「数秒間でエベレストのベースキャンプに上り、

7000mの高地で18分間の重労働」

事故調推定通りなら、短時間で意識障害を起こしたはず

123便事故の再調査を求めるF

急減圧・低酸素が人体に及ぼす影響をREVIEWしてみましょう。

【減圧症】気圧が地上の1/2になる18,000ft以上の高度に急激に上昇すると、血液の窒素が気泡となって血管や関節の中に詰まり、激しい痛みを訴えるなどの症状が見られる。

(「臨床航空医学」航空医学研究センター発行)

これを防ぐには、事前に100%酸素を少なくとも30分呼吸すると予防できることが知られています。

尚、123便事故の生存者からは、こうした症状の報告はありません。

 

【低酸素症】18,000ft以上=「危険域」。症状:意識障害、意識喪失が早期に出現。呼吸麻痺による死亡の危険が増大する。

(日本航空「EMERGENCY HANDBOOK」)

また「簡単な計算が出来なくなる等、知能活動が低下する」「反応が遅くなる」「字を正確に書くなど協調した運動が出来なくなる」「言葉がはっきりしなくなる」等の症状が特徴と言われています。

そして動作が鈍くなり、判断力が損なわれ、バランスの取れた運動が出来ず、字が正しく書けなくなるまでの時間を「有効意識時間」と呼んでいます。「EMERGENCY HANDBOOK」では、有効意識時間は高度2ft510分、25000ftでは3〜5分とされています。


異常発生後、123便の乗員は酸素マスクを着用せず2万ft以上の高度を18分間飛行しています。事故調の想定する急減圧があったならば、意識喪失にさえ陥りかねない環境にあったことになります。

しかも緩やかな減圧よりも急減圧の方が、また身体的作業(力仕事)をした方が酸素消費量の増加で、いずれも有効意識時間は短くなります。

姿勢制御のため、墜落に至るまで乗員は操縦桿を動かし続けていました。これは相当の労力を要したはずです。

30万ft/minの急減圧があった」とする事故調の想定は、「エベレストのベースキャンプ付近の高さまで数秒間で上昇し、7000m付近で18分間も重労働を続けていた」ことになります。

この想定通りなら、乗員はより短時間で意識障害などの低酸素症になっていたはずです。

(機長組合ニュース15-37)

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