「日本航空機長組合 設立宣言」

   
 昭和60年8月12日発生したJA8119号機事故は、我々機長に対し極めて大きな衝撃を与えた。昭和57年2月の羽田沖事故以降も改善されない会社の体質、特に安全問題や労務政策に対する批判は、この未曾有の大事故を契機に我々機長のなかに大きく昂まっていった。

 JA8119号機事故直後の機長会連続ミーティングの討論のなかでは、機長職としての自己反省も数多くあり、単なる体質批判にとどまらず安全運航は勿論、労使問題にも積極的に発言し行動すべきである、具体的には機長会はもっと強い交渉団体へ脱皮すべきであり、そうすることによって運航の最終責任者たる機長としての社会的責任を果たし、安全運航への信頼を回復しようとの意見が多数をしめた。

 これらの意見を背景に昭和60年10月開催された第16期機長会定期総会は「機長管理職組合を含め機長会のあり方を検討する。」ことを年度方針として採択し、これをうけた理事会は「機長組合設立」を提案するに至った。

 その後、昭和61年3月及び4月に開催された機長会連続ミーティングに於いても「機長組合設立」の声は回を重ねる毎に強いものとなり、大きな流れに結実していった。

 また、日本航空乗員組合は、昭和45年以来15年余にわたり「機長の組合活動の自由」を要求し闘い続けた。

 一方、昭和61年3月に至り、新経営のトップは旧来の労務政策を改め、機長の組合活動の自由を認める決断を下した。

 我々は、日本航空をとりまく現在の情勢を正確に分析したうえで、安全運航に対する信頼回復の緊急性と共に、熾烈な競争状態のなかで経営力・集客力の迅速な回復が緊急課題であることを認識している。

 我々は日本航空がこの情勢のもとで基本に据えるべき方針は、経営力・競争力の原点たる「絶対安全の確立」とその基盤たる「労使関係の安定・融和」の2点にあり、これを責任もって実行することこそ日本航空再建への道であることと確信する。

 我々は、組合員の権利擁護・健康と労働条件の維持向上のために努力すると共に、全日航人の尊敬と期待を担う運航の最終責任者として、日本航空再建の中心的存在たらんとの自負と決意をもって、ここに日本航空機長組合の設立を宣言する。

 関係各位の御理解と今後のご支援を願って止まない。

昭和61年6月12日

日本航空機長組合設立総会

 


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