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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

「706便事故裁判」

   
 
事故調査委員会の実態(問題点と改善方法)
~はじめからICAO条約に添った調査を出来ない?~

警察との覚書
約30年前、常設の航空事故調査委員会が発足する際、警察庁と運輸省(現在の国土交通省)が交わした覚書で、事故調は実質的に「警察の鑑定機関」の役目を果たすことが取り決められている。実際に現地調査を担当し、報告書原案を作成する調査官が「ICAO条約に添った調査を行う」という意欲と見識を持っていたとしても、このような覚書が存在しては困惑せざるを得ない。
そのうえ、刑事裁判で事故報告書が証拠採用され、その報告書に署名した委員が報告書の内容を補足する意味で、検察官申請の証人として公判で証言することを求められては、本来の任務(真の原因究明と再発防止)を果たすのに決定的な障害になる。
 
自らも調査の対象を制限し、一部項目を除外
現在の航空事故調査は、初めから「現場(乗員)のミスに焦点を絞った調査」を志向し、踏み込んでも「社内規定や訓練の不備の調査」まで、という前提で行なわれていることが現状であるように思われる。実際に現地調査や報告書案の作成を担当する調査官の責任者は、われわれの質問に対して以下のような考えを示している。
《機長組合ニュースNo.17-267より、(2003年6月12日、OCCCメンバーとの話し合い)》

OCCC:我々は、NTSBに新事実を提出したいと思っている。事故調が柔軟に対応してくれなければ、事故報告書が裁判に使われている以上、事故原因等についてコメントせざるを得ないし、NTSB(米国国家運輸安全委員会)と協議したいと考えている。
ている。
S次席航空事故調査官:
ている。
S次席航空事故調査官:
S次席航空事故調査官:デザイン上の問題は、メーカーとFAA(連邦航空省)が、SBとADで明らかにする。メーカーは世界中にサービスブリテン(SB)を出して改善策が取られるのがルールだ。それを事故調に持ち込むのは筋道が違う。  (注:下線は筆者)

S次席調査官の説明を要約すると以下の通りである。
日本は、事故機を設計も製造もしていないので、勝手に(改善策等を)判断すると外交問題になるので事故調は手を出さない。
設計上の問題は、ボーイング社とFAAが改善策をとるのがルールで、それを事故調に持ち込むのは筋違いだ。

 
事故調査委員会の実態(問題点と改善方法)
~はじめからICAO条約に添った調査を出来ない?~

警察との覚書
約30年前、常設の航空事故調査委員会が発足する際、警察庁と運輸省(現在の国土交通省)が交わした覚書で、事故調は実質的に「警察の鑑定機関」の役目を果たすことが取り決められている。実際に現地調査を担当し、報告書原案を作成する調査官が「ICAO条約に添った調査を行う」という意欲と見識を持っていたとしても、このような覚書が存在しては困惑せざるを得ない。
そのうえ、刑事裁判で事故報告書が証拠採用され、その報告書に署名した委員が報告書の内容を補足する意味で、検察官申請の証人として公判で証言することを求められては、本来の任務(真の原因究明と再発防止)を果たすのに決定的な障害になる。
 
自らも調査の対象を制限し、一部項目を除外
現在の航空事故調査は、初めから「現場(乗員)のミスに焦点を絞った調査」を志向し、踏み込んでも「社内規定や訓練の不備の調査」まで、という前提で行なわれていることが現状であるように思われる。実際に現地調査や報告書案の作成を担当する調査官の責任者は、われわれの質問に対して以下のような考えを示している。
《機長組合ニュースNo.17-267より、(2003年6月12日、OCCCメンバーとの話し合い)》

OCCC: 我々は、NTSBに新事実を提出したいと思っている。事故調が柔軟に対応してくれなければ、事故報告書が裁判に使われている以上、事故原因等についてコメントせざるを得ないし、NTSB(米国国家運輸安全委員会)と協議したいと考えている。
S次席航空事故調査官: 是非やって頂きたい。国と国とのお付き合いがあり、(自分達だけの判断で、再)調整は出来ない。一部の団体の意見だけで動けない。NTSBとFAAと協議の上、新事実と確認されなければ再調査はできない。PILOTのヒューマンファクター的な事は、日本で(調査)出来るが、航空機のデザイン、マニファクチャーに関して、製造していない国が勝手に判断すると国と国の問題になるのでやれない。CASE BY CASEである。組織、運航管理、PILOT個人の問題であれば対応できる。
S次席航空事故調査官: デザイン上の問題は、メーカーとFAA(連邦航空省)が、SBとADで明らかにする。メーカーは世界中にサービスブリテン(SB)を出して改善策が取られるのがルールだ。それを事故調に持ち込むのは筋道が違う。  (注:下線は筆者)
 
S次席調査官の説明を要約すると以下の通りである。
日本は、事故機を設計も製造もしていないので、勝手に(改善策等を)判断すると外交問題になるので事故調は手を出さない。
設計上の問題は、ボーイング社とFAAが改善策をとるのがルールで、それを事故調に持ち込むのは筋違いだ。

これらの説明の意味するところは、国内で発生した事故であっても、日本の事故調は「事故機の設計や製造上の問題に関わる調査・解析はしない」との前提で調査している、ということである。更に、再調査については事故調査委員会設置法に明確に規定されているにもかかわらず「NTSBとFAAと協議の上、(米国で)新事実と確認されなければ(日本の事故調は)再調査はできない」との見解で、自らは再調査の判断をしないことも示した。
国際民間航空条約 第13付属書
5.14 各国は、事故、またはインシデントの調査実施国からの要求に応じて、調査に利用できる全ての関連情報をその国に提供しなければならない。
上記のような条約があるにも拘らず事故調は、航空機製造国に対し必要な関連情報の提供を十分に受けず、自ら調査対象を制限している。こうした姿勢は、機材の問題にも踏み込んで真の事故原因を調査し、再発防止に役立たせることを目的としたICAO条約や、それに準拠する事故調査委員会設置法に明白に抵触しており、大きな問題である。また事故調査がこのような前提であれば、事故機に関わる設計や製造の問題提起は、事故の原因関係者ともなりうる航空機メーカー(ボーイング社)や型式証明などを認可する行政(FAA)に全面的に委ねるということになる。そのような状況では公平な調査は期待できず、事故調に求められる真の事故原因究明と再発防止という重要な役割を、最初から放棄していると言わざるを得ない。
 
事故調の事情聴取(機長の証言は事故調査に不要とでも言うのか)
《事故調による機長の事情聴取経緯》

1997年06月09日気象について、(同日、会社も事情聴取)
997年06月16日APについて(各スイッチ類の名称と操作方法等)
1998年03月17日救急体制について、(このとき機長から「揺れた状況についての聴取」を正式に要請)
1999年04月20日最終報告書に対する意見聴取(「機長の操作についての聴取を文書で要請」)

《事故調による機長の事情聴取経緯》

1997年06月09日 気象について、(同日、会社も事情聴取)
1997年06月16日 APについて(各スイッチ類の名称と操作方法等)
1998年03月17日 救急体制について、(このとき機長から「揺れた状況についての聴取」を正式に要請)
1999年04月20日 最終報告書に対する意見聴取(「機長の操作についての聴取を文書で要請」)
 
事故調は、「揺れた(衝撃)時の状況を説明したい」と機長から繰り返し要請があったにも拘らず、後に高裁の裁判長から「傾聴に値する」「軽々に否定しきれないものを含んでいる」と判断された、機長の事故状況に関わる説明を聞こうとしなかった。これは最初にJALと一体となって立てた自らのストーリーに固執し、そのストーリーと矛盾する事実を無視し、情報収集さえ拒否する姿勢であり、以下の答弁にもその姿勢が現れているといえる。
2003年6月12日、外国の乗員と共に「事故報告書を刑事裁判の証拠に提供しないように」と要請した席上で、次席調査官は以下のような答弁をした。

乗員:乗員の証言がICAO条約に反して刑事責任追及に利用され続けるなら、今後乗員の証言入手に支障をきたすことになる。
S次席調査官:もしそのような事(乗員が証言を行なわない)になれば、乗員の証言を聞かずにCVRやDFDRの調査で報告書を作ることになる。
(筆者注:乗員の証言がなくても事故調査に支障はないと言わんばかりだった

類似事例の調査に全く関心を示さない
機長組合が航空安全会議と共に、報告書を取りまとめ中の事故調に面談し、「事故機と同じ機体で発生した706事故と類似の事例2件(注1)を調査するよう」要請したが、事故調は「そのような事例は知らない。調査する予定は無い」と返答し、データの収集さえ拒否した。その結果、類似事例の調査・解析をすることなく、入手済みの資料だけで報告書を作成した。
※ 注1(事故機JA8580が9ヶ月後、98年3月7日の724便、同3月18日の708便において、操縦桿に力を加えていないにも拘らず自動操縦(AP)が外れECRMの記録が残った。これらのケースでも整備で取り卸したFCCやPCUには706事故後と同様に異常が確認されなかった。
そのときのOEZ(運航技術部)担当の回答:「当該機体には当時、CRM(Command Response Monitor)を作動させるに至るようなピッチ・コントロールに関する不具合が潜在的にあったのではないか、と推察されます。」との結論)

 
自らのストーリーに不都合な資料を隠蔽(2事例)
事例1
社内では「問題になるのは覚悟のうえ」としてMD11型機において自動操縦を解除する際に力を加えてはならないとの内容のFOIを出した直後(1997年6月23日)、JALでは「経営トップの意向」として翌日の朝までに至急の回答を依頼する緊急の問い合わせをダグラス社にしている。ダグラス社からの回答の中には、最終報告書のストーリーを否定する内容、すなわち「オーバーライドとは、操縦桿に一定以上の力を加えることにより、APが手動操作の影響を受け始めて以降の状態を言う」「手動の操縦入力が20ポンド以下の場合、自動操縦には影響せず、機体も反応しない」という趣旨の説明があった。運航本部の技術担当責任者の話によると、「この情報の宛先は事故調であり、そのコピーがJALの技術部門にも届いた」とのことである。
この情報の存在は、地裁で初めて弁護側証人から明らかにされたものであり、判決では検察官の主張――機長が速度増加を抑えるために操縦桿を意識的に引いた――を否定する重要な根拠となったものである。
 
706便事故調査の原点は「操縦桿にかかった力が記録されていた」点にあり、事故調はダグラス社からのオーバーライドに関する情報を無視して「オーバーライドとは操縦桿に力が加わることをいう」と定義を変更し、この力を「速度増加を抑えるための意図的な力」と解釈して報告書のストーリーを描いていった。しかし、気流の悪い中を飛行する際に操縦桿に一時的な力が加わることは飛行の実態を知るものなら常識といえるし、20ポンド以内の力に対して自動操縦が機体姿勢を変化させないよう対応可能というダグラスの設計思想もそこから生じていると考えられる。事故調も飛行の実態を理解しダグラスのこの情報を理解していれば「操縦桿にかかる力を、直ちに意図的な操縦操作」という短絡的な発想は生まれなかったはずである。しかし、事故調はこの情報を知りながら、「自動操縦が外れる10秒ほど前から、速度の増加を押さえようと機長が操縦桿を引いたため、結果的にオーバーライドされた」(事故報告書の3.2.2、3.3.2の項)と解析し、「このオーバーライドが継続された結果、ECRMが働き自動操縦が外れた」とする間違った結論(4原因の項参照)の報告書を公表した。
 
このように見てくれば、操縦操作に関する機長からの説明を全く聞こうとしなかったことは、事故調が初めから「操縦ミス」と決めてかかった事故のシナリオを、機長の証言によって崩されたくなかったという筋書きが垣間見えてくる。
残念ながら機長の刑事責任を追及する裁判という機会がなければ、事故調のストーリーに不都合だった重要な当該資料は隠蔽され、機長や組合の指摘が無視され続け、事故報告書の「機長のオーバーライドが原因」とのストーリー/結論の間違いは、明らかにならなかったであろう。
当該資料と機長の証言から「意識的に操縦桿を引いた」という事故調の解析は、MD11の設計思想と大きな矛盾があり明らかに否定されるのである。しかし、JALの関係部門も裁判が始まるまで当該資料の存在を明らかにせず、報告書の誤った推定に賛同してきたことは大きな問題である。

事例2
最終報告書案ができあがり、「原因関係者に意見を述べる機会を与えなければならない」との法律に基づき機長の意見を聞く際にも、当該機長に最も関係の深い部分を隠蔽しようとした。このように重要な部分が隠された報告書(案)をもとに意見を述べさせたとして、果たして法律の要請する「意見を述べる機会を与えた」と言えるのか甚だ疑問である。

機長:「最終報告書案は、送付されたもので全部ですか?」
事故調:「あなたに関係ある部分を送りました。」
機長:「操縦操作に関する記述はなくなったのですか?」
事故調:「それは『この後に機首上げと機首振動が発生した原因につき記述する』と書いてある通り、これから書き加える予定です」
機長:「私に送付しなかった部分は、今後出てきても私には関係ないということですか?」
事故調:「・・・・。」
機長:私に関係があるのでしたら送ってください。」
事故調:「委員会で相談します。」

上記のような機長からの申し入れにより、後日送られてきた数ページは「急激な機首上げは機長の操作による」とのまさに機長の操縦操作に関する推定原因が記載されたページだった。もとよりこの記述は後日の裁判により否定されるわけだが、機長の意見を求めるにあたり機長の操作に当たり障りのない記述のみを示して意見を求め、機長の職責上極めて重要な操縦操作に問題があったとする記述を、機長から追求され強く求められるまでは示さない、このような事故調の対応は、法律の定めに忠実であるべき国家公務員として許されるのだろうか?
《航空・鉄道事故調査委員会設置法 第19条》
委員会は、事故調査等を終える前に、当該事故等の原因に関係がると認められる者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 
 
機長の説明を聴取しようとしなかったもう一つの理由は?
事故の3ヶ月後(1997年9月)に公表された「建議と経過報告」は最終報告書の原案となったものであるが、これを取りまとめるなど当初の事故調査を中心的に担当した次席調査官(主管)だった S氏(元航空自衛官でF86Dに乗務した経験があるといわれる)は、当該事故の機長や副操縦士への事情聴取も直接行っていた。しかし、数回行われた S氏の事情聴取では「事故発生時に、機長がどのような考えでどのような行動を取ったか」について一切質問をしなかった。この点の説明が事故原因の解明と再発防止の上で非常に重要であると考えた機長は、機会あるごとに説明を申し出たが、事故調は最終報告書案が示されるまで約2年間、聴取を先延ばしにした。普通の事故調査の方法から考えれば、本来真っ先に聴取すべき項目であるが、このような対応はいかにも不自然である。事故調の調査担当者が事故当事者の状況説明を聞かない、或いは説明に対して「無視」「無関心」という対応をした時期にが、奇しくもJALの担当者も同じような不自然な対応を行い、しかもその両者が同時進行したのは、単なる偶然だったのだろうか?

ちなみに、事故調の次席調査官だった前記のS氏は、「建議と経過報告」をまとめた後、朝日ヘリコプター社に天下りしている。
(この天下りの件について、当時、組合に「JALの口利きだった」という情報が入り、団交で天下り斡旋の事実確認を求めたが、Y本部長は「S氏のことは知らない」と回答している。2007年5月現在も S氏は朝日ヘリコプター社に籍を置いている。)※ 注:2003年6月12日の説明に出ている、後任の次席調査管は別のS氏である。
 
公開性と真摯さは事例により大きなバラツキ
~使命感に欠ける調査は責任が追及されるべき~
常設になる前の鉄道事故調査委員会は、日比谷線脱線・衝突事故の調査では「検討概要をオープン」にし、「鉄道の更なる安全に貢献したいとの使命感に関係者全員が燃えていた」ことから、「検討会の解明努力を評価したい」「期待に十分応えてくれた。」と受け止められた。
一方、2005年4月に発生した「JR西日本尼崎脱線事故」の調査は、常設になった航空鉄道事故調査委員会が進めているが、未だ(2007年5月)最終報告書は発表されていない。07年2月、報告書案に対する意見聴取会が開催され、公述人の一人である関西大教授の A氏は、「鉄道関係者が曲線区間における脱線の可能性を認識していたにもかかわらず、国土交通省は福知山線の事故が発生するまで、鉄道事業者に曲線区間の安全対策を指示していなかった。監督者の安全管理体制にも問題がある。」と問題提起しているが、これまでに提示されている報告書案の内容等から「国土交通省の対応の問題にまで踏み込む」ことは期待できないといわれている。
常設委員会になった現在、討議がオープンにされず、事故調本来の使命感に欠けているのではないかとの疑問が各方面から出されている。
《常設になる前のある鉄道事故調査委員の報告》

死者5人、負傷者64人を出した営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線脱線・衝突事故(2000年3月8日)から8ヶ月、文字通り寝食を切り詰めての連日でした。全体で6回の事故調査検討会、22回の事故調査検討会WGが開催され、現地走行試験、計算機シミュレーションなどの結果をもとに議論が重ねられた。これらすべての検討会での検討概要は国土交通省の以下のホームページで見ることが出来る。「鉄道事故調査委員会」としての初仕事を実り多い形で終え、鉄道の更なる安全に貢献したいとの使命感に関係者全員が燃えていました。本職があるので会議は夕方から始まり帰宅が次の日と言うことも度々でした。
検討会では積極的な情報公開を行ってきた。検討会で検討していることがマスコミに比較的正確に伝わったことや、検討会関係者の事故原因解明への熱意が伝わったと思われることも加わり、最終報告書が提出された後の各紙社説では、検討会の仕事を評価していただいた物が多かった。
 28日朝日新聞では「60回以上に及ぶ走行実験やコンピューターによる解析を繰り返し、複雑な原因に迫った検討会の解明努力を評価したい」、同じく28日の毎日新聞では「今回、初めて出動した検討会は昨年6月に発足した鉄道局長の諮問機関である。背景と運輸省の対応まで踏み込み、期待に十分応えてくれた。」
 
《問題点と改善方法》
⇒「Factと討議概要」は、公表を原則に!
⇒「事故調査報告書=警察の鑑定書」の現実が、関係者に受け入れられていないことを忘れるな!
警察との覚書の見直しを!

事故調査委員会の主体的調査の保障を明記せよ
警察は人命救助と現場保存に専念すべし、
⇒ 法律の改正要求:(主旨)航空・鉄道事故調査委員会設置法 を、ICAO条約に沿って「事故調査報告書を刑事責任追及の証拠書類として使用してはならない」と改定すること。

機付き整備士廃止機付き整備士廃止

機長組合NEWS 18ー085 ~15年にわたる機付整備士廃止へ!2003.11.12 15年にわたる機付整備士廃止へ! フリートエンジニア・フィールドエンジニア体制で整備の信頼性回復につながるのか? 「機材品質モニター強化について」整備本部の説明会  2003.10.14 2003年11月1日から整備士制度を改定することについて、整備本部の説明が行われた。機付整備士制度は、1985年8月12日の123便事故後、当時の最高経営会議が日本航空の機材の安全性を高めるための方針として発足した制度である。しかし、その後経営は「絶対安全」の言葉を使わなくなり、それに合わせて次第にこの機付整備士制度の内容も変わってきた。1993年、1998年に見直しが行われ、機付整備士制度は実質骨抜きの状況になってしまった。 【SEの席を成田運航指揮室に持ってくることが「現場中心」】組合:ON-1092について「国内線機材対応におけるMOC=羽田整備事業部間の連携については、必要なシステム対応をとる」とあるが、“いつ”“何を”“どう”変更するのか? 整備企画室:現在テレビ会議SYSがあり、羽田西ターミナル指揮室で可能である。新しいものはJALビルMOCと現場を結ぶ会議電話を設置する。11月1日には間に合う。 組合:「IT技術の進展を踏まえ・・・」とあるが、具体的には何を指すのか?整備企画室:地上のインフラとしては色々あるが、機側では’87年からACARSのオートダウンリンクである。 組合:「より現場中心の組織的な品質モニタリング・・・」とあるが、現状に比べてどこが“より現場中心”なのか整備企画室:具体的にはSE(サービスエンジニア)として技術部所属の人材を成田整備工場事業部の指揮下に置いた。成田の運航指揮室へ机を持ってきて、フリートエンジニアと同じ部屋に机を置くことでコミュニケーションがとりやすくなった。これまで土日の対応がWeakであったことへの反省もある。 【今年度は、収支減便により機体工場で捻出できた人員で・・、 来年以降の人の手当ては?】組合:「SEの人員も週末対応が可能になるように増員した上で・・・」とあるが、増員する人員はどこから来るのか?またそのおかげで人員削減となる部署は無いのか?整備企画室:現在機付整備士は整備長・整備副長合わせると、羽田で60名、成田に157名いる。今度の変更でフィールドエンジニアの数は、羽田、成田共現在の機付の数と変わらない。更にフリートエンジニアとして30名を増員し、土日対応のサービスエンジニアとして羽田・成田にそれぞれ4名、計8名を増員する。増員の内訳としては機体工場からと技術部からの直間(直接部門から間接部門)移動で補う。厳密に言うとMOCから3名がフリーとエンジニアへと移動するので、MOCが17名から14名へ減員となるが、35名の純増である。組合:機体工場から移動させる、と言う事は機体工場の人員が減ることにつながらないか。整備企画室:確かにその通りであるが、今年度についていえば、SARSや戦争の影響による事業規模縮小のため重整備(M整備やC整備)の数が減っている。負荷の調整を行った結果、人員を捻出することができた。組合:今年度はそれで人員が確保できるかもしれないが、来年度以降については兼子CEOも発言している通り、需要が回復してくれば当然重整備も必要になってくるであろう。その場合の人員の確保はどうなるのか?整備企画室:機体工場では02年度03年度がM整備のピークを迎えるので負荷が大きかったが、先ほど述べたとおり、結果として事業規模縮小に伴いM整備のピークが分散することとなった。来年度以降についてはご指摘の通り負荷増の要素もあるが、M整備のピークを過ぎたなど負荷減の要素もある。今回の改訂については今後も人員をしっかりと確保して行っていく予定であり、来年度以降も人員が確保できるように機体工場など重整備の負荷計画を考えていく。組合:重整備の負荷が増える場合は、更なる外注が増えることにつながる。 【B-737を除く全機を30人のフリートエンジニアでモニター!】組合:「専任化による強化」とあるが、どこが専任化といえるのか?整備企画室:これまでの機付整備士は自分の担当の機番を見ると同時に、発着作業も行っていた。それを今回の改訂でフィールドエンジニアは発着作業を、フリートエンジニアは機種のモニターを行うと言うことで分けた。それぞれを専門に行ってもらう、と言うことである。組合:フリートエンジニアは、30名でJALの飛行機を全部モニターする、と言うことか?整備企画室:737を除いて全てを見る。組合:「システム化された」「情報伝達・報告」とあるが、どのようにシステム化されたのか整備企画室:運航部門のディスパッチ形式を目指している。フィールドエンジニアは、担当の便が決まったらフリートエンジニアのところへ出頭する。そこでその機番の情報を得て発着作業へと向かっていく。また支店との関係では、これまでMOCが行っていたもののうち国内線機材にかかる情報の窓口として羽田に連絡先を増やした。組合:フィールドエンジニアは具体的にはJALNAM・JALTAMの人も加わるのか?整備企画室:フィールドエンジニア、フリートエンジニアにはJALTAM、JALNAMの人は含まれない。また、JASとの統合でJASと一緒になるのか、と言う事については、羽田での777はJALが見るので、JASと一緒になる仕事は無い。 【限られた人・部品を有効に使っていこうとする苦肉の策? これで現場の整備士のモラールが向上する施策といえるのか!!】組合:そもそも機付整備士制度を廃止する目的は?整備企画室:機付整備士制度を導入してこの15年機能してきた。機番毎のモニターは効果があった。今回の改訂はそれを更に強化するための施策である。機付整備士制度を個人から組織で行う体制に変える、と言う事である。個人のばらつきを組織で行うことでプライオリティー付けができる。個人では考えられなかった事、例えば支店に人を送る事や、どの機番を優先して整備していくか、と言うことについて組織として決めていける、と言うメリットがある。限られた人・部品を有効に使っていこう、と言う考えである。組合:説明を聞いても現在よりもよくなるとは思えない。整備企画室:例えば名古屋を例にとると、名古屋回しの機材はなかなか成田に帰ってこない。そこで成田の整備士に名古屋空港の運転免許やランプパスをとらせて、名古屋空港に応援に派遣することも考えている。支店サポートチームとして現在準備中である。組合:機付整備士制度は、現在形骸化しているとはいえ、当初は「個人が個々の飛行機を担当するからこそ愛情を持って整備できる」として始めたのではないのか?それをなくしてしまう、と言うことはその部分の担保はどうするのか?責任の所在がはっきりしなくなる。整備企画室:法的責任はあくまでもログブックにサインをするフィールドエンジニアが負う。フリートエンジニアが頭となってフィールドエンジニアを使う、ということの無いよう注意していく。 組合:これまで具体的な説明を聞いてきたが、何処がどのように良くなるのかが分からない。整備に対する信頼が今揺らいでいる。今回の改定で現場の整備士のモラールが向上する施策が見えない。例えばフィールドエンジニアはこれまでの機付整備士制度の時と同じ専門管理職なので進路選択後も残れる、と言う事であるが、仕事の内容、処遇がどのように良くなるかが見えないと整備のモラールにどう影響するかが不明である。整備の信頼回復には程遠い内容であり、根本的な解決策とは思えない。今後論議していく。

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警察・検察の対応~起訴事故発生直後の「タービュランスによる負傷事故」という報道から2週間も経ないうちに「機長の操縦ミスが原因」と一斉に報道が変更されるなか機長組合は本件事故が刑事事件に発展する可能性を踏まえ警察や検察に対し起訴をさせない取り組みを開始した。事故発生当時の機長組合の見解1997年6月11日と25日、機長組合の本件事故に対しまず再発防止の観点から真の事故原因を明らかにすること。そのためには気象状況の分析調査、機材特有の問題について過去の類似事例も含め技術的検証を進めることを表明し、かつベルトサイン点灯中の客室乗務員の負傷についてその防止策を客室本部とも話し合っていくことが必要とした。また乗員の操作に問題があったかのような社内情報やマスコミ報道に対しこれを遺憾とし当該乗員はベストを尽くしたものと確信しているという見解を示した。 この機長組合の基本的見解はその後も一環して変わらず高裁判決でその見解の正しさを証明した。 起訴までの経緯 1997年11月25日 安全会議と連名で県警に要請1998年2月6日 IFALPA会長が警察庁へ意見書2000年5月2日 愛知県警に要請書を送付扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請2001年2月28日付けで機長組合は扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請を行った。ここでは当該報告書は「安全上の多くの多くの問題が分析されておらず、また、当該機長がどのように認識し操作したかの聞き取り・確認もせず、事故の防止処置が明らかにされていない」点を具体的な例を挙げて述べ報告書は到底科学的・専門技術的な調査とはいえないと厳しく糾弾し再調査を求めた。しかしながら何ら回答も対応も無く要請は無視された。 名古屋地検による事情聴取が始まる2001年3月には19名の社内関係者に対する検察の事情聴取が行われたが、その内容は極めて強引かつ誘導的なものであったことが後の法廷の場で次々に明らかにされていった。2001年3月9日  愛知県警書類送検愛知県警の特別捜査本部は当該機長を起訴相当との意見書を付け名古屋地方検察庁に書類送検した。またこれにより当該機長以外で社内の管理責任等を指摘されていた人たちは送検されていないことも明らかになった。2001年3月20日 名古屋地検N検事と面談不起訴要請2001年4月2日 E検事と面談検事が変わったので挨拶 MD-11機長の上申書及び日乗連加盟全組合の上申書を名古屋地検に提出機長組合は当該機長の不起訴を実現するためにMD-11機の職制機長も含む全機長108名(NAPA赴任中の機長2名及び706便当該機長を除く)の方に上申書の提出をお願いし1名を除く107名の機長と日乗連加盟の全組合(11乗員組合)が揃って上申書を名古屋地方検察庁へ提出 した。706便事故現場付近気象データ この上申書の趣旨は事故調査報告書の内容には基本的な部分で疑問があること。国際民間航空条約及び航空法は事故調査の唯一の目的を将来の事故又はインシデントの防止と位置づけ、調査結果をパイロットに罪や責任を課す目的に利用することを制限していること。706便事故は特異な気象条件とMD11型機特有の「不安定な機体特性と自動操縦装置の問題」によるものと考えられ当該機長の対応に問題はなかった。という3点である。 002年4月11日 安全会議、航空連、日乗連、機長組合で名古屋地検に不起訴処分を求める要請書を提出機長組合は産別団体と連名で名古屋地方検察庁に要請書を手渡した。ここでは不起訴処分とすべき理由として事故調査報告書が当該機長に罪や責任を課すために利用されるなら国際民間航空条約に違反し今後の事故調査に重大な影響を及ぼしかねないこと706便事故調査報告書には基本的な部分に決定的な誤りがあること本件刑事訴追については「航空事故調査と刑事捜査の事実認定の違い」と「証拠能力とその入手方法の正当性」について強い疑念があること本事故について異常な気象条件やMD11の機体特性について調査がなされていないこと及び当該機長は着席指示など安全管理義務を尽くしておりその対応は適切であったことをあらためて指摘している。 2002年5月14日 名古屋地検が起訴名古屋地検E検事による当該機長の事情聴取が13日から行われていたが14日になって突然起訴が言い渡された。所轄裁判所については名古屋地裁津支部と名古屋地裁の2箇所が示されたが弁護団も含めた協議のうえ名古屋地裁を選択した。

日航ニアミス事故裁判 管制官無罪判決に対する機長組合声明日航ニアミス事故裁判 管制官無罪判決に対する機長組合声明

<判決に対する見解> 01年1月31日に起きた日本航空907便・958便のニアミス事故で当該管制業務を行っていた2名の管制官が業務上過失致傷罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は2006年3月20日、2名の管制官に対し無罪判決を言い渡した。判決理由については今後詳しく分析するが、日本航空機長組合は、無罪は当然であり、「本件異常接近が生じて乗客らが負傷したことに対する刑事責任を管制官や機長という個人に追及することは、相当でないように思われる」とした裁判官の判断を高く評価する。 また、判決は958便・907便双方の機長の判断についても、事故の法的な責任はない、と断定しており、当該907便の負傷者救出作業中に機長らの制止を無視して操縦室に入り込んだ当時の警視庁や、昨今の「乗客の負傷が発生すれば、誰かの責任を追及する」との、検察・法務当局の頑ななやり方にも大きな警鐘を鳴らしたものと言える。 当該事故は、航空機の運航にかかわる巨大なシステムの中で起きた、いわゆる『システム性の事故』であり、「個人責任の追求は誤り」との、航空労働者の総意が正しかったことが、社会的に認められた判決であったと言える。この数年の間に、社会の安全を揺るがす事故が頻繁に起こるなかで、事故の原因追求と再発防止、責任追求について社会の捉え方は大きく変化している。今回の裁判所の判断は、正にこうした動きに警察・検察の動きが取り残されている実態を明らかにした、と言うことが出来る。 <現在の識者の認識> 『日本学術会議 人間と工学研究連絡委員会-安全工学委員会報告<事故調査体制の在り方に関する提言>(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/data_19_2.html)』によれば 「事故原因の究明のためには、技術的な面以外に、人間や組織の関与、つまりヒューマンファクターの解明を行うことが不可欠である。したがって、事故の真の原因を探り、再発防止の教訓を引き出すためには、事故当事者の証言をいかに的確に得るかが重要な課題となる。しかしながら、証言者自らが法的責任を追求される恐れがあるときには、有効な証言は得にくいという問題が生じている。そこで、事故調査においては、個人の責任追求を目的としないという立場を明確に確立することが重要であり、この立場をもとに調査を行えば、真相究明が容易となり、類似事故の再発防止、安全向上にとって貴重な事実が明らかになることが期待される。」 とまとめ、 事故責任(刑事責任)を問う範囲 について ?@ 事故発生時における関与者の過失については、人間工学的な背景分析も含めて当該事案の分析を十分に行い、被害結果の重大性のみで、短絡的に過失責任が問われることがないような配慮を求める。 ?A システム性事故、組織が関与した事故の要因分析も十分実施し、直近行為、直近事象だけではなく、複合原因、管理要因などの背後の要因を明らかにし、事故防止に役立てる。 と提言している <検察当局は控訴を断念せよ> 判決において、「管制指示が直接事故につながったとは言えない」「刑事責任を管制官や機長という個人に追及する事は相当でない」と、事故が複合的な要因によって起きたことを認知し、かつ、複雑なシステムに関わった個々人の責任は追及できない、とした点は、こうした社会の要請に基づいた判断であり、今後の社会の安全性向上に向けた動きをより正しい方向に導くものである。 検察当局は既成の法概念にとらわれることなく、こうした社会の安全に対する真摯な要請に応えるべきであるが、未だにマスコミの取材に対して「ミスがあった以上、刑事責任は問うべき」と主張し、「懲罰万能論」とも言うべき時代錯誤の認識を露呈している。検察のこうした主張は社会正義に反している。私たちは検察当局が判決を世論の反映として重く受け止め、民間航空の安全と事故の再発防止を阻害する控訴を断念するよう強く求めるものである。 機長組合は、今回の無罪判決を、今後のシステム性事故を防止し社会の安全、とりわけ航空安全の確立への原点と捉えて、「犯罪者探しの調査」から「真の再発防止に向けた事故調査体制」の構築が社会的利益により合致すると確信し、これにむけた法体系の整備と社会的合意に向けて産別の仲間とともに強く取り組んでいく。 2006年3月23日 日本航空機長組合