〔2〕経 済 性

(1)事故の防止

民間航空の健全な発展には,安全運航が不可欠といえます。
 過去,経済構造の変化の中でも,旅客需要の低迷に直接大きく影響を与えて来た要因は、運賃の値上げと航空機事故でした。
 ひとたび大事故が発生すれば,一企業だけでなく,全体的な旅客需要に影響することは過去の歴史が語っています。
 従って,会社が主張する経済性も安全運航が確保されなければ、何ら意味のないものとなってしまいます。
 テネリフェ空港で起きたKLM航空とパンアメリカン航空のジャンボ機同士の衝突事故では,KLM機の航空機関士が,「パンナム機はランウェイ(滑走路)から出てているんですか」と,機長にたずねた声がボイスレコーダーに残されていました。
この事故では不幸にも機長が,航空機関士の声を無視して離陸を行った弟,大事故に至ってしまいましたが,同じようなケースで事故に至らなかったケースも多数あることは日常の運航で多くの乗員が体験しています。
日航の中でもSAFETY REPORTや各種アンケート,CAPTAIN REPORT等で明らかなように,第3の乗員がインシデントやアクシデントを防いできた例は多数報告されています。

(2)定時性の確保

整備との接点に文っ航空機関士の存在は定時性の向上にも貢献しています。
その理由としては
 EICASでは対処できないトレンドモニターや,故障箇所の把握,航空日誌への適切な記載等により地上での整備が適切かつ迅速にでき,SHIP CONDITIONを高品位に保てる。
 故障修理の為のグランド ステー タイム を短かくできる。
 などがあげられます。

 又,現実に3名編成の方が2名編成より定時性に優れているというデータも発表されています。
 エアバス社の示した資料によると,ヨーロッパのなかで,機種に関係なく定時出発率を比較すると,ルフトハンザ航璧が第1位だが,A310のみに限ってみると,3名編
成のエールフランスが,2名編成のルフトハンザより2%まさっている。
 1979年のUS CABの報告によると,3名編成機と2名編成機の定時出発率を比較すると,3名編成の方が2名編成より50%も高い。

「定時性を1%向上できれば,運航経費の2%削減に匹敵する」
 という,エアバス社の分析もあります。