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 日本航空ジャンボ機123便(JA8119号機)の事故から20年を迎えてのJJ労組連絡会議(日本航空内8労組)の声明

 520名の尊い人命を奪った日本航空123便 (JA8119号機)事故が発生してから20年の歳月が過ぎ去りました。
今、改めて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に心から哀悼の意を表します。

 私たちは日本航空に働く者として、20年の歳月を経ても日本航空の安全運航体制が確立されていないことを、利用者・国民の皆さんに訴えざるを得ません。
この一年の間でも、整備部門では正しい着陸装置が取り付けられずに長期間運航に供した事例等が発覚し、客室部門ではドアモードの変更が正しく行われなかったケースや、カートを収納しないまま着陸した事例が、また運航の現場では管制との関係での不具合事例等が次々と発生し、本年3月17日には国土交通大臣より「事業改善命令」および「警告書」が出されました。経営は表面上「現場と経営との一体感の強化・風通しの良い職場風土作り」等の対策を打ち出していますが、一方で安全運航の確保に具体的な手当をしないままに、コスト削減のみを強化して莫大な利益を追求する中期計画は変更せず、日本航空の安全の要である整備を全て外注・委託化して、実質的に整備部門を解体する計画を進めています。また労使関係においては、日本航空ジャパンの労働組合に対して卑劣な分裂工作を行うなど「もの言う組合」を敵視する労務姿勢を改めていません。経営の抜本的な意識変革と施策の変更が伴わなければ、日本航空の真の再建は成し得ません。この、根本的な改善がなされない中で、事業改善命令への対策が行われても、事態が改善されるわけもなく、引き続きトラブルが発生していることは極めて当然と言わざるを得ません。

 多数の尊い犠牲になられた方々の無念の気持ちに報いるためには、まず、事故の原因を正確に究明し、正しい再発防止対策を実行することが不可欠です。今回の日本航空の諸々のトラブルの再発を防止するためには、まず日本航空の安全運航の原点である、123便事故の教訓が生かされているかどうかが、厳しく問われなくてはなりません。

 私達は事故直後から航空事故調査委員会(当時)に対し、「はたして急減圧はあったのか」との問題提起を中心に、再調査すべき5項目の実現を、強く要請してきました。
事故調査委員会の推定原因は、垂直尾翼の破壊を「圧力隔壁の破壊によるもの」とするものですが、フライトレコーダーやボイスレコーダーの解析結果、機内の写真、生存者の証言のいずれを見ても、また、急減圧の発生が明らかな他の事例(1986.10.26 タイ航空機事故、1988.5.28 アロハ航空機事故、1989.2.24 ユナイテッド航空機事故等)と123便事故との比較においても、さらには航空関係者が行った急減圧の人体実験(1999年4月)でも、「急減圧の存在」を否定する数々の状況証拠が得られており、事故調査報告書の内容を完全に否定する結果となっています。私達は123便事故から20年を経た今、私達の主張を踏まえた科学的な再調査が行われるよう、改めて事故調査委員会に求めるものです。
一方、123便事故の背景にあった日本航空の現場の状況は改善されているのでしょうか。123便事故後、日本航空の労務体質は批判を浴び、一新された新経営陣は「絶対安全の確立」「現場第一主義」「公正明朗な人事」「労使関係の安定・融和」などの最高経営会議方針を発表し、社内外の賛同を得ました。しかし1993年以降、政府・行政の安全規制緩和路線の下、経営は構造改革方針を打ち出し、123便事故後の安全対策の要であった「自社整備主義」を放棄し、整備の委託化を際限なく拡大、また乗務員の勤務協定破棄とそれに続く勤務条件の改悪、一方的な賃金切り下げなどを強行し、再度方針を逆戻りさせたのです。
その結果、現場のモラールやモチベーションに悪影響を及ぼし、故意による電線切断事件、機材の損傷を隠蔽する不正修理事件などが次々に発生、労使関係も悪化の一途をたどり、また、経営の一方的な労働条件切り下げに対しても、組合との間で民事訴訟が争われ、結局4件全てに会社側が敗訴する状況に至ったのです。日本航空経営が123便事故後に社内や社会に約束した「事故の教訓を生かし、安全な日本航空を再建する」との姿勢を放棄しており、そのことが昨今のトラブルにつながっていることは、火を見るより明らかです。

 今、日本航空には利用者・国民から安全に対する厳しい目が向けられています。私たち労働組合は123便事故後さらに団結を高め、また職場も懸命に努力し、事故の再発防止に努めて来ましたが、最早、事態は一刻の猶予も許されません。あの未曾有の大事故から20年を経た今、私達は日本航空経営に対して、改めて事故の反省に立ち帰り「労使関係の安定・融和」を基に「絶対安全の確立」に全力を尽くすことを強く求めていきます。また、航空の職場で働く者の社会的責務として「絶対安全の確立」のために更に活動を強化していくことを決意し、ここに表明します。

  2005812

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機長組合  日本航空ジャパン乗員組合
先任航空機関士組合 キャビンクルーユニオン
乗員組合 客室乗務員組合

 

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