計や製造の問題提起は、事故の原因関係者ともなりうる航空機メーカー(ボーイング社)や型式証明などを認可する行政(FAA)に全面的に委ねるということになる。そのような状況では公平な調査は期待できず、事故調に求められる真の事故原因究明と再発防止という重要な役割を、最初から放棄していると言わざるを得ない。
 
事故調の事情聴取(機長の証言は事故調査に不要とでも言うのか)
《事故調による機長の事情聴取経緯》

1997年06月09日気象について、(同日、会社も事情聴取)
997年06月16日APについて(各スイッチ類の名称と操作方法等)
1998年03月17日救急体制について、(このとき機長から「揺れた状況についての聴取」を正式に要請)
1999年04月20日最終報告書に対する意見聴取(「機長の操作についての聴取を文書で要請」)

《事故調による機長の事情聴取経緯》

1997年06月09日 気象について、(同日、会社も事情聴取)
1997年06月16日 APについて(各スイッチ類の名称と操作方法等)
1998年03月17日 救急体制について、(このとき機長から「揺れた状況についての聴取」を正式に要請)
1999年04月20日 最終報告書に対する意見聴取(「機長の操作についての聴取を文書で要請」)
 
事故調は、「揺れた(衝撃)時の状況を説明したい」と機長から繰り返し要請があったにも拘らず、後に高裁の裁判長から「傾聴に値する」「軽々に否定しきれないものを含んでいる」と判断された、機長の事故状況に関わる説明を聞こうとしなかった。これは最初にJALと一体となって立てた自らのストーリーに固執し、そのストーリーと矛盾する事実を無視し、情報収集さえ拒否する姿勢であり、以下の答弁にもその姿勢が現れているといえる。
2003年6月12日、外国の乗員と共に「事故報告書を刑事裁判の証拠に提供しないように」と要請した席上で、次席調査官は以下のような答弁をした。

乗員:乗員の証言がICAO条約に反して刑事責任追及に利用され続けるなら、今後乗員の証言入手に支障をきたすことになる。
S次席調査官:もしそのような事(乗員が証言を行なわない)になれば、乗員の証言を聞かずにCVRやDFDRの調査で報告書を作ることになる。
(筆者注:乗員の証言がなくても事故調査に支障はないと言わんばかりだった

類似事例の調査に全く関心を示さない
機長組合が航空安全会議と共に、報告書を取りまとめ中の事故調に面談し、「事故機と同じ機体で発生した706事故と類似の事例2件(注1)を調査するよう」要請したが、事故調は「そのような事例は知らない。調査する予定は無い」と返答し、データの収集さえ拒否した。その結果、類似事例の調査・解析をすることなく、入手済みの資料だけで報告書を作成した。
※ 注1(事故機JA8580が9ヶ月後、98年3月7日の724便、同3月18日の708便において、操縦桿に力を加えていないにも拘らず自動操縦(AP)が外れECRMの記録が残った。これらのケースでも整備で取り卸したFCCやPCUには706事故後と同様に異常が確認されなかった。
そのときのOEZ(運航技術部)担当の回答:「当該機体には当時、CRM(Command Response Monitor)を作動させるに至るようなピッチ・コントロールに関する不具合が潜在的にあったのではないか、と推察されます。」との結論)

 
自らのストーリーに不都合な資料を隠蔽(2事例)
事例1
社内では「問題になるのは覚悟のうえ」としてMD11型機において自動操縦を解除する際に力を加えてはならないとの内容のFOIを出した直後(1997年6月23日)、JALでは「経営トップの意向」として翌日の朝までに至急の回答を依頼する緊急の問い合わせをダグラス社にしている。ダグラス社からの回答の中には、最終報告書のストーリーを否定する内容、すなわち「オーバーライドとは、操縦桿に一定以上の力を加えることにより、APが手動操作の影響を受け始めて以降の状態を言う」「手動の操縦入力が20ポンド以下の場合、自動操縦には影響せず、機体も反応しない」という趣旨の説明があった。運航本部の技術担当責任者の話によると、「この情報の宛先は事故調であり、そのコピーがJALの技術部門にも届いた」とのことである。
この情報の存在は、地裁で初めて弁護側証人から明らかにされたものであり、判決では検察官の主張――機長が速度増加を抑えるために操縦桿を意識的に引いた――を否定する重要な根拠となったものである。
 
706便事故調査の原点は「操縦桿にかかった力が記録されていた」点にあり、事故調はダグラス社からのオーバーライドに関する情報を無視して「オーバーライドとは操縦桿に力が加わることをいう」と定義を変更し、この力を「速度増加を抑えるための意図的な力」と解釈して報告書のストーリーを描いていった。しかし、気流の悪い中を飛行する際に操縦桿に一時的な力が加わることは飛行の実態を知るものなら常識といえるし、20ポンド以内の力に対して自動操縦が機体姿勢を変化させないよう対応可能というダグラスの設計思想もそこから生じていると考えられる。事故調も飛行の実態を理解しダグラスのこの情報を理解していれば「操縦桿にかかる力を、直ちに意図的な操縦操作」という短絡的な発想は生まれなかったはずである。しかし、事故調はこの情報を知りながら、「自動操縦が外れる10秒ほど前から、速度の増加を押さえようと機長が操縦桿を引いたため、結果的にオーバーライドされた」(事故報告書の3.2.2、3.3.2の項)と解析し、「このオーバーライドが継続された結果、ECRMが働き自動操縦が外れた」とする間違った結論(4原因の項参照)の報告書を公表した。
 
このように見てくれば、操縦操作に関する機長からの説明を全く聞こうとしなかったことは、事故調が初めから「操縦ミス」と決めてかかった事故のシナリオを、機長の証言によって崩されたくなかったという筋書きが垣間見えてくる。
残念ながら機長の刑事責任を追及する裁判という機会がなければ、事故調のストーリーに不都合だった重要な当該資料は隠蔽され、機長や組合の指摘が無視され続け、事故報告書の「機長のオーバーライドが原因」とのストーリー/結論の間違いは、明らかにならなかったであろう。
当該資料と機長の証言から「意識的に操縦桿を引いた」という事故調の解析は、MD11の設計思想と大きな矛盾があり明らかに否定されるのである。しかし、JALの関係部門も裁判が始まるまで当該資料の存在を明らかにせず、報告書の誤った推定に賛同してきたことは大きな問題である。

事例2
最終報告書案ができあがり、「原因関係者に意見を述べる機会を与えなければならない」との法律に基づき機長の意見を聞く際にも、当該機長に最も関係の深い部分を隠蔽しようとした。このように重要な部分が隠された報告書(案)をもとに意見を述べさせたとして、果たして法律の要請する「意見を述べる機会を与えた」と言えるのか甚だ疑問である。

機長:「最終報告書案は、送付されたもので全部ですか?」
事故調:「あなたに関係ある部分を送りました。」
機長:「操縦操作に関する記述はなくなったのですか?」
事故調:「それは『この後に機首上げと機首振動が発生した原因につき記述する』と書いてある通り、これから書き加える予定です」
機長:「私に送付しなかった部分は、今後出てきても私には関係ないということですか?」
事故調:「・・・・。」
機長:私に関係があるのでしたら送ってください。」
事故調:「委員会で相談します。」

上記のような機長からの申し入れにより、後日送られてきた数ページは「急激な機首上げは機長の操作による」とのまさに機長の操縦操作に関する推定原因が記載されたページだった。もとよりこの記述は後日の裁判により否定されるわけだが、機長の意見を求めるにあたり機長の操作に当たり障りのない記述のみを示して意見を求め、機長の職責上極めて重要な操縦操作に問題があったとする記述を、機長から追求され強く求められるまでは示さない、このような事故調の対応は、法律の定めに忠実であるべき国家公務員として許されるのだろうか?
《航空・鉄道事故調査委員会設置法 第19条》
委員会は、事故調査等を終える前に、当該事故等の原因に関係がると認められる者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 
 
機長の説明を聴取しようとしなかったもう一つの理由は?
事故の3ヶ月後(1997年9月)に公表された「建議と経過報告」は最終報告書の原案となったものであるが、これを取りまとめるなど当初の事故調査を中心的に担当した次席調査官(主管)だった S氏(元航空自衛官でF86Dに乗務した経験があるといわれる)は、当該事故の機長や副操縦士への事情聴取も直接行っていた。しかし、数回行われた S氏の事情聴取では「事故発生時に、機長がどのような考えでどのような行動を取ったか」について一切質問をしなかった。この点の説明が事故原因の解明と再発防止の上で非常に重要であると考えた機長は、機会あるごとに説明を申し出たが、事故調は最終報告書案が示されるまで約2年間、聴取を先延ばしにした。普通の事故調査の方法から考えれば、本来真っ先に聴取すべき項目であるが、このような対応はいかにも不自然である。事故調の調査担当者が事故当事者の状況説明を聞かない、或いは説明に対して「無視」「無関心」という対応をした時期にが、奇しくもJALの担当者も同じような不自然な対応を行い、しかもその両者が同時進行したのは、単なる偶然だったのだろうか?

ちなみに、事故調の次席調査官だった前記のS氏は、「建議と経過報告」をまとめた後、朝日ヘリコプター社に天下りしている。
(この天下りの件について、当時、組合に「JALの口利きだった」という情報が入り、団交で天下り斡旋の事実確認を求めたが、Y本部長は「S氏のことは知らない」と回答している。2007年5月現在も S氏は朝日ヘリコプター社に籍を置いている。)※ 注:2003年6月12日の説明に出ている、後任の次席調査管は別のS氏である。
 
公開性と真摯さは事例により大きなバラツキ
~使命感に欠ける調査は責任が追及されるべき~
常設になる前の鉄道事故調査委員会は、日比谷線脱線・衝突事故の調査では「検討概要をオープン」にし、「鉄道の更なる安全に貢献したいとの使命感に関係者全員が燃えていた」ことから、「検討会の解明努力を評価したい」「期待に十分応えてくれた。」と受け止められた。
一方、2005年4月に発生した「JR西日本尼崎脱線事故」の調査は、常設になった航空鉄道事故調査委員会が進めているが、未だ(2007年5月)最終報告書は発表されていない。07年2月、報告書案に対する意見聴取会が開催され、公述人の一人である関西大教授の A氏は、「鉄道関係者が曲線区間における脱線の可能性を認識していたにもかかわらず、国土交通省は福知山線の事故が発生するまで、鉄道事業者に曲線区間の安全対策を指示していなかった。監督者の安全管理体制にも問題がある。」と問題提起しているが、これまでに提示されている報告書案の内容等から「国土交通省の対応の問題にまで踏み込む」ことは期待できないといわれている。
常設委員会になった現在、討議がオープンにされず、事故調本来の使命感に欠けているのではないかとの疑問が各方面から出されている。
《常設になる前のある鉄道事故調査委員の報告》

死者5人、負傷者64人を出した営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線脱線・衝突事故(2000年3月8日)から8ヶ月、文字通り寝食を切り詰めての連日でした。全体で6回の事故調査検討会、22回の事故調査検討会WGが開催され、現地走行試験、計算機シミュレーションなどの結果をもとに議論が重ねられた。これらすべての検討会での検討概要は国土交通省の以下のホームページで見ることが出来る。「鉄道事故調査委員会」としての初仕事を実り多い形で終え、鉄道の更なる安全に貢献したいとの使命感に関係者全員が燃えていました。本職があるので会議は夕方から始まり帰宅が次の日と言うことも度々でした。
検討会では積極的な情報公開を行ってきた。検討会で検討していることがマスコミに比較的正確に伝わったことや、検討会関係者の事故原因解明への熱意が伝わったと思われることも加わり、最終報告書が提出された後の各紙社説では、検討会の仕事を評価していただいた物が多かった。
 28日朝日新聞では「60回以上に及ぶ走行実験やコンピューターによる解析を繰り返し、複雑な原因に迫った検討会の解明努力を評価したい」、同じく28日の毎日新聞では「今回、初めて出動した検討会は昨年6月に発足した鉄道局長の諮問機関である。背景と運輸省の対応まで踏み込み、期待に十分応えてくれた。」
 
《問題点と改善方法》
⇒「Factと討議概要」は、公表を原則に!
⇒「事故調査報告書=警察の鑑定書」の現実が、関係者に受け入れられていないことを忘れるな!
警察との覚書の見直しを!

事故調査委員会の主体的調査の保障を明記せよ
警察は人命救助と現場保存に専念すべし、
⇒ 法律の改正要求:(主旨)航空・鉄道事故調査委員会設置法 を、ICAO条約に沿って「事故調査報告書を刑事責任追及の証拠書類として使用してはならない」と改定すること。

私たちは空の安全を脅かす有事法制の廃案を求める私たちは空の安全を脅かす有事法制の廃案を求める

政府は有事法制三法案が現在国会で論議されています。1999年に成立した周辺事態法は「米軍の後方支援として、民間にも必要な軍事協力を依頼することができる」という内容を含むものであった。 私たち乗員を含む航空労働者は、民間航空の軍事利用は国際民間航空条約(ICAO条約)に反すること、また武器・弾薬や軍事物資輸送などの兵站は敵対行為と見なされ、相手から攻撃される危険性が生じるばかりでなく、我が国の民間機にテロやハイジャックの危険性が高まることから、周辺事態法に強く反対してきた。 周辺事態法成立にあたっては、航空経営者の集まりである定期航空協会も事態を憂慮し、周辺事態法に対する基本的考え方として以下の三つの原則を政府に求めた。 ?@ 協力依頼の内容が航空法に抵触しないなど、法令等に準拠したものであること ?A 事業運営の大前提である運航の安全性が確保されること ?B 協力を行うことによって関係国から敵視されることのないよう、協力依頼の内容が武力行使に当たらないこと ところが、今般論議されている有事法制は民間を強制的に、しかも罰則を伴って動員する規定を定めて、今回の政府原案では物資保管命令に違反する業者に対して、懲役刑を含む罰則規定が定められているが、法案が公共輸送機関を「事態に対処すべき指定公共機関」として定めている事を考えれば、2年後に予定されている更なる法律で、私たちに強制と罰則が準備されていることは明白である。 更に重大な事は、有事法制が、我が国への武力攻撃事態への対処だけでなく、日米新ガイドラインに基づく周辺事態発生時にも発動されることが国会の論議で明らかとなったことである。 また有事法制は航空機の航行の制限に関する措置も定めている。強制力を持つ有事法制は、航空法に定める「機長の権限」を脅かすだけでなく、航行の安全を守るべき航空法そのものを否定する結果とならざるを得ない。有事法制は民間航空を軍事利用することそのものであり、疑いなく民間航空の健全な発展に逆行する法律である。現に日本航空の副社長も4月5日の団体交渉での有事法制についての論議の中で「民間航空の安全を脅かす事態は避けるべきだ」と明言している。 私たちは労働組合の立場からも、有事法制に無関心ではいられない。法案は「日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重され、これに制限が加えられる場合においては、その制限は武力攻撃事態に対処するため必要最小限のものでありかつ、公正かつ適正な手続きの下で行われること」と規定している。すでに政府答弁で公共の福祉に反するデモや集会を禁ずることが明らかになるなど、労働組合の団結権や団体行動権、を制限するもので労働組合にとって死活問題である。 私たち機長組合は、有事法制による民間機の軍事利用が国際民間航空条約に反し、相手国から直接標的にされかねないばかりか、我が国の民間航空に対するテロやハイジャックの危険性をも高める結果となることから、民間航空の安全運航を脅かす有事法制に反対するとともに、今、廃案を求めるものである。 2002年5月16日 日本航空機長組合 臨時組合大会

日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

 2007年10月1日 日本乗員組合連絡会議 日本の航空事故調査は、真の事故原因を調査して同種事故の再発を防止するという点で、まだまだ不十分な現状となっています。 私たち定期航空に働くパイロットは、国際的な基準に沿って事故調査を充実させ、公正で科学的な事故調査によって将来の航空の安全に寄与できるよう、航空・鉄道事故調査委員会航空部会を以下の提言そって改善し、必要な法律の改正を行うよう求めます。  日乗連の提言1. 国際民間航空条約に準拠し、事故調査委員会設置法に以下の趣旨を含める ・ 事故調査の唯一の目的は将来の同種事故の再発防止であること ・ 罪や責任を課する手続きとは切り離すこと ・ 調査に関して得られた全ての資料を安全向上の目的以外に使用させないこと ・ 新しく重大な証拠が見つかった場合、あるいは事故調査報告書に誤りが認められた場合は再調査を行う ・ 再調査に必要な証拠物件は永久保存とする ・ 事故調査終了前に原則として関係者による意見聴取会を公開で行う ・ 事故調査報告書には原則として安全勧告を含める ・ 国民の安全を図るため、可能な限り迅速に調査を行う。事故調査は1年以内に終了することを原則とし、3ヶ月程度で事実報告書を公表する。1年以内に調査が終了しない場合は、1年程度で現在までの調査内容および今後の見通しを含めた中間報告書を公表する   2. 事故調査機関の充実を図る ・ 国土交通省から独立させ、内閣府に所属する3条機関とする ・ 事故調査機関は調査に必要な活動を支障なく行うための権限を持つ ・ 予算の充実を図る

706便事故調査報告書「検察官意見書」706便事故調査報告書「検察官意見書」

7月16日 706便事故 第14回公判 事故調査報告書の証拠採用に関する 「検察官意見書」が公判で示される! 第2回公判(1月10日)で弁護側が示した「国際民間航空条約第13付属書5.12条の解釈と証拠採用することの問題点」に関する意見に対して、検察側は反論するとして半年以上も時間を掛けて検討した「検察官意見書」を7月16日の第14回公判で読み上げました。 弁護人は「再反論を準備する」旨発言。条約に対する後進性を示す見解であり、組合は国際的な抗議行動を呼びかけます。 《弁護側意見の要点》 ・ 事故報告書を証拠請求すること自体が国際民間航空条約違反であり(相違通告もしていない)、違法である。刑事訴訟法以前の問題として証拠から排除されるべき。 ・ 事故調の事故原因究明・分析と刑事裁判における事実認定とは異質であり、事故調の原因分析を刑事訴追に利用してはならない。 《検察官意見書の要点》 ・ 国際民間航空条約第13付属書5.12条が刑事訴訟法の上位規程に当たるとするのは、独自の見解であり失当である。付属書は締約国を拘束するものではない(外務省経済局国際経済第二課長回答)。 ・ 開示された報告書とその付録は、国の適切な司法当局の決定がなくても事故調査以外の目的に利用することを妨げない(外務省経済局国際経済第二課長回答及び同回答に添付されたICAO法律局長書簡)。 ・ 事故調報告書は、学識経験者の委員がまとめたものであり、専門的知識を有する者が作成した鑑定書と同じように解される。 ・ 報告書の証拠能力が肯定された事例が2件ある。(雫石事故と宮崎事故) 以下は、706裁判の第14回公判において、検察官が読み上げた「意見書」を機長組合が要約録取したものです。 (2003年7月16日) 「航空事故調査報告書」に関する証拠意見書 航空事故調査報告書に関する証拠意見を補足する。 1.平成1 5年1月1 0日付け弁護人作成の「事故調査報告書に係わる証拠意見書」に対する反論 (1) 検察官が航空事故調査報告書を証拠請求し、裁判所が証拠採用することは、国際民間航空条約第1