「満60歳以降の乗員に関する取り組み」

   
 
満60歳以降の乗員が、乗務延長等により日本航空グループ内で雇用を延長もしくは継続する場合、個々の状況を考慮しつつ、その労働条件等について主体的に取り組む。
 
新規活動方針策定までの経緯
  • 今期は新規活動方針として「満60歳以降の乗員に関する取り組み」が、定期組合大会において満場一致で承認された。その趣旨と「2007年9月21日執行委員会確認」については機長組合ニュースNo.22-017に詳述した。また、このニュースにおいてANAにおける所謂「加齢乗員制度」との比較も記載し、職場に広めることが出来た。
  • 2007年末闘争における団体交渉において、会社に対して上記方針と執行委員会確認を伝えた。詳述は機長組合ニュースNo.22-074参照。
「満60歳以降の乗員に関する要求」策定までの経緯
  • 機長組合執行部は2008年春闘での要求化を目指し、当該者の不満や意見を集約するため、2008年1月末に当該者らに集まっていただきMTGを開催した。詳述は機長組合ニュースNo.22-106参照。
  • 上記MTGの声を基に執行部で議論し、「2007年9月21日執行委員会確認」にある加齢乗員の機長組合への組織化は時期尚早と判断し、現時点における切実な要求として「満60歳以降の乗員に関する要求(案)」を策定し、2008年春闘要求(2008年春闘要求書参照)として臨時組合大会にて満場一致で可決された。この要求(1)については、乗員計画全般に関わる要求となることから、今後要求の整理が必要であろう。
要求に沿った取り組み
  • 2008年春闘団体交渉において要求趣旨説明をし、その中で、機種別加齢乗員配置予定数の開示を約束させたことは前進回答である。詳述は機長組合ニュースNo.22-134参照。
  • 上記回答を受け2008年6月3日の運航業務部(OG)との交渉において、2008年度機種別加齢乗員配置予定数と加齢乗員契約に至るプロセスが開示された。これは、これまでの乗員計画や加齢乗員に関する取り組みの成果と言える。しかしながら、この交渉においても以下の問題点が残された。交渉内容等の詳述は機長組合ニュースNo.22-189参照。
加齢乗員配置数決定方式は「引き算方式」であり、新規定年退職予定者の契約順位は最下位である。しかしながら2008年度について分析すると、加齢乗員配置予定数の総数(151名)と定年退職予定者の数(141名)を比較した場合、2008年度定年退職予定者が全員希望したとしても十分契約出来うる数であり、これは運航本部(「採用会議」)の判断で可能となる項目である。特にJAZクルーを最優先させていることや既加齢乗員の再契約時における「先住権」については、早急に改善させる取り組みが必要である。
 
新規契約に至るプロセスの中で、選別方式が不透明であることが明確となった。特に、各乗員部で作成される「総合評価リスト」作成時の選別方式は極めて不透明であると言わざるを得ない。今後も徹底的に追求し、完全撤廃に向け取り組みを強化する。
  • これまでの交渉を踏まえ、新規加齢乗員採用の選別方式に関して6月26日に運航本部改善案が以下の項目に示され、7月3日開催予定の「採用会議」にて諮る旨が伝えられた。
希望表明(09年度採用から)
声掛けスケジュール
問い合わせ窓口(08年7月)
推薦順位の範囲(09年度採用から)
  • この運航本部改善案に対する執行部分析
     
    評価する点

    6月3日OG交渉時に開示された内容。
    来年度新規採用分から対象者全員に「希望表明」を受け付ける。
    加齢乗員契約に至るプロセスが明確化された。
    声掛け対象者の選別結果に対する問い合わせ窓口の開設。
    残された問題

    選別方式は不透明なままである。
    「希望表明」取り方等のやり方。
    新規契約者の配置数の決定方法。
    執行部からの提案

    各乗員部は「総合評価リスト」作成に当たり、統一した手順を踏むこと。

    再更新予定者(既加齢乗員)の「先住権」に拘らず、少なくとも09年度について、新規定年退職者を優先する運用をすることで「総合評価リスト」の不透明さが払拭される。今回の「希望表明」調査を受けて、検討すること。
     
  • 2008年7月3日の運航本部との懇談会において、運航本部は、上記執行部分析及び提案を受け、以下の回答を示した。

    本日(7月3日)の「採用会議」において先に示した運航本部案が確認された。
    各乗員部作成の「総合評価リスト」の選別方式は「総合評価による」としか言えないが、各乗員部統一した選定方式をとることが確認された。

    B747-400乗員部においては、部長・副部長及びスケジュール作成担当の意見を踏まえ作成していることと、人事考課は判断要素にない旨明言した。
    運航本部も、厳密な順番付は難しい面があることを認め、「判断基準をどういう形で示せるかを検討したい」と発言した。
    機長組合提案の「先住権」に関する問題は、結論が得られず今後の検討課題となった。
     
  • 特にB737-800における加齢乗員に関して

    6月3日のOG交渉で開示された機種別加齢乗員配置予定数では、2008年度定年退職予定者9名に対してJALI本体での新規加齢乗員契約予定者数は6名となっていた。しかしながら、7月初旬の運航本部懇談会以降の取り組みにより、JALI本体とJEXでの加齢乗員枠を合わせると全員(9名)の枠を確保することが出来た。一方、JALI本体とJEXにおける加齢乗員制度を比較すると労働条件等に違いがあり、今後の取り組みが必要である。
     
  • 特別SIM教官に関して

    機長組合指摘により、特別SIM教官によるSIM業務の範囲がQUALIFICATIONS MANUALに明確化され、また業務範囲も拡大された。
    これによりライン還元効果も上がり、08年度実行乗員計画に関する交渉での運航企画部の説明によると、特別SIM教官による(マンニングの)ライン還元効果は一人当たり0.4マンニングとの説明があった。現在の賃金水準は、この効果額に見合った水準とは言えない。
    特別SIM教官による業務拡大の一つとして、大村訓練所においてエアフライトジャパンのアドバイザー業務が加えられた。この際の出張時の取扱について一部改善させた。
     
  • 小型機操縦教官に関して
     
    満60歳以降の乗員による「JEX自社養成基礎課程操縦教官(アデレード)」(08年2月)や「NAPA訓練所教官」(08年×月)が採用された。
    その採用形式については、所謂操縦教官派遣会社(IASCO等)経由の採用方法を暫定的に導入している。今後、労働条件や採用方式自体の改善に向け取り組む必要がある。
今後の課題
  • 短期的な課題
運航本部による「希望調査」のやり方等を注視する。
機長組合としても、来年度定年退職予定者の希望調査と実態調査の実施を検討する。
新規定年退職者の内、加齢乗員を希望する方は全員声掛け対象者となるよう、新規契約者配置数の決定方式や運用面の改善を迫る。
依然不透明な選別方式の判断要素を明確にする必要がある。
特別SIM教官の賃金水準について早急な改善が必要である。
  • 中長期的な課題
乗員計画上の観点で、日本航空グループ全体の中で、満60歳定年から出向最長期間(3年)を差し引いた年分、すなわち満57歳以降の機長の「働き方」について具体的に取り組んでいく必要がある。
 

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