「 『会社更生法適用』との事態を踏まえた機長組合見解」

   

2010年01月22日

2010年1月19日、(株)日本航空・(株)日本航空インターナショナル(株)ジャルキャピタルは東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請し、同日手続き開始が決定されました。同時に(株)企業再生支援機構による支援も決まり、今後更生管財人の下、(株)企業再生支援機構の事業再生のスキームを使いつつ日本航空は再生への道を進んでいくことになります。


機長組合は現状を踏まえて、今後の日本航空再建について以下のように考えます。

日本航空が、公的資金等の支援を受けながら再建を果たすためには、社会から「日本航空が安全運航と良質なサービスを提供できる航空会社であること」を認められ、継続的な信頼を得ることが不可欠です。
機長組合は以下の認識を表明するとともに、全社員が一丸となって日本航空の再建に向けて結集することを呼びかけます。

  • 社会からの信頼を得るために私たちに最も求められていることは、航空会社の社会的な責務である安全で快適な運航の提供にまい進することです。

  • 機長組合は労働組合として、今回の事態を日本航空の新たなスタートと認識し、新経営陣との間に信頼関係を築き、全社員とともに再建に向け最大限の努力をしていきます。

  • 公的資金の投入・多額の債権放棄や株式の減資等によって再建が図られる中では、日航再建の為には社員も痛みを分かち合うことが求められていることを認識して、新経営陣と話し合っていきます。

  • 日本航空が再建を果たし、安全で快適な国民の足として社会に貢献するためには、社員の高いモチベーションと将来への展望が原動力であることを、広く社会に理解してもらえる取り組みを行います。

  • 機長組合はこうした前提の上で、社員の雇用や生活維持への不安を少しでも解消させるために、全力で取り組みます。

機長組合は、日本航空の危機が表面化して以来、法的整理を回避し、自主再建することを追求してきました。現状は残念ながら「経営破たん」になりましたが、その一方で、国民の足として不可欠な企業であり、再建がなされ投資が回収できるとの判断から、企業再生支援機構を通じて公的資金等の支援を受け、再生が図られようとしています。

法的見地からは、日本航空が会社更生法の適用を受けることにより、直ちに私たちの雇用契約や労働条件が脅かされるものではありません。しかし一方では、例え「社会的に貢献できる」との理由があっても、また、後で述べるように、破たんには複合的な原因があったとしても、「経営破たん」した企業が公的資金等の支援により再生が図られる中では、社会が私達社員にも一定度の痛みを求めることは否定できません。

機長組合は今後新たな経営陣と社員が一丸となって早期に再建を成し遂げ、日本航空が国民の安全な足として、社会に貢献する企業として生まれ変わることこそが、結果として組合員の生活の維持・向上に最大限つながると考えます。

このような観点から、機長組合は再建に向けた前述の見解を確認しました。

以下、各項目について補足説明します。
 

社会からの信頼を得るために私たちに最も求められていることは、航空会社の責務である、安全で快適な運航の提供にまい進することです。

日本航空の再建には、私達全社員が日々安全で品質の高い運航を提供し続けていく事が不可欠です。

以下は、過去の歴史の貴重な教訓により社内で醸成されてきたもので、継続的な安全運航には不可欠な項目です。会社更生法の適用後であってもこれらが尊重されるように、新経営陣と社会に訴えていきます。

  • 安全運航を最優先とする文化
  • 勤務・休養など運航乗務員の安全上の制限
  • 教育・訓練体系の充実を、航空会社の財産とする発想
  • 整備品質を、経営・整備部門・運航乗務員が協力して向上させる体制

    日本航空がこれまで積み上げてきた安全運航のノウハウが損なわれることがないように、機長組合は安全運航の最終責任者の集団として全力で取り組みます。


機長組合は労働組合として、今回の事態を日本航空の新たなスタートと認識し、新経営陣との間に信頼関係を築き、全社員とともに再建に向け最大限の努力をしていきます。

会社の早期再建が全社員の生活維持の第一の源泉であることは間違いありません。今回の企業再生支援機構による支援決定にいたる途上、会社だけではなく全社員が社会の厳しい目にさらされました。日本航空全体が失った信頼を再び得る為には、私たち組合も努力し、新経営陣と社員の信頼関係を早期に構築するために力を尽くすことが重要です。具体的にはまず、再建の具体的な手法について現場の社員の声を代表する各労働組合が新経営陣と真摯に話し合う必要があります。

私たちはこれまで「正しい経営方針には協力し、誤った方針には建設的な批判をする」との方針で旧経営陣と協議してきました。しかし現在の結果から見れば、それが十分に機能したとは言えません。私たちは新経営に、旧経営の失敗を総括し今後の経営施策の透明性を出していくことを求めるとともに、労働組合が有効に経営のチェック機能を果たすための取り組みも強化する必要があります。機長組合は今回の事態を日本航空にとっても、労働組合にとっても新たな時代のスタートと自覚し、過去の労務方針になんらしがらみを持たない新経営陣と真摯に話し合い、全社員のために再建に向け最大限の努力をしていきたいと考えます。
 


公的資金の投入・多額の債権放棄や株式の減資等によって再建が図られる中では、日航再建の為には社員も痛みを分かち合うことが求められていることを認識して、新経営陣と話し合っていきます。

日本航空の経営破たんの背景には、過去の乱脈経営や、旧政権の誤った航空行政など、複合的な要因があったとしても、公的資金等の支援、金融機関による多額の債権放棄や株式の減資により再建が図られている現在、社会からの厳しい目が社員にも向けられています。従って再建に向けて社会の支援を受け続けるためには、社員も痛みを分かち合うことが求められるでしょう。機長組合はこうした状況を深く認識しながら、新経営陣との話し合いに臨む考えです。


日本航空が再建を果たし、安全で快適な国民の足として社会に貢献するためには、社員の高いモチベーションと将来への展望が原動力であることを、広く社会に理解してもらえる取り組みを行います。

自ら働く会社が会社更生法の適用を受ける事態は殆どの社員にとって初めての経験です。前述の通り、法的見地からは会社更生法の適用によって、直ちに私たちの雇用契約が脅かされるものではありませんが、これまで同様の事態に陥った他企業では大幅な人員削減が行われた例があることも事実です。

一方、安全で快適な国民の足として日本航空が再建を果たすためには、社員の高いモチベーションと将来への展望が原動力であることは間違いがありません。安全アドバイザリーグループが示した新提言書(2009年12月付「守れ、安全の砦 〜危機の中でこそ問われる一人ひとりのモチベーション〜」)も同様の認識を示しており、私たちは安全アドバイザリーグループのご協力も仰ぎながら、この事実を広く社会に理解していただけるよう取り組みを行います。


機長組合はこうした前提の上で、社員の雇用や生活維持への不安を少しでも解消させるために、全力で取り組みます。

機長組合はこれまでに挙げた前提の上で、社員の中でも弱い立場といわれる方々や、グループ社員を含めて雇用や生活維持への不安を少しでも解消させるために全力で取り組む考えです。

以 上


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