〔4〕大統領特別委員会(PRESIDENT'S TASK FORCE/PTF)の設置
8万ポンドルールを放棄し,「新型機の乗員編成については試験飛行におけるワークロードを評価することによりこれを決める」としたFAAの考えは安全思想の後退であると指摘していたUS−ALPAは,DC−9
SUPER 80(DC−9−80)の開発に、当たって, 「DC−9−80の乗員編成に関してはラインフライトと全く同じ条件のもとで,FULI
MISSIONのSIMULATION TESTが必要である」
と指摘しFAAに迫りましたが,FAAはこれを取り上げませんでした。
| DC−9−80は基本となる試験飛行において POST STALL GYRATIONに入りHIGH PITCH ATTITUDEのまま右に左に90°のバンクが生じ,ANTI SPIN DRAG CHUTEを開くまでコントロールが不可能であった。 MINIMUM RUNWAY LANDING TEST中のハードランディングによって胴体尾部が完全に胴体からはずれてしまった。 COMPLETE HYDRAULIC FAILUREを想定して行われた着陸で,着陸装置に大きな損傷が生じた。 装備されている複雑なFLIGHT GUIDANCE SYSTEMが交通量の多い東海岸のテストではパイロットのワークロードを増加させることが分った。 等の事故や間道点が生じました。また試験飛行を行ったパイロットがわずか2名であ 計器進入方式で最低降下高度まで降したことがなく,MISSED APPROACHも要求されていない。 天候も試験を行う日だけのもので一切考慮されず,出発地から目的地までの区間だ パイロットにはこの問乗客のトラブル等一切ないものとして一度も席を離れさせて 緊急操作はシミュレーションだけで,ベルも鳴らさせなければ警報ランプも点灯さ 等の問題点もありました。 |
編成問題に対し安全上の観点から指摘しているUS−ALPAの申し入れに,耳を傾けようとしないFAAの一方的な姿勢の改善と,当時のFAA良官が示していた乗務員の労働条件改悪提案を改めさせる弟にUS−ALPAは次の5項目を掲げ,1981年3月全国規模のストライキを設定しFAAに迫りました。
1.FAAの型式証明手順に第三者団体を参加させ,次世代の航空機のコックピットには何人のパイロットが乗務すべきか,などのヒューマンファクターに対する疑問を解決する。
2.充分な休養や睡眠もなしにパイロットの飛行時間を延長しようとするFAAの改悪を中止させる。
3.FAAに航空交通管制の改善及び航空機の有効な空中衝突防止装置の開発を促進させ,ニアミスや空中衝突を減らす。
4.航空信託基金の余剰金をすみやかに空港の安全に必要な機器の設備のために使用させる。
5.FAAのパイロットに対する懲罰的な姿勢を改めさせる。
このUS−ALPAの全国規模のストライキ設定に対し,米国政府は,
「2名,3名の乗員編成について研究する為に大統領の委託を受けた公平な3人の技術,安全の専門家による委員会を設置し,その設置後120日以内にその結果を大統領に報告する」
という大統領特別委員会(PTF)設置の提案を行い,ストライキの回避を求めました。
US−ALPAはこの提案を受け入れストライキを回避したのですが,大統領特別委員会(PTF)が設置されるや否や,「その結論が何であれ,その委員会が正しく運営されたと認めるならば,US−ALPAはその結論に従う」
と発表し世界の乗員を驚かせました。
というのは,大統領特別委員会には
US−ALPAがこの様な表明を行った背景には,