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日本航空機長組合 – Japan Airlines Captain Association

パイロット不足~日本の航空業界が抱える深刻な課題

法政大学でパイロット養成コース(理工学部機械工学科航空操縦学専修)が開設されるにあたり、2007年12月1日に開設記念シンポジウムが開催され、航空局乗員課課長や、当社の運航本部副本部長が「エアラインにおけるパイロット需要」をテーマに講演を行いました。以下、航空局と運航副本部長の講演の抜粋、ならびに配布された資料を基にしたパイロット人数に関して紹介します。

 
パイロット不足~日本の航空業界が抱える深刻な課題

法政大学でパイロット養成コース(理工学部機械工学科航空操縦学専修)が開設されるにあたり、2007年12月1日に開設記念シンポジウムが開催され、航空局乗員課課長や、当社の運航本部副本部長が「エアラインにおけるパイロット需要」をテーマに講演を行いました。以下、航空局と運航副本部長の講演の抜粋、ならびに配布された資料を基にしたパイロット人数に関して紹介します。

 
「日本の航空需要とパイロット供給体制について」 航空局技術部・乗員課課長
 (→斜文字は組合注)

【羽田拡張】 羽田は4本目が出来ることから、4/3倍(1.333…倍)になる
→22(04)を使う頻度は年何%なのか?

【大量退職】
 

団塊世代大量退職をどう埋めるかが緊急の課題。現在のパイロット年齢分布は、「ラクダのコブ」のようになっているのが特徴。60歳以上の乗員も使える環境整備が必要。
【乗員需要】
 

インド・中国:パイロット不足で引き抜き合戦。日本の航空会社も外人パイロット使うにも厳しい状態 
【乗員養成】
 

民間操縦士養成を出来るだけ支援したい。東海大・桜美林は外国で訓練。(法政が)日本で養成出来るに越したことはない。日本はまだまだ航空後進国。航大を擁する航空局としては、法大が航空操縦学科を開設したがライバルと言っていられない。パイロット大量養成のために切磋琢磨すべき。皆さんと力を合わせてパイロット不足乗り切りたい
 

「エアラインにおけるパイロット需要」日本航空インターナショナル高橋運航副本部長

(→斜文字は組合注)

(機材数の成長率は) 毎年2.6%ずつ伸びている。ダウンサイジング(中・小型機)が今後の機材計画。

(機材数の成長率は) 平均2.6%以上で、2011年以降 5%を超える。採用の需要も高まる

この4年で700名、年間140名ペースで団塊世代の大量退職。
→2007年から2011年までの間で、60歳到達者は600名弱+加齢乗員の退職者を含む

JEX195名(2007年末現在)。ここでの自社40名、航大からの採用5~6名。
→JEXの機長87名(07年度)がJALIからの出向

必要な採用はGRP全体で150名くらい。
全体で3500名を35年で割る=100名ずつ採ればいいはずだが、大量退職に備えて150名くらい採らないといけない。外人も入れて団塊世代大量退職に備える

↑ 。。。。。。。。。。。。。。
これだけ労使間で問題になっているのに、まだ固執している。

日本の空の未来を誰が切り拓く?
欧米・アジアの航空業界の中で、生き残るためにすべきことは一つ!

かつて、日本航空は100名を超えるパイロット要員採用を行ってきました。しかし、現在訪れている世界的乗員不足・獲得競争の時代を見据えずに、目先のコストカットに奔走し、グループ会社を乱立させ、JAL本体での要員採用・訓練規模も矮小化したことにより、関連会社を含めてJALの乗員計画は脆弱・歪なものになってしまいました。今こそ日本航空経営は、世界的な競争の中で生き残るために、万難を排してJALI本体での要員採用・育成、機長養成の最大化へと事業計画を方向転換させなければなりません。そのためにも、日本航空がこれまで培ってきた訓練体系・ノウハウをかつての規模以上に拡大できるよう訓練所の充実にも着手し、「JALのパイロット採用・育成の環境が羨ましい」と他社から思われるような、要員採用・育成体系を完成させることが不可欠です。

要員採用・機長養成の拡大は、世界中で航空需要・乗員需要が高まる中、航空会社にとって事業計画の生命線となります。ただでさえ、島国・日本は脆弱なパイロット供給体制にある中、JALが率先して本体での要員採用・育成のプログラムを最大化する以外、日本の航空界が世界の中で生き残っていくことは出来ないのではないでしょうか?

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