〔6〕世界の乗員は闘っていた
大統領特別委員会が出した結論により,米国内における編成問題の議論には事実上終止符が打たれたといえます。
編成問題について世界で最も闘っていたUS−ALPAが,3名編成の方針を放棄した事
がFALPAやFEIAの活動を大きく制限してしまったといえるでしょう。
しかし大統領特別委員会の結論が出た後でもエールフランス航空に導入されたA310は3名編成で導入されました。
これは以下の協定をもとにフランスの航空機関士組合SNOMACが闘って勝ち取った成果でした。
「1992年までは,エールフランス航空に就航する機材(A300,A310,SST,B747ファミリー)は3名編成とする」
この協定はエールフランス航空に導入されたB737の編成問題をめぐってSNOMACがくり広げた闘いの後労使の問で結ばれたものでした。
残念ながらB737の編成は3名編成となりませんでしたが,この協定をもとにエールフランス航空のA310は3名編成を勝ち取ったのです。
また大統領特別委員会の結論により,2名編成が主流となったB767を導入するにあたって,オーストラリアのアンセット航空においては,労使の話し合いが行われました。
最終的に経営者がB767の3名編成を決断した理由は「3名編成の方がべターである」ということでした。
アンセット航空においてはストライキなどを含む強い闘いは必要とされませんでしたが,労使の問に,信頼関係と,航空機関士の存在は安全に貢献するという共通の認識があったからといえます。
アンセット航璧では,B767に3名編成が決まった翌年,1984年労使の問に次の協定が結ばれました。
「設計上,乗客数120名以上の航空機には航空機関士を乗務させる」
日航乗員組合はこれら世界の情勢をとらえ,フランス,イタリアやオーストラリアを訪れるなどの活動を通し,編成問題に対する活動が私達のみならず世界でもまだまだ続いていることを確信し,調査活動により得た情報を日本における編成問題の活動に反映させてきました。