〔1〕安全性

(1)トレンドモニター

トレンドモニターとは「変化傾向の監視」という意味で,特定の計器の指示が時間とともにどう変化するかで,そのシステムを判断することをいいます。
 B747−400は航空機関士のかわりにEICASに計器のモニターをやらせようとしてい
 ますが.EICASは単に計器に定められた限界値を.その計器の指示が越えているか否かを見ているだけであり,変化傾向に対しては何の判断も下しません。
また航空機関土が行うモニターとは.基本的に限界値を越えないように計器及び機器の監視を行うことであり.限界値を越えることが予想される場合には,必要な措置をとり,故障府内を抹究することができます。また,致命的な機材故障に至る前に整備を行う「予防整備」を行うことを可能にします。さらに.この航空機関士の業務はクルー全体の余裕を確保することになり,パイロットの主たる任務を障吉なく完遂させることに役立ちます。
 しかしEICASは限界値を越える前には何の表示もしない為,限界値を越えた時初めて操作を行うことになり,一気にパイロットのワークロードを増やすことになります。

この様に航空機関士の行うモニターとE・ICASの行うモニターは全く質の異なるものであり、例えていうならば航空機関士は医師.EICASは検査員というぐらいの差があります。

 

EICASの利点

 一度に全部の計器の値を見ている。
 一点集中はしない。
 長時間,秒単位でモニターしてる。

EICASの欠点

 トレンドモニターができない。
 パイロットの飛行状況に合わせたコーディネーションはできない。
 航空機関士がいない為,マン・マシーンのインターフェイスを魅続して行えない。 トラブルが重なった場合等,EICASの表示を認識するのにかかる時間は従来の3名編成機に比べ良く必要となり,その問パイロットはワンマンオペレーションとなる。また正確な状況の把握は困難となる。
 集中表示の為,同時に複数のシステムを見るにはEICASのページめくりが大変で,総合的な比較は困難。
 EICASが故障するとすべてがなくなる。
 情報舅が制限されている。
 コーションメッセージ,ウォーニングメッセージだけではシステムの変化傾向,すなわち,過去の経過,現在の状況.将来の予測がすぐに分らない。
 EICASの表示(メッセージ)は一方通行であり,パイロットが航空機関士と話し合う事により必要な情報を必要な時必要なだけ得られるのと違う。
 EICASはクリティカル・フェーズでのウォーニングを制限している。
  知らないことと,知っていて後まわしにすることとは次元が違う。
 パイロットは常時システムをモニターしている訳ではない。