123便事故調査に関する春闘回答で、経営は

“将来的には残骸を破棄する考え”を表明!

 123便事故に関して、機長組合は“@社内事故調査報告書の開示と調査の再開 A全ての残骸の保存 B残骸やCVR・DFDRの組合への開示”を要求してきましたが、今春闘において、“会社は事故機の残骸を将来的には破棄する考えである”ことを初めて回答してきました。

労務部に確認したところ、「将来的には破棄するという考えは、従来から8.12遺族連絡会に対する説明や記者会見の場等で表明してきたこと」とのことですが、今回新たに回答という形で組合に経営としての意志を表明したことは看過できません。

 

2004年春闘回答>

JA8119号機事故については、2002年8月に社内事故調査報告書をまとめ、航空・鉄道事故調査委員会の報告書の内容を肯定しうるものとの結論を得たため、再度調査を要請する考えはありません。

なお、社内事故調査報告書の概要については、すでにご説明しておりますが、貴組合からの質問にはお答えする考えであります。

また、保存されている機体破片やCVR等のローデータについて、貴組合に公開する考えはありません。なお、圧力隔壁・CVR・DFDRについては、今後とも教育目的で保存し、その他の機体破片については、将来的には破棄する考えであります。

(下線部分:新規回答)

 

“急減圧”が否定されるとすべてが崩壊する『隔壁破壊説』

123便事故について、運輸省航空事故調査委員会(当時)は「後部圧力隔壁が飛行中に破壊し、客室内の空気が大量に瞬時に垂直尾翼内に流れ込み垂直尾翼を破壊した」と事故原因を推定し、しかも垂直尾翼を破壊するほどの空気流によって、機内では30万ft/minにも及ぶ急減圧が発生したと推定しています。そして、日本航空もこの事故調の結論を是認しています。

機長組合は、123便事故調査に関してBDZ(総合安全推進室)との交渉を進めていますが、この中で『急減圧』の存在が否定されると事故調査報告書の推定は崩壊することを会社も認めています。

会社も認識している「客室内での急減圧の存在を否定する証拠」

“急減圧”に固執する限り、生存者の証言などとの矛盾は説明不能に

しかし、急減圧発生時に真っ先に乗員がしなければならない『酸素マスクの装着』を3人の乗員いずれもが行っていないこと、生存者が「ツーンと耳が詰まった程度」の減圧でしかなかったと証言していること、また異変が起きた後にも「突風により物が散乱した様子が一切見られない機内の状況」を撮影した写真など、“事故調が推定するような急減圧の存在”を否定する状況証拠が数多く見られるのです。

(組合注:約10万ft/minの急減圧であったタイ国際航空機事故で、多くの乗客は“難聴”を訴えている。また航空医学の通説では、事故調の推定するような急減圧では鼓膜が破れてしまう。)

この大きな矛盾に関して、BDZ123便では、客室内で急減圧特有の現象が存在したとの証拠は無い。」2002826説明会、BDZ発言)と認めています。しかしその一方で、「これは空気の流れは主として天井裏部分を通ったためと考えられる」(同説明会、BDZ発言)との理屈で説明しようとしましたが、運航技術部長(OEZ)から「空気の流れは隙間があればどこへでも流れる。前回の(BDZによる)説明のように『多く(の空気)が天井裏を流れた』とは思わない。」(同年1015説明会、OEZ発言)と技術的にこれが否定されるなど、この最大の矛盾に対して説明不能に陥っているのです

これは、『急減圧による隔壁破壊説』に事故原因を結論付けることには無理があり、何らかの他の要因によって垂直尾翼が破壊されたものと考えることの方が極めて合理的といえます。

機長組合ホームページに寄せられる利用者の声の数々 123便事故を風化させてはならない!”

この123便事故の原因究明に関しては、とても乗員の理解・納得が得られるような説明がなされていないことから、今後も労使で話し合いを続けていくことが確認されています。

また、この事故に対する社会的な関心は依然として高く、最近でも機長組合のホームページに事故調の報告書に対する疑問や再調査を求める声が数多く寄せられています。

こうした中で、今回、事故原因究明の道を自ら葬り去るような「残骸破棄」の意志を回答文に新たに盛り込んだことは、とても許しがたいことであり、社会的にも批判を集めることでしょう。

私たちは、今後も123便事故を風化させず、経営の残骸破棄の考えを撤回させるとともに、真の事故原因究明に向け取り組んでいきます。