急減圧では説明のつかない数々の矛盾

 

123便事故の再調査を求めるD

前回に引き続き、UAL811便の急減圧事故と123便とを対比してみます。

「開かなかった操縦室ドア」=差圧が無かった証拠

 


A    UAL811便:ギャレーのドアやカートを上げ下ろしするリフトのドアが差圧により開いた。

 

123便CVRの解読等でも、操縦室のドアが開いた形跡は全くありません。

事故調の試算では、隔壁破壊から1秒後には操縦室と客室内で0.39psiの差圧が生じたとしています。これは、ドアを施錠するシアピンの設計強度の1.8倍(シアピンは差圧0.22psiで破損するよう設計)に相当します。

ドアが開かなかった理由について、報告書ではあえて説明していませんが、123便のドアが設計よりはるかに頑丈だったのではなく、それ程の差圧がなかった、即ち事故調の解析するような急減圧が無かったと解釈する方が論理的といえます。

 

真夏に夏服のまま−40℃で、誰も寒さを感じない???

 


B    UAL811便:気温が急激に低下し、凍えるように寒くなった。

 

123便:事故調の試算によれば、急減圧に伴って機内の温度は5秒間で65℃も低下し、−40℃になったとしています。しかし、CVR・生存者の口述・乗客の遺書いずれにも「寒い」といった表現はありません。

真夏に夏服のまま、一瞬に−40℃の世界に置かれても、UAL811便のように「凍えるように寒い」との感覚を持たなかったのでしょうか。

 

低酸素症はあったのか???

 


C    UAL811便:めまいを感じ、脳は十分働いていない感じだった。酸素マスクのプラグをボトルに差し込むことがスムーズに出来なかった。この作業を見ていた他の乗員は、まるでスローモーションの画面を見ているようだったと語っている。

123便123便の場合、事故調も認めているように、乗員は酸素マスクも着用していません。2ft以上の高度を飛行していた時間は18分間にも及びます。しかし乗員はフゴイド運動という極めて不安定な運動を繰り返す飛行機を落ち着かせるために、長時間格闘し続けており、これは酸欠状態であればとても出来ない技です。

UAL811便では、乗員は直ちにFL230から緊急降下を実施していますが、その短時間にも酸素を吸入できなかった客室乗務員は低酸素症の症状を訴えています。

果たして人間は、このような高高度で酸素吸入をせずとも正常な判断、行動がとれるものなのか‥‥それは次号以降で紹介します。

 

騒音もなかった

 


D    UAL811便:機内の騒音レベルは高く、力いっぱい叫んでも自分自身に聞こえないほどであった。乗客との会話もほとんど出来なかった。

123便:酸素マスク着用のプリレコーデッド・アナウンスを生存者が聞いているように、機内に騒音があった様子はどこにもありません。

一方、123便と同様に圧力隔壁が破壊されたタイ航空機の場合、機内の乗客は相当の風切り音があったと語っています。

これでも尚123便は30万ft/minもの急減圧があったと言うのでしょうか。

(機長組合ニュース15-27)

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