事故調査委員会にJL706事故再調査を要請

   
1997年6月8日に三重県志摩半島上空で発生したJL706事故は、1999年12月17日に事故調査委員会から「機長の操縦桿操作に問題があった」ことを主な原因とする報告書を公表しました。
706便事故再調査を要請名古屋検察庁は2002年5月14日、事故調査報告書の記述を基に機長を業務上過失致死傷で起訴しました。
名古屋地方裁判所は、2004年7月30日に「操縦桿操作はあったが、それが負傷者の発生に結びつくとまでは予見できなかった」として無罪を言い渡しました。
検察は無罪を不服として控訴しましたが、2007年1月911日、名古屋高裁は技術者の証言や飛行記録などを科学的かつ詳細に検討し、「意図的な操縦桿操作はなかった。事故当時の状況に対する機長の説明は傾聴に値する」と述べて完全無罪の判決を出し、検察は「控訴する理由がない」と述べ無罪が確定しています。

起訴の根拠となった事故調査報告書の結論が、裁判所や多くの専門家によって否定されたわけです。
名古屋高裁の判決は、その公平性と科学性が法律専門誌でも高く評価された一方、判決を機に学者やマスコミからも事故調査委員会の調査内容に疑問の声が出ています。
日本航空機長組合と日本乗員組合連絡会議(日乗連)は、706便事故当初より積極的に独自の調査を進め、その調査結果をホームページになどで社会に発表してきました。
706便事故当時 激しい気流の乱れ
日乗連などによる調査では、事故当時にかなり激しい気流の乱れ(ロールケーキのような渦)があった可能性や、自動操縦コンピューターの一時的な不具合によって、事故当時の状況が無理なく説明できることが明らかになりました。
また、事故調査報告書で「自動操縦使用中に操縦桿をオーバーライドした」と記述されている力は、航空機メーカーによれば自動操縦にまったく影響を与えない力であることが、裁判の中で明らかとなりました。

日本航空機長組合と日乗連や航空安全推進連絡会議(安全会議)では、このような事故調査がなされる限り、日本の航空安全は確立できないとの思いから、再発防止に寄与できる公正で科学的な原因究明を求め、事故調査委員会に対して706事故の再調査を要請しました。
再調査要請の経緯
2007年9月3日
「ご質問」
 事故調査委員会に対し、再調査の意向の有無を質問
 1ヶ月を目処に文書にて回答を行うよう要請
事故調査委員会との会見後、信楽鉄道事故や中華航空名古屋事故の遺族とともに、背景要因を重視した再発防止に寄与できる事故調査を求めて記者会見
2007年10月3日
「再調査要請書」
事故調査委員会に対し、再調査要請書を提出  
9月3日の質問から1ヶ月間、事故調から何の連絡もなかったために、正式な再調査要請書を提出
事故調査委員会からは、11時30分電話連絡があり、10月7日の会談を約す
2007年10月7日 事故調査委員会より、質問に関して口頭で説明
事故調査報告書は、警察に対し「一般公開文書」として提出した。鑑定書として出していない
事故調査報告書に書いてあることしか言えない
再調査は行わない
2007年11月8日 事故調査委員会より、再度の口頭説明
再調査は行わない
再発防止策は十分とった
報告書に書いてないことは言いたくない
 

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