人件費施策について

   
「2007〜2010年度再生中期プランにおける人件費諸施策」に対する機長組合見解
経営は各組合が反対する施策を強行すべきでない!
<具体的な施策に関する見解>
T.退職給付関連制度の改定について
以下の観点から、機長組合は反対する。
1 2011年度までに退職する社員には経過措置があるとは言え、切り下げ幅は大きく、社員の将来への生活設計に多大な影響を及ぼす。
 
2 現在のJALの中核をなし、また将来のJALを背人件費施策について負うべき2012年度以降に退職する社員には、9.3%という最大の切り下げ幅が提案されている。この改定が実施されれば昨今の一時金年間2ヵ月などの人件費切り下げとあいまって、現在以上のモラル・モチベーションの大幅な低下は容易に想像できる。将来JALを支える社員のモラル・モチベーションが低下すれば、安全運航への悪影響につながり、かつJALの再建に逆行する。
 

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機長には2006年度より個別精査の切り下げが行なわれているが、これを加算すると、2012年度以降退職する機長の退職金は、2005年度に比べて14%以上の切り下げとなる。経営が標榜する「9.3%」の幅を大きく上回り、職種間のバランスを欠いている。
 
 

U.グループ人員数の見直しについて

1.運航乗務員
  1 職制・ライン外業務ポストの効率化について
機長組合が従来から要求している施策であり、早急かつ徹底した実施が必要である。
 
2 ミーティング等地上業務の削減について
機長組合が従来から要求している施策であり、早急かつ徹底した実施が必要である。
 
3 特別シミュレーター教官の導入について
定年退職機長が長年機長として培ったノウハウ、知識を後進育成に活用することは極めて有意義なことであるが、労働条件は乗員の組合との交渉で決定される必要がある。
 
4 専任乗員教官・ライン操縦教官のライン業務への還元にについて
SIM訓練を担当し多忙を極めている専任乗員教官の負荷や、ライン操縦教官と同乗している訓練乗員への影響について、現場の乗員の意見を真摯に聞くことが必要であり、労使交渉が不可欠である。
 
5 訓練期間の短縮について
機長・副操縦士の移行訓練、副操縦士の昇格訓練の短縮は安易に行うべきではない。JALの安全運航を希求して教育を行なっている現場の教官の意見を尊重し、乗員の納得を得られなければ、実施すべきでない。本来、訓練経費の効率化にもっとも効果的なのは、訓練時間を短縮することではなく、全ての訓練を成功裏に終わらせることである。早急な労使協議が不可欠である。
 
6 月間休日の弾力的付与について
現行就業規程にすでに同様の定めがあることが確認されているが、育児や介護等個々人の特段の事情が尊重され、休日の公平な運用方法が労使で協議されるべきである。
 
 

2.その他

  1 季節特別休暇の実施見送りについて
労使協議において、各職種別のこれまでの有給休暇を含めた取得率を示し、この施策の実効性が説明されなくてはならない。また、育児や介護等個々人の特段の事情を尊重することも検討される必要がある。
 
2 休職発令要件等の見直し
この施策は、短期間の間に複数の疾病(私傷病)にかかり悩んでいる、いわば「困窮者」への対応を、より厳しくするというものである。これまでより容易に休職が発令されれば、私傷病により解雇される可能性が増すこととなり、疾病にかかるまで会社のために懸命に働いた社員への対応としては、過酷なものと言わざるを得ない。この施策を実施した場合の影響も含めて、慎重な労使協議が必要である。
 
 

<人件費の切り下げに偏重して収支改善を図る経営姿勢について>

1 社員ばかりに痛みを強いる前に、JALがここまでの状況となった真の原因・経営施策上の問題点を、まずは経営自らが真摯に明らかにすべきである。また収入の回復や極大化など、社員が将来展望を持てるような施策を示すことが先決である。機材導入計画についても、現場の組合と真摯にその妥当性について、前提なしに論議するべきである。
 
2 経営・収支状況に関わらず、現場の社員は忙しく働いており、安全で高品位なサービスを提供するために努力している。ここ数年のANAとの一時金格差などで、社員の我慢は限界を超えており、社外への人材流出が続いている。人件費削減に偏った施策は、経営再建に向けての社員のやる気を削ぐ。経営は、現場を重視した施策こそが、JALの真の経営再建につながることを肝に銘ずるべきである。
 
3 こうした観点から、その施策の一方的な実施は経営再建に逆行するものであり、経営は組合が反対する項目そのものを撤回すべきである。
 
 

<経営は全ての職種の理解を求め、
労使関係を逆行させる強行を行うべきではない>

以上、機長組合として全社共通の項目と運航乗務員に関わる項目についての見解を示したが、JALの再建に向けては、経営の施策が全ての職種に理解されなければならない。すなわち、経営は客室乗務職および地上職独自の項目についても、関連の組合と真摯な協議を尽くさなければならない。もし万一経営人件費施策についてが93年以降示して来たような、JALFIOのみと合意し、他の組合に強行するような姿勢に再度立ち戻れば、現在一歩一歩、労使関係の改善に向け積み上げつつある労使双方の努力が、水泡に帰することが銘記されなければならない。経営は今一度、乗員の通勤問題・長時間乗務手当の問題・勤務問題・07年度の36協定締結等の協議がどのように行なわれ、どのような結果をもたらしたかを、思い起こすべきである。就業規則の一方的不利益変更が認められないことは、これまでの勤務と長時間乗務手当の裁判により明確になっている。十分な説明と合意に向けての協議を行なわずに強行すれば、組合は会社の提訴を検討せざるを得ない。JAL再建に向けても、会社はそうした事態を回避する努力を惜しむべきでない。
機長組合は、経営に施策を強行させないようにあらゆる取り組みを行う。

 
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