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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

警察・検察の対応~起訴
事故発生直後の「タービュランスによる負傷事故」という報道から2週間も経ないうちに「機長の操縦ミスが原因」と一斉に報道が変更されるなか機長組合は本件事故が刑事事件に発展する可能性を踏まえ警察や検察に対し起訴をさせない取り組みを開始した。
事故発生当時の機長組合の見解
1997年6月11日と25日、機長組合の本件事故に対しまず再発防止の観点から真の事故原因を明らかにすること。そのためには気象状況の分析調査、機材特有の問題について過去の類似事例も含め技術的検証を進めることを表明し、かつベルトサイン点灯中の客室乗務員の負傷についてその防止策を客室本部とも話し合っていくことが必要とした。また乗員の操作に問題があったかのような社内情報やマスコミ報道に対しこれを遺憾とし当該乗員はベストを尽くしたものと確信しているという見解を示した。
 この機長組合の基本的見解はその後も一環して変わらず高裁判決でその見解の正しさを証明した。
 
起訴までの経緯

1997年11月25日 安全会議と連名で県警に要請
1998年2月6日 IFALPA会長が警察庁へ意見書
2000年5月2日 愛知県警に要請書を送付
扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請
2001年2月28日付けで機長組合は扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請を行った。ここでは当該報告書は「安全上の多くの多くの問題が分析されておらず、また、当該機長がどのように認識し操作したかの聞き取り・確認もせず、事故の防止処置が明らかにされていない」点を具体的な例を挙げて述べ報告書は到底科学的・専門技術的な調査とはいえないと厳しく糾弾し再調査を求めた。しかしながら何ら回答も対応も無く要請は無視された。
 
名古屋地検による事情聴取が始まる
2001年3月には19名の社内関係者に対する検察の事情聴取が行われたが、その内容は極めて強引かつ誘導的なものであったことが後の法廷の場で次々に明らかにされていった。
2001年3月9日
  愛知県警書類送検
愛知県警の特別捜査本部は当該機長を起訴相当との意見書を付け名古屋地方検察庁に書類送検した。またこれにより当該機長以外で社内の管理責任等を指摘されていた人たちは送検されていないことも明らかになった。
2001年3月20日 名古屋地検N検事と面談
不起訴要請
2001年4月2日 E検事と面談
検事が変わったので挨拶
 
MD-11機長の上申書及び
日乗連加盟全組合の上申書を名古屋地検に提出
機長組合は当該機長の不起訴を実現するためにMD-11機の職制機長も含む全機長108名(NAPA赴任中の機長2名及び706便当該機長を除く)の方に上申書の提出をお願いし1名を除く107名の機長と日乗連加盟の全組合(11乗員組合)が揃って上申書を名古屋地方検察庁へ提出

した。706便事故現場付近気象データ
 この上申書の趣旨は事故調査報告書の内容には基本的な部分で疑問があること。国際民間航空条約及び航空法は事故調査の唯一の目的を将来の事故又はインシデントの防止と位置づけ、調査結果をパイロットに罪や責任を課す目的に利用することを制限していること。706便事故は特異な気象条件とMD11型機特有の「不安定な機体特性と自動操縦装置の問題」によるものと考えられ当該機長の対応に問題はなかった。という3点である。

002年4月11日 安全会議、航空連、日乗連、機長組合で名古屋地検に不起訴処分を求める要請書を提出
機長組合は産別団体と連名で名古屋地方検察庁に要請書を手渡した。ここでは不起訴処分とすべき理由として
事故調査報告書が当該機長に罪や責任を課すために利用されるなら国際民間航空条約に違反し今後の事故調査に重大な影響を及ぼしかねないこと
706便事故調査報告書には基本的な部分に決定的な誤りがあること
本件刑事訴追については「航空事故調査と刑事捜査の事実認定の違い」と「証拠能力とその入手方法の正当性」について強い疑念があること
本事故について異常な気象条件やMD11の機体特性について調査がなされていないこと及び当該機長は着席指示など安全管理義務を尽くしておりその対応は適切であったことをあらためて指摘している。
 
2002年5月14日 名古屋地検が起訴
名古屋地検E検事による当該機長の事情聴取が13日から行われていたが14日になって突然起訴が言い渡された。所轄裁判所については名古屋地裁津支部と名古屋地裁の2箇所が示されたが弁護団も含めた協議のうえ名古屋地裁を選択した。

機長組合が推定する原因機長組合が推定する原因

=機首上げの原因は何か=事故調の報告書によれば、48分23秒からの異常な機首上げの原因は、速度増加を抑えようと機長が操縦桿を引いたために、自動操縦装置が切れてその反動で機体が急激に機首上げとなったとしています。 しかし706便の飛行記録には、自動操縦装置がオーバーライドされて切れた時の特徴的な昇降舵の動きは記録されていないなど、事故調の推論には無理があります。 それでは機首上げを起こさせた原因は何だったのでしょうか。 [SPOILERと一時的な上昇流が影響か] 事故調の報告書によれば、この時の垂直流は無視できるほどであったとしていますが、水平方向の風の変化は自動操縦装置の対応能力の2.5倍にも達するものであったとしています。このような激しい気流の変化には、かなりの垂直流が伴うと考えられます。 つまり機首が大きく上がった48分23秒頃には、かなりの上昇気流があったものと推定され、上向きの気流によって機首が押し上げられたことが考えられます。 また、SPOILERを開くと同時に機首上げが始まり、SPOILERが閉じられるとともに機首振動が収まっていることも事実です。SPOILERは大きな機首上げモーメントを発生させますので、強い上昇気流とSPOILERとの相乗効果による機首上げモーメントを、自動操縦装置が押さえきれなかった様子がうかがえます。 =自動操縦装置はなぜはずれたか!=事故調は1997年9月の経過報告書以来、「オーバーライドによって自動操縦装置がOFFになった」と推定していますが、事故調が“オーバーライド”の根拠としているのは「CWS(操縦桿が感知する力)に力が掛かった記録がある」事と「CRMという故障記録が残されている」事でした。 このうちの“CWS”については、パイロットがスイッチ類の操作をした時にも同様の記録が残る事、自動操縦装置により操縦桿が動かされた時に、操縦桿に添えられている手の動きが追従できなかった場合にも記録が残る事をこれまでに説明しました。 [CRMの故障記録は何を意味するか] 706便ではCRM(Command Response Monitor)という故障記録が残されていましたが、CRMとは、自動操縦装置の信号と実際の昇降舵の位置に誤差が出たことを示します。 事故調は、その原因を機長がオーバーライドしたためだと述べています。しかし事故機であるJA8580では、706便事故から9ヵ月後の1998年3月に、自動操縦装置が切れて急激な機首上げが発生するという706便事故と非常によく似た事例が、2件続けて発生しています。 これらのケースではいずれも“CRM”の記録が残っていましたが、自動操縦装置はオーバーライドされておらず、いずれも一時的な故障であろうと判断されています。アクチュエーターの内部のごくわずかな傷によってもCRMは発生するといわれており、実際に分解検査をしても発見できず、2回目の分解検査でようやく傷が発見できた例もあるといわれています。 このようなことから、706便が遭遇したような激しい気流の変化に際して、アクチュエーターがスムーズに作動せず、そのためにコンピューターが一時的な故障と判断して自動操縦装置を解除した可能性があります。 日本航空における飛行中の昇降舵トラブルの事例は、ほとんどのケースが“原因不明”となっており、いくつかの部品を交換しているうちに“異常現象が出なくなった”とされています。 [GによるACOの可能性] 飛行記録によれば、自動操縦装置のACO(Automatic Cut Off)機能が働いて自動操縦装置が外れた可能性も考えられます。 MD11では以下の条件下で、ACOにより自動操縦装置が自動的にOFFになります。 ?@ Vertical Gが1±0.6~1±1.4を超過 ?A Roll Rate(Rollの速さ)が10 deg/sec (毎秒10°)を超過 ?B Bank Angle(傾きの角度)が60°を超過

説明会の報告説明会の報告

説明会の報告(8月26日) 123便事故 社内事故調査報告書 説明:総合安全推進室(BDZ)室長の越智副社長以下、副室長等3名 ◇航空医学に新説? BDZ(総合安全推進室):基本的には事故調の報告書と齟齬はない。123便の乗員は酸素マスクをつけずに、2万フィート以上の高度に有効意識時間を大幅に超えて留まった結果「低酸素症」にはかかったものの、その後、低高度に降下した際に何の障害も無く回復した。 ◇「急減圧特有の現象は存在しなかった」 BDZ:123便の客室内では、他の急減圧事例のような現象は存在したとは認識していない。 ◇物理学に新説現れる!! BDZ:「急減圧が発生した時、後方隔壁への空気は、主として天井裏を流れ、客室には殆ど影響を及ぼさなかった」 組合:客室の天井は急減圧を遮るほど頑丈なのか!? ◇BDZは、組合の指摘に対して一切答えられず 組合:今日の説明は内容が非科学的であり疑問が更に深まった。技術的な話し合いの場を設定すると共に社内事故調査報告書を組合に開示せよ! 大村労務部長:今日の状況では話が終わったとは思えない。このままでは、いかないであろうと思うので検討する。 ~航空医学の新説~ 酸素マスクをつけずに有効意識時間を大幅に超えて危険域に留まったにも拘らず、何の障害も無く『低酸素症』から回復した?   越智副社長:8月21日に123便事故に関する社内事故調査委員会を開催し、報告書をまとめて兼子社長に報告した。社内の事故調査活動自体は、1995年に既に殆ど終了していた。本来社内の事故調査報告書は非公開が原則ではあるが、本事故の重大性に鑑みて説明の場を設ける事とした。 総合安全推進室(BDZ):既に組合に渡してある「123便社内事故調査の概要」(最終ページに添付)には書いていない部分について主に説明する。 この事故に関しては、特に減圧症と低酸素症に関して、1990年9月と1991年5月の2回にわたり、計10名の被験者により実験を行なった。結果は運輸省(当時)の航空事故調査委員会が作成した事故調査報告書と同じであった。被験者にはいつ減圧状態になったか自覚しにくいし、また低酸素症にかかっている事の自覚症状を被験者本人は認識しにくいものである。 123便の乗員は、酸素マスクを装着せずに2万フィート以上の高度を約18分間飛行していた。通常この高度に於ける有効意識時間は、約6~7分であることから、18分間は有効意識時間を過ぎており当該乗員達は低酸素症にかかっていたが、墜落前には低高度に降下しており意識は回復していたものと考えられる。 組合:123便の乗員が低酸素症から回復したのはいつか。 BDZ:・・・。 組合:有効意識時間を大幅に越えて危険域に留まり続けたにも拘らず、何の障害も無く回復したというのか。 BDZ:・・・・・・・。 組合:この点に関してIMZ(健康管理室)は何と言っているか。 BDZ:・・・。 組合:航空医学の常識を真っ向から否定しているにも拘らず、根拠が全く示されておらず信じる訳にはいかない。 「客室内では急減圧特有の現象は存在しなかった」点で認識が一致。しかし、「急減圧は天井裏で生じたので、客室には殆ど影響がなかった」~物理学の新説!!~組合:この事故には2つの事実が存在する。 1つは気体後部の与圧隔壁に修理ミスがあり、そこから疲労破壊による亀裂が生じていた事、もう1つは飛行中に垂直尾翼が何らかの原因で破壊し、その際に油圧系統を全て破壊した為に操縦不能となり墜落した事、である。 この点については会社の認識も同じでよいか。 BDZ:同じである。

706便事故調査報告書「検察官意見書」706便事故調査報告書「検察官意見書」

7月16日 706便事故 第14回公判 事故調査報告書の証拠採用に関する 「検察官意見書」が公判で示される! 第2回公判(1月10日)で弁護側が示した「国際民間航空条約第13付属書5.12条の解釈と証拠採用することの問題点」に関する意見に対して、検察側は反論するとして半年以上も時間を掛けて検討した「検察官意見書」を7月16日の第14回公判で読み上げました。 弁護人は「再反論を準備する」旨発言。条約に対する後進性を示す見解であり、組合は国際的な抗議行動を呼びかけます。 《弁護側意見の要点》 ・ 事故報告書を証拠請求すること自体が国際民間航空条約違反であり(相違通告もしていない)、違法である。刑事訴訟法以前の問題として証拠から排除されるべき。 ・ 事故調の事故原因究明・分析と刑事裁判における事実認定とは異質であり、事故調の原因分析を刑事訴追に利用してはならない。 《検察官意見書の要点》 ・ 国際民間航空条約第13付属書5.12条が刑事訴訟法の上位規程に当たるとするのは、独自の見解であり失当である。付属書は締約国を拘束するものではない(外務省経済局国際経済第二課長回答)。 ・ 開示された報告書とその付録は、国の適切な司法当局の決定がなくても事故調査以外の目的に利用することを妨げない(外務省経済局国際経済第二課長回答及び同回答に添付されたICAO法律局長書簡)。 ・ 事故調報告書は、学識経験者の委員がまとめたものであり、専門的知識を有する者が作成した鑑定書と同じように解される。 ・ 報告書の証拠能力が肯定された事例が2件ある。(雫石事故と宮崎事故) 以下は、706裁判の第14回公判において、検察官が読み上げた「意見書」を機長組合が要約録取したものです。 (2003年7月16日) 「航空事故調査報告書」に関する証拠意見書 航空事故調査報告書に関する証拠意見を補足する。 1.平成1 5年1月1 0日付け弁護人作成の「事故調査報告書に係わる証拠意見書」に対する反論 (1) 検察官が航空事故調査報告書を証拠請求し、裁判所が証拠採用することは、国際民間航空条約第1