(7)LOW VISlVILITY(低視程)やWINDSHEAR中のAPPROACH

現在では,霧などに滑走路がおおわれているなかで,APPROACH(進入)を行う場合は,ある高度(限界高度)に達しても滑走路が視認できない場合はMISSED APPROACH (進入復行)しています。しかし技術が進歩してくると,だんだんこの限界高度が低くなってゆき(CATII)しまいには滑走路が見えなくても着陸ができるようになる(CAT III)ことも将来計画されています。
 (注)現在でもCATIIのAPPROACHは一部で行われています。CATUの限界度は滑走路上100フィートです。

 このような低視程下での進入(CATII,CATIII)ではAUTO−PILOT(自動操縦装置)が着陸を行うようになりますが,AUTO−PILOTが着陸を行うといっても,パイロットのワークロードが減る訳ではありません。
 パイロットは手動操縦と同じように,AUTO−PILOTの操縦をモニターする必要があり,またLOW VISIBILITY下での進入というプレッシャーのなか,適切にAUTO PILOTをOPERATIONしなければならない為,むしろワークロードは増加することになります。
 LOW VISIVILITY下での着陸を安全に行う為には,APPROACH中,AUTO PILOTをパイロットが適切にOPERATIONしているか否か,AUTO−PILOTが正常に作動しているか否かを常にモニターする必要があります。

バイロットがAUTO−PILOTを,適切にOPERATIONしているか否かのモニターは,いかに警報装置が発達したとしても機械には限度があり,結局パイロットのOPERATION MISSを防止するのは乗員相互のモニターとバックアップによらさ−るを得ません。
 従って,航空機関士がパイロットの操作を後からモニターできるのはとても有効といえます。

 また,AUTO−PILOTが正常に作動しているか否かのモニターは,パイロットによるフライトパスのモニターと,航空機関士によるAUTO−PILOTのシステム自体のモニターとに分かれます。
 APPROACH中パイロットは,すぐにAUTO−PILOTをはずし,手動操縦に切り変えられるよう身がまえながらAUTO−PILOTのコントロールをモニターします。
 航空機関士はAUTO−PILOTのシステム,航法計器,飛行計器,その他全般的システ
 ムのモニターを行い,異常があれば直ちにパイロットに知らせます。

 このように,LOW VISIBILITY下での進入では,パイロット・航空機関士は,それぞれの任務を分担し,それぞれが適切なモニターを行いながら進入するからこそ安全な着陸ができるといえます。

また,何らかの理由で着陸を断念し,MISSED APPROACH(進入復行)を行うような場合,操縦を行うパイロットと(MISSED APPROACHの場合はAUTO−PILOTを切り離し,手動操縦で行う)その操縦をモニターし管制官と連格を取るパイロットと,エンジン計器をはじめとする航空機全般のシステムを取り扱う航空機関士と,三者がそろってこそ安全なMISSED APPROACHが行えるといえます。

MISSED APPROACHを行った後,ホールディング(空中待機)を行い,天候の回復を待つか,他の空港に向けて飛行を行います。
 この間パイロットは飛行機の操縦をはじめとして地上との交信や会社との交信,客室の連絡,乗客への連絡,等々を行いワークロードが大変高い状態にあります。
 航空機関士は燃料の計算や,システムのモニター,DIVERTに対するパイロットとの協議などを行い,パイロットの業務を一部かたがわりするなどして,パイロットのワークロードを収吸するようにします。
 又,たとえこのような時,何かシステムのトラブルが発生したとしても,それは航空機関土が取り扱い,コクビット全体で令裕をもってこれに対処することができます。

手動操作でLOW VISIBILITYの中APPROACHを行う場合や,WINDSHEAR(風の方向,速度の急変がある状態)のなかをAPPROACHするような場合,パイロットはとかく滑走路に目をうばわれがちで,急激な降下率の増大や速度の減少などに対し,一瞬アドバイスが遅れることがあります。
 このような場合でも後から飛行計器のモニターを行っている航空機関士のアドバイスは大変有効です。

 このようにLOW VISIBILITY,WIND SHEAR中のAPPROACH においても航空機関士の役割りは重要であり,安全に貢献しています。