Day: March 12, 2016

日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

警察・検察の対応~起訴事故発生直後の「タービュランスによる負傷事故」という報道から2週間も経ないうちに「機長の操縦ミスが原因」と一斉に報道が変更されるなか機長組合は本件事故が刑事事件に発展する可能性を踏まえ警察や検察に対し起訴をさせない取り組みを開始した。事故発生当時の機長組合の見解1997年6月11日と25日、機長組合の本件事故に対しまず再発防止の観点から真の事故原因を明らかにすること。そのためには気象状況の分析調査、機材特有の問題について過去の類似事例も含め技術的検証を進めることを表明し、かつベルトサイン点灯中の客室乗務員の負傷についてその防止策を客室本部とも話し合っていくことが必要とした。また乗員の操作に問題があったかのような社内情報やマスコミ報道に対しこれを遺憾とし当該乗員はベストを尽くしたものと確信しているという見解を示した。 この機長組合の基本的見解はその後も一環して変わらず高裁判決でその見解の正しさを証明した。 起訴までの経緯 1997年11月25日 安全会議と連名で県警に要請1998年2月6日 IFALPA会長が警察庁へ意見書2000年5月2日 愛知県警に要請書を送付扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請2001年2月28日付けで機長組合は扇国土交通大臣に706便事故の再調査を求める要請を行った。ここでは当該報告書は「安全上の多くの多くの問題が分析されておらず、また、当該機長がどのように認識し操作したかの聞き取り・確認もせず、事故の防止処置が明らかにされていない」点を具体的な例を挙げて述べ報告書は到底科学的・専門技術的な調査とはいえないと厳しく糾弾し再調査を求めた。しかしながら何ら回答も対応も無く要請は無視された。 名古屋地検による事情聴取が始まる2001年3月には19名の社内関係者に対する検察の事情聴取が行われたが、その内容は極めて強引かつ誘導的なものであったことが後の法廷の場で次々に明らかにされていった。2001年3月9日  愛知県警書類送検愛知県警の特別捜査本部は当該機長を起訴相当との意見書を付け名古屋地方検察庁に書類送検した。またこれにより当該機長以外で社内の管理責任等を指摘されていた人たちは送検されていないことも明らかになった。2001年3月20日 名古屋地検N検事と面談不起訴要請2001年4月2日 E検事と面談検事が変わったので挨拶 MD-11機長の上申書及び日乗連加盟全組合の上申書を名古屋地検に提出機長組合は当該機長の不起訴を実現するためにMD-11機の職制機長も含む全機長108名(NAPA赴任中の機長2名及び706便当該機長を除く)の方に上申書の提出をお願いし1名を除く107名の機長と日乗連加盟の全組合(11乗員組合)が揃って上申書を名古屋地方検察庁へ提出 した。706便事故現場付近気象データ この上申書の趣旨は事故調査報告書の内容には基本的な部分で疑問があること。国際民間航空条約及び航空法は事故調査の唯一の目的を将来の事故又はインシデントの防止と位置づけ、調査結果をパイロットに罪や責任を課す目的に利用することを制限していること。706便事故は特異な気象条件とMD11型機特有の「不安定な機体特性と自動操縦装置の問題」によるものと考えられ当該機長の対応に問題はなかった。という3点である。 002年4月11日 安全会議、航空連、日乗連、機長組合で名古屋地検に不起訴処分を求める要請書を提出機長組合は産別団体と連名で名古屋地方検察庁に要請書を手渡した。ここでは不起訴処分とすべき理由として事故調査報告書が当該機長に罪や責任を課すために利用されるなら国際民間航空条約に違反し今後の事故調査に重大な影響を及ぼしかねないこと706便事故調査報告書には基本的な部分に決定的な誤りがあること本件刑事訴追については「航空事故調査と刑事捜査の事実認定の違い」と「証拠能力とその入手方法の正当性」について強い疑念があること本事故について異常な気象条件やMD11の機体特性について調査がなされていないこと及び当該機長は着席指示など安全管理義務を尽くしておりその対応は適切であったことをあらためて指摘している。 2002年5月14日 名古屋地検が起訴名古屋地検E検事による当該機長の事情聴取が13日から行われていたが14日になって突然起訴が言い渡された。所轄裁判所については名古屋地裁津支部と名古屋地裁の2箇所が示されたが弁護団も含めた協議のうえ名古屋地裁を選択した。